○正森
委員 御自分の独断に基づいていろいろ
総理言われても、それは人を納得させないですね。何か今の
総理の話を聞いていると、検証というのはなくなって後からの検証で、なくす過程では検証が働かないような印象を受けましたが、そんなものじゃないんですよ。
総理はもちろん御存じでしょう。今査察衛星が飛んでいて、これは近地点で百五十キロぐらいのところを飛んでいるのです。六百センチの焦点レンズの望遠レンズがついているのです。それで写真を写しますと地上の十五センチのものまで解析できるのです。これは
総理に対して釈迦に説法ですが。
だから、ICBM基地の足跡をどういうぐあいに消すかということが双方で問題になっており、学者の本を読みますと、双方のICBMの基地のサイロがあいているのを
お互いに見つけて、おまえのところのサイロは何であいているんだと言うて注意をするぐらい査察衛星は発達しているのです。その上に今度の首脳会談では現地での査察も認めて、
お互いになくしていこうではないか、こう言っているのですから、
総理の言う科学的廃絶の検証については言うところがないんですね。
しかも、精神異常者だとかなんとかがまたつくったらいかぬと言いますけれ
ども、そういうので調べているのですからね。スーツケース爆弾じゃないんですよ。そんな、戦略核兵器がそういうぐあいに隠れてつくれるというような保証は全くと言ってないのです。ところが、そういう点について保険が必要だというようなことを言われるとすれば、保険必要説に立てば、気違いがいつつくるかわからぬからいつまでもこの保険を持っていることが必要だということになって、核兵器廃絶を無限のかなたに追いやるものにほかならないというように私
どもは思います。
しかし、この点については見解が違うようですから、次に、円高差益の問題について
お尋ねしたいと思います。
今度の
補正予算というのは、もともとは六月、七月に、円高で非常に大変だから、円高の不況をどういうぐあいに直すかということで
臨時国会が召集されて、本来そこでやるべきことを
解散になったので数ヵ月おくれてやる、こういう性質のものであります。したがって、我々は、
円高不況克服のためにどういうことが行われるかというように関心を持っておりましたが、国民が一番望んでいる、我が党が主張しているような二兆五千億円の
減税というのは行われない、そして数兆円に上るような円高差益の還元、これも内需の本当の拡大に極めて有効でありますが、それが
実施されないということで、ほかに細々したことは行われているかもしれませんけれ
ども、国民の期待にこたえるには非常に遠いものであるというように思わなければなりません。
そこで通産大臣に伺いますが、通産省の資料を見ますと、現行の電気料金の基準は、一ドルが二百四十二円で、そして原油がバレル当たり三十二ドルということで一応決めております。そして通産省の資料では、円高差益というものは、仮に原油価格が一バレル二十九ドル、こういうときには、為替レートが一円円高になれば百二十億円の差益が出る。それから原油の値下がり差益については、為替レートが二百四十五円とすれば、バレル当たり一ドル値下がりをした場合は年に一千億円円高差益あるいは原油値下がり差益が出る、こういうことであります。もちろん数字は異なりますから、それは比例してあるいは多くなり、あるいは小さくなるというように言われております。
そこで、お手元に差し上げました資料を見ていただきますと、そこに書いてございますように、仮に六十一年十月から六十二年九月までの為替レートを一ドル百六十円前後、原油価格をバレル当たり十五ドル、LNGはバレル当たり二十三ドル、これは最近数ヵ月の平均をとってやや高目に見ているわけでありますが、それを見ますと、円高差益が既に発生しているもの、昨年のG5の十月からことし三月までで二千四百九十一億円、ことしの四月から九月まで、これも既に発生しているものが二千七百四十三億円、そして十月から来年の九月まで約一年間に六千四百四十七億円、したがって、昨年から来年までの間で一兆一千六百八十一億円。原油値下がりについては、同様にして一兆九千八百二十七億円、合計三兆一千五百八億円が還元できる額になります。そのうち、現在
実施中の差益還元額が一年で九千七百十四億円であります。ですから、この差額の二兆一千七百九十四億円が還元できるはずであります。
政府は先行き不透明であるというようなことを言われますが、今まで既に実現している円高差益だけでも、この計算によりますと、書いてございますように一兆三千九百五十九億円あり、これを
政府決定の還元額の半年分、九月までですから、四千八百五十七億円と比較しても、なおかつ九千百二億円が現在までだけでも還元できることになります。さらに、十月以降来年の九月までを入れますと、私が先ほど申しましたように莫大な額が還元できることになります。これを仮に半分を家庭に還元し、残りの七割を中小企業に還元するとなりますと、これは家庭では約三〇%の値下げ、中小企業でも電気代が約一七%値下げになります。
田村通産大臣、あなたはこれまでの答弁あるいはきのうの当予算
委員会の答弁でも、私は
委員として聞いておりましたが、あなたの答弁は判で押したように、為替レートがどうなるか、原油がどうなるか先行き不透明でございます、なおしばらく事態の推移を見守りたいと思います、現在は白紙でございますというのが通産大臣の御答弁であります。私がかわってもできるような答弁をずっと繰り返しておられるわけです。
しかしながら、例えば
宮澤大蔵大臣が
宮澤・ベーカー共同声明というところでも言われましたように、円レートはほぼ現在の
状態で、ファンダメンタルズを反映して、そしてマーケットに任せてもいい
状態になっておるという意味の答弁がございました。
そういたしますと、十月三十日まではあるいは
田村通産大臣の答弁でよろしかったといたしましても、
宮澤・ベーカー会談があり、既にもう原油差益が現実に発生しており、十月以降についてもほぼ現状を推移する
可能性が非常に大きくなったという段階では、
円高不況をなくすために通産大臣がさらに一歩進んで、白紙の
状態から円高差益を電力についてもガスについても、この二つが一番大もとですから還元する方向に検討し直さるべきであると思いますが、いかがですか。それが国民の願いであり、中小企業の願いであるということを私は強く主張したいと思います。御答弁をお願いします。