○川俣
委員 そこで、午前中の
発言につなぎますが、結局女性軽視なんという問題より、もうむしろべっ視というようなああいうような
発言は、やはり
誤解だとは言わせない。あるいはユーモア的な問題だという取り上げ方もあるかもしれないけれども、私は絶対取り上げない。そういう
考え方じゃない。したがって、後で申し上げますが、これは
陳謝に値する、撤回の上
陳謝に値する
発言であるということを、まず言っておきます。
それから藤尾
発言については、これから文部大臣にも今後この問題は尾を引くと思いますし、きょうは時間的な制約がありますから、外務
委員会なり内閣
委員会等、いろいろ文教
委員会でももちろんあると思いますが、問題は、歴史をもう一度みんなでひもといて、日韓併合条約がどういう形で行われたか。それからあれが有効か無効かということの条約法の条約もある。それに
日本も署名しておる。それから第二条の、
日本はもはや日韓併合は無効だ、しかし韓国の方は初めから無効だったんだ、こういうものとの大論争が
国会にあっただけに、二十年前のことを思い起こしていただいて、そして
国会で、椎名
外務大臣だったと思いますが、強行採決までいって日韓基本条約を結ばざるを得なかった場面をもう一度思い起こしてもらって、第二の藤尾
発言、第三の藤尾
発言が出ないように要求して、さらに続けます。
それで、これでも
陳謝という行為をとらないかということです。
総理みずからの
発言ですが、やはり藤尾
発言というのは――先ほどちょっと言い忘れましたが、久保田
発言というのは非常に有名になった言葉で、久保田
発言から端を発した日韓基本条約であった。したがって、今度の中曽根
発言を見ると、やはり池田さんの末期でしたか、こういう言い方はどうか知りませんが、貧乏人は麦を食えと言った池田大蔵大臣の
発言を思い出してしょうがない。確かに当時はインフレで、金のない人は麦すら食えない時代であったのは事実であるが、麦を食えばいいという
発言の中に一般庶民はショックを受けて話題になった。思いやりのない
発言であると言うてもいいと思います。いわゆる麦を食えと言って麦を食わないで済んだ人方がそちらにおりますが、その流れをくむ
中曽根総理は、東京大学を出て若くして国
会議員になった。そして
総理大臣にまでおなりになった。
日本にも、あなたのような人もいれば、貧しくて勉強すらできない人も数多くいる。しかし、この
人たちも、
自分たちの明るく楽しく立派な人生を送っている
人たちも数多い。したがって、
総理のような、いわゆる知識水準の高い物差しで論ずるべき問題ではないと私は思います。知識水準が高いんだ、まして米国では今でも黒人は字を知らない者が随分いるというような
発言は、これは池田
発言と同じように、
アメリカの黒人に対して思いやりのない、全く無神経というか、どこに国際性があるんだろうか、こういうようなことを
考えます。
まして
日本人と対比することは
人種的優越意識で判断することであって、これでは、米国はおろか、世界の人々が怒りを持つのは当然です。今、
総理が
メッセージを出して、レーガンに何とかということでしょうが、いや
アメリカは少し下火になったといったら、とんでもない、むしろヨーロッパの方で大変だ、これは。ヨーロッパの方で大変だ。ああいう
考え方を持っているんなら、なぜ我々にも謝罪しないだろうか、
陳謝しないだろうか。そうなると、
日本の
国会という、本
会議という場所がちょうどある。ちょうどある。それよりも、
日本人にもおわびする
発言だと思います。私は、おわびしなければならない
発言だと思います。
なぜかというと、
日本人というのはみんなそういうものだろうか、そういう人方なんだろうか、口ではうまいことを言っておいて、やはり根は全然違っておるんだな、本音と建前が違う民族かということをヨーロッパの新聞記者が書いておるのが紹介されています。特に
総理の場合は、思い出すが、不沈空母に乗って
アメリカに出かけていった。そして運命共同体である、ロンとヤス、こういう――御
自分も言われたから私も言いますが、何でもイエスマン、お言葉を返したことをまず私は聞いたことがありません。レーガンが提案したものにお言葉を返したことはない。何がお言葉を返したんだろうか、こう思っても、どうしても
総理がお座りになった後、ない。いろいろひもといてみたけれども、ない。それが一国の
総理だろうか。
向こうの方は向こうの立場で提案する。
アメリカの農産物を何としてくれるのだ。だから、ドアをあけろ、もっと買え。ついには、この間なんかは、これも報道で知ったわけですが、たばこの配送車が
日本のたばこの名前だけしか書いてないのはけしからぬ、
アメリカのたばこも書きなさいというので、みんな塗りかえたというあれがあった。それから飼料会社が志布志湾に入ってくる。とうとう米まで自由販売にする。それで
外務大臣も大蔵大臣もいろいろとそれの防戦に努めて帰ってこられた。こういうのが私は一国の
総理だと思う。
何も、仲よくするということは、相手が言うたことに何でも結構です、イエスマンじゃいかぬと思う。ですから、全部あなたのおっしゃるとおりです、おっしゃるとおりです。とうとうSDIという、みんなが我々が全部反対するのに、こんなのに入ったらえらいことになるよ。まず金もかかる。普通の金じゃないのだから。入るということを決定しちゃった。
そこで、そういうような親米的というか、レーガンと仲がいいというか、そういう
中曽根総理ですら、本音はああいう人なんだろうかな、これが当然だと思いますよ。だから、日米開戦前夜のことを
考えてみると、あのときだって今まで以上に
日本と
アメリカとは親近を深め、交流しておった時代なんです。
昭和十六年十二月八日、パールハーバー、真珠湾攻撃。やはり
日本人というのは、よほど仲いい人でも、仲よくなった、
アメリカをよく思っている人だなと思っていても、殴る民族なんだな、油断のならない民族なんだな、こういうように
考えると、私は、単に
アメリカに
メッセージを送るだけではなくて、全世界というか、
国民というか、そういう意味において近い将来に――近い将来というか、最も近い本
会議で
陳謝に値する問題ではないだろうかな、こう思いますだけに、
総理にこれだけは私はどうしても譲歩できない問題です。
特に、
アメリカにも
日本人がたくさんおります。それが今非常に背筋が寒いというか、我々の東北の言葉で言うと、背中さ冷ゃっこくなった、こういうようなことで、ついおとといですか、「事の重大さに背筋が冷えた」、これはロサンゼルスに住んでいる三十三歳の、
自分でも名前を書いておりますが樋口さんという方の投書でございます。コロラドへ出張中の主人から電話がかかりました、今ニュースで、
中曽根総理が
アメリカの知識水準が低い、こういうような
発言をされて大騒ぎになっておる、そっちもそうか、そうだ、よく戸締まりして寝なさいよ、こういうことなんです。ロスはどういう都であるか知っていると思います。したがって、私は早くこの問題を処理したいが、何とか
日本人全体にもおわびし、それから
アメリカに住んでおる人方のことも
考え、そしてヨーロッパの人方にも、全世界に。私は
総理の名誉のために言っていますよ。
総理がこのまま
アメリカに行って、今までのようにロンとヤスという体制になるだろうか。マンスフィールド大使が一番その辺は心配して、うちの方の土井
委員長が
委員長就任のごあいさつに行ったら、この問題にやはり触れられた。触れられたというよりも、私は感じ取った。あなたなら
アメリカに非常に歓迎されると思う、ぜひ訪米してください。私たちグループで、
委員長になる前ですが、日米を
考える会でいろいろとマンスフィールドとは話し合いの場を持ってきましたが、そういうことを
考えると、さっきのネクタイ論も含めて、
誤解であったとか、
国会に、本
会議に
陳謝する必要はないとかということを
考えないで、素直に、やはり本
会議を開かれた場合には、そのような時期があったら、そのような舞台があったら、本
会議というのは議院運営
委員会ですが、私は
陳謝する用意がある、このぐらいはおっしゃったっていいんじゃないですかね。どうですか。