○中西(績)
委員 私は、少なくともここで、これからちょっと外れますけれ
ども、今大変
教育内容の中で誤りを犯すのは、そうした歴史問題についても、近代史等については、受験ということが最優先されていく
課程の中で、時間がないということでほとんど切って捨てられる、しかもその中身の中にはそうした問題にほとんど触れられてないというのが今の歴史
教科書ではないでしょうか。だから、少なくとも国際化、これはそれぞれ固有の
教育、文化というものを私
たちは相互に認め合うという前提に立っての国際化であります。そうした際に、こうした問題について私
たちがやはり触れておかないと、論議をしておかないと、このことは将来にとって大変不幸な事態になるのではないか、こういうことを私
たち考えるがゆえに、特にこの点について今
指摘をしたわけであります。
ですから、やはり何といっても、これから
大臣に私はぜひ要望したいと思うのですけれ
ども、今御存じないと言われましたが、だからそれでもってすべてを片づけるわけにはなかなかまいらぬだろう、こう私は思います。なぜなら、内閣という行政の最高責任、こういう中における一人として、これはやはり
大臣として認めることができないということで罷免されたわけでありますから、少なくともこの問題については、これからどれぐらいなさるか知りませんけれ
ども、文部行政を担当される最高責任者としては、ぜひこのことの認識を十分していただくように要請したいと思います。そして、今言われておるような逃げの姿勢でなしに、積極的にこの問題についてはやはり取り組んでいただきたいと思います。そうすることが、
本当に今
教育の是非を論ずる場合に大変重要ではないかと思いますので、これはもうこれより深くは入りませんけれ
ども、ぜひこの点については勉強していただければと思います。
そこで、もう
一つだけこの点についての所感をお聞きしておきたいと思うのですけれ
ども、この問題が発生をいたしました期日をずっと見てまいりますと、私が非常におそれておるのは、
文部大臣を罷免をするというような重要な事件になったその原因が、文芸春秋十月号、これに記載された記事だと言われています。しかも、それは九月十日に発売をするということになっておったわけでありますけれ
ども、事前にゲラを入手し、そしてこれに対応したということであります。それで九月八日に
文部大臣が罷免をされた、ところがここでこうした放言問題等を注意をされ、あるいは撤回をしてほしいということを言われたのだけれ
ども、それをあくまでも干渉だとして拒否をしておるわけですね。それで、そのまま載っけたわけなんです。ところが、もし文芸春秋社に悪意があるといたしますならば、これをその部分を削除して発売をしたといたしますと、この問題はどのように発展をしたのでしょうか。それを考えると、事前にこういうものを手に入れて対応し、しかもあれは外務省の藤田アジア
局長が参りまして二ヵ所の訂正、削除を申し入れしたと言われていますね。このことを考えますと、この部分をカットしてもし発売をしておったとすると、文相は罷免をしたわ、これは載ってなかったなどということになると、これはどうなるのでしょう。こうしたことを考え合わせていきますと、少なくともこの前の
委員会なりの
政府の皆さんの答弁ではあくまでも検閲ではない、介入ではないということを言い続けたんだけれ
ども、検閲というのはそれじゃ何なのかということを考えてみなくてはなりません。個人的意見が公になる前に、
政府あるいはマスコミなどの抗議かあるいは
指摘によってこれを削除せよと言い、
文部大臣を罷免するというような事態になってくると、これは前
文部大臣の
内容がどうだこうだということは別にしまして、大変な問題ではないかと思うのですね。このことは今度は
教科書問題とも連動していく。もう時間がありませんからこの点については触れませんけれ
ども、こうしたことを考えると大変重要です。この点についての所感はありませんか。