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上田(卓)
委員 だからすぐ民営だ、公社制が問題だ、こういうようなことで飛躍があるようですが、これについてはさらに詰めていきたい、このように思っております。
一つは、そういう
長期債務の中での過大な
設備投資、これも必要悪として当然必要だから今までやってきた、こういうことの結果だろうというように思います。
それから年金制度も含めてですが、
国鉄のいわく因縁といいますか歴史性というのですか、そういうものも
大臣もちょっとおっしゃられたと思うのですが、そういう
意味で、例えば
国鉄共済年金の追加費用の累計ですが、これは五十一年から
昭和六十年の十年間で三兆八千三百億円にも達しておるわけであります。
もともと
国鉄というのは、
大臣もおっしゃられたように、戦後海外からの引揚者の雇用対策というのですか、失業対策という言い方がいいのかどうか別として、雇用対策として戦後の経済復興のために相当な貢献を果たしてきたということも、これまた私、事実ではないかというふうに思うのですね。それが今日の年金の危機を招く、こういうことになってくるわけでありますけれ
ども、例えば
昭和五十年のときにはこの年金の追加費用が八百八億円あったのですね。それがずっと積もり積もって、六十年度だけを見ますと四千五百八十一億円、こういうことになっておるわけであります。
そういう点で、年金の問題
一つ見ても、これは
国鉄の
責任というよりも国策としてそういう雇用対策、引揚者に対する対策という
立場から、
国鉄に国が押しつけたというのですか、
国鉄がそれを引き受けたということの結果が、今ツケとして多くかぶさってきているという面が
一つありますね。
それから、それに関連してでありますが、その
中身として例えばこういう問題がありますね、軍人恩給。
国鉄職員で召集を受け軍人として兵役に従った人は、その期間が軍人恩給期間として通算される。その軍人恩給は約十七万人分。八二年度だけで十七万人分がある。
それから恩給負担金。これも、
鉄道省として国の事業であったとき任官し退職した官吏の恩給を、公社になった後も負担している。これが百三十四億円ありますね。
それから共済年金に通算される恩給。
国鉄共済が発足して以降退職した人で、恩給期間と共済期間を合計して資格を得、通計して年金を受ける人の恩給分、これが約十四万人分、九百五十五億円。いずれも八二年度の分でございますけれ
ども。
それから、官吏として任官する以前の人の年金ですね。これは
鉄道省時代年金制度があったのだけれ
ども、その年金が二千八十九億円ですね。
それから、外国特殊法人に勤めた人への恩給相当分。南満州
鉄道、華北
鉄道などに勤めた人に対して、恩給と同じように給付が行われた。その恩給相当分が約一万人分、二十二億円。
こういうような
部分で、本来戦後の
国鉄とは関係のない、戦前、戦時中のそういう戦争体制の中での、敗戦
処理というような
状況の中でなされたものもここに含まれておるわけでありますが、この点について、厚生
大臣もお見えでございますので、
運輸大臣も含めてこういう点についてどう考えておられるのか、お答えいただきたい、このように思います。