○関山
委員 幸い、今信託制度の問題についてお触れになっていらっしゃるものですから、私もそれなりに過去いろいろな経過を踏みながら御議論があったことは承知をいたしておりますけれ
ども、確かにお話しのように、
土地の大量の
放出によって需給が緩むという側面も否定はできませんけれ
ども、今起きている事態というのはどうもそういうことではない。特に大都市、東京でありますとか大阪でありますとか大都市中心の事態はそういう事態ではない。しかも、国土庁の調査では、そういう
土地の騰貴は大都市だけのものであって地方へは波及せぬだろう、こう言っておったのが、
数字はそうでなく動きつつある傾向を示している。あるいは、これだけの金余りの中でどこへ持っていってみようもない過剰流動性が発生しつつあるというようなことを考えれば、私は改めてこの時期、
長期債務の
処理の
方法としても、全部が全部売るなと言っているわけじゃありません、ある特定の部分についてはもう一遍積極的に
土地信託制度みたいなものを考える必要があるのではないか、こう思うのです。
私
どもは、立場からすれば、本来
土地はできるだけ手放さないで、公共的に利用しながらなお借金返しにという立場でございますけれ
ども、しかし、そういう立場を強調するということとは別に、この時期何もかも売ればいいということにはやはりならないのではないか。私
どもがそう言うと、どうも立場上ということになってしまうのかもしれませんが、鹿島建設の会長石川六郎さんの発言な
ども最近そういう御主張のようでありますし、あるいは三菱地所の中田乙一さんという方の小論などにも具体的に、むしろ競売による単純
売却でなくて、場合に応じて貸し付けあるいは未利用容積の活用等の、それぞれの
土地にふさわしい提供手法を積極的に取り入れていけばいいというような御
指摘があったり、あるいは先般新聞で御承知のとおり、東京都では汐留など
黒字運用も可能というような
報道もなされておりますだけに、この際改めてこれを一定の部分に限って積極的な
土地信託制度みたいなものを考えてはどうか。私
どもも、今具体的にどういう団体でというところまであれしているわけではありませんけれ
ども、しかし、国や
清算事業団、
民間などによる第三セクターのきちっとした、
国鉄の財産を守りながらなお長期の運用の中で
債務返済に寄与し得る部分があるのではないか、こう判断をするものですから、改めて御提起を申し上げておきたいと思うのです。
何せ
土地を売るにも十年、こうおっしゃるわけですね。十六兆七千億返すのに三十年と言っているのですから、今ぱっぱっと売ってぱっと返すというような仕掛けのものにはどっちにしたってならないのです。八年たてば
黒字になると言っているのですから、都の試算は。本当かどうかは、これは十分な精査を必要とするでしょうけれ
ども、いかがですか、もう一遍検討するぐらいのことは今おっしゃっていただいてもいいのではないかと思うのですが。