○角屋
委員 日ソの首脳会談というものに私が大きな期待を持ちますのは、御案内のとおり、日ソ間における最高首脳の会談というのは、過去、正式には一九五六年、昭和三十一年十月に鳩山
総理が病身を押して訪ソし、日ソ共同宣言を結んだ、そして日ソの扉が開かれたというのが初めてであり、そして一九七三年、昭和四十八年十月に当時の
田中総理が行って、戦後未解決の諸問題、それは領土を含むという形で日ソ共同声明、政治的に言えばこの二つが訪ソによる重要な会談ということになります。
あと、鈴木
総理が一九八二年にブレジネフ書記長の葬儀のときに行かれ、中曽根
総理自身は、一九八五年三月にチェルネンコさんの葬儀のときに行かれたということでありまして、ソ連からの最高首脳の訪日というのはいまだかつてなかったのであります。そのこと自身も必ずしも正常ではございません。そういう
意味で、懸案の問題を抱えて、速やかに日ソの首脳会談が行われるということに対する我々の期待というのは極めて大きい。
ただ、私は、中曽根
総理に質問ではありませんけれども希望したいのは、場合によっては、
総理が、ゴルバチョフ書記長がおいでになって、そして首脳会談が初めて
日本で行われるという場合の片道になる可能性もある、後はニューリーダーが訪ソしてやるというケースもあるだろう。日ソの問題については、非情に難しい問題であり、一挙に片づけようとするという形には必ずしもいかぬケースがある。中曽根
総理の時代に、仮に日程上片道になっても、この懸案問題に取り組まれる熱意、姿勢が非常に大切であるというふうに私自身は考えております。これは私の
意見で、次に移りたいと思います。
中曽根
総理に、
臨調行革、今度行われようとするポスト
行革の問題に関連して少しくお伺いしたいのであります。
中曽根
総理は、中曽根
行革あるいは土光
臨調行革ということで、この土光さんと名コンビを組んで
行革を今日まで
推進されてまいりました。私自身は、もうニューリーダーにかわろうとする時代にさらにポスト
行革審まで設ける必要はないだろう、それは新しい者の政治手法に任せてよろしい、こういうふうに基本的に思います。
行革自身は、もちろん今後とも我が党も考えておりますし進めなければなりませんけれども、
臨調行革の政治手法による
行革のやり方というのはこの辺でピリオドを打っていいのじゃないかというふうに率直に言って考えております。
同時に、教育
臨調問題でありますけれども、教育
臨調問題については、来年の春
答申が出てまいりますが、それを本格的に実施していくというのには、中曽根
総理の任期から見てニューリーダーに任さなければならぬということになりますけれども、そういうことは別としても、教育
改革に対する熱意というものが
総理自身少し薄れたのではないかというふうにマスコミで報道されたりいたしております。
今度の
総務庁長官等に対する
総理出席の前の質問、あるいは
総理に対する質問を前にいたしまして、実は
総理が信頼されるメンバーの一人であります瀬島さんと数日前にお会いしたのであります。当初三、四十分と思っておりましたけれども、時間が延びまして約一時間半ばかりお話をいたしました。それは特別に瀬島さんと会うというつもりじゃなしに、瀬島さん自身は
臨調の
委員でもある、
行革審の
委員でもある、教育
臨調の
委員であるということもあり、そして特に教育
臨調の問題等も含めて、私はこれらの
法案にいずれも本
委員会でタッチをしてきた立場であるということもありまして、参考人として呼びたいというふうに
お願いをしてあったわけでありますが、私の質問前に外遊日程がございまして、それならばやむを得ないというふうに判断をしたわけであります。その瀬島さんとの話の内容については、ここで触れるつもりはございません。
ただ、瀬島さんと話をしておるときに、私は、中曽根さんは
行革問題には非常に熱心に取り組んできておるけれども、教育
改革の問題については少し熱意が薄れたのではないのかというふうに申し上げたわけであります。そのときに瀬島さんは、
行革というのは、ある
意味では難しい問題だけれども、やるのにどういう方針、手法でやるかということは一応
結論は立てやすいのだけれども、教育
改革という問題は、心の問題である。心の問題であり、同時に、幼稚園、保育園から小中学校、高等学校、大学に至る、そういう
関係者が、直接教育者としても多いし父兄全体にも及ぶ、そういうふうな
意味で、教育
改革は実際にはなかなか難しい問題にぶつかっておるという感じを実感として持っておるということを言われました。
私は、単刀直入に第二問としてお伺いしたいのは、
行革問題については非常に熱心に取り組んでこられたのだけれども、教育
改革問題については少しく熱意を失ったのではないのか。いわゆる共通一次試験の問題についても、新テストは予定より一年延長します、ああそうかというふうなところで、少しくこれに対する
総理のリーダーシップといいますか、熱意が薄れたのではないか、これはニューリーダーがやればよろしいと思っておるかどうか知りませんが、そこら
あたりについては率直にどういうふうにお考えですか。