○田並
委員 それでは時間の関係もありますので、かいつまんで
郵政省並びに
NHKの
会長に質問を申し上げたいのですが、
NHKは、大変
公共放送の使命に徹しまして、
国民の信頼にこたえて公平、公正、不偏不党、表現の自由を確保するために日夜
努力をされていることについては心から敬意を表したいと思うのです。あわせて、取り巻く環境は大変厳しいわけですが、
収入の確保、さらに
経営の
効率化による
支出の削減、節減といいましょうか、その
努力をされていることについては非常に私
どもとしても高く評価をするわけでございますが、今後一層それらの
努力を進めてほしいという観点から、幾つかの点について質問したいと思うのです。
その一つは、特に
経営のトップに立っていらっしゃる方々の言動というのが非常に長年
NHKに信頼を寄せておった
国民の信頼を損なう結果を招来しては困るということで、読売新聞の十一月二十日付の例の「顔」欄という、トップクラスの人を紹介をする「顔」欄という記事がございます。十一月二十日号に掲載をされておったのを私もちょっと見て、
内容が少しこれは問題なのかなという感じがしたものですから、この点についてまず第一点聞きたいと思うのです。
ここで書かれている
内容というのは、
NHKの
経営委員長さんに新しく就任をされた磯田
委員長さんの紹介なんですね。もちろん新聞記事ですから、かなり長い間しゃべったものを要約をして、あるいは新聞記者の方の主観が入るのかもしれませんけれ
ども、三つほどこの中で新
委員長の抱負というようなもので書かれているわけです。
その一つは、
NHKは、いいものは高くつく、こういういうふうに言うけれ
ども、そういう発想じゃ困る。安くていいものをつくるのが使命じゃないか。もうちょっと行革を進める必要があるということが第一点。二つ目は、公平、公正な
報道と言っているけれ
ども、どうも一面の真実しか伝えておらない嫌いがある。要するに、もっと要約すれば、
NHKは偏向
放送をしているのではないか、こういう意味にもとれると思うのですね。三つ目は、海外
放送の今のあり方というのは戦後のニュートラルの考え方でずっと来ている、したがってこれは国策
放送にすべきではないか。要約するとこの三点を
NHKの新
経営委員長さんが発言をされているわけです。それがこのとおり新聞に出ているわけですね。
そうすると、どうもこういう記事が出たということは、私
どもにしてみますと、この磯田さんは
昭和五十七年から
経営委員会の
経営委員をやっていらっしゃるわけです。しかも参考資料としていただきました
日本放送協会五十八年度業務報告書及び
郵政大臣の意見、五十九年度も持っていますが、この中に、
経営委員会が年に三十回とか二十八回とかそれぞれの年別に
会議を開いて、重要な事項については要するに法律に基づいて議決をしなければならない案件というのが
経営委員会にあるわけですから、これらも
審議をして決議をした、あるいはその他重要な基本的な問題についても
審議をしたということが全部書かれているわけですよ。それに参画をされているわけですね、今までこの磯田
委員長さんは。そうすると、そういう中で当然こういうようなお考えを持っているとすれば出すべきだし、あるいは
放送の編集の自由というのは
NHKさん持っているわけですから、その立ち入っていい部分と立ち入ってはいけない部分というふうにあると思うのですが、少なくとも重要事項の決定、国内
放送の番組基準だとか国際
放送の番組基準だとか、あるいはその他重要な事項については当然
経営委員として今日まで五十七年以降ずっと参画をしておる方でありますから、そういう意味ではどうもこの発言が私
どもとして腑に落ちないわけですよ。
どういうお考えでこのような発言をされたのか。きょうは
委員長さんにもぜひ
参考人として来てほしいというように当初要望いたしましたが、大変多忙な身だそうでございますので、どうも
NHKの
会長にそういう話を聞いて本当に真実が私
どもに伝わってくるのかどうかちょっと疑問は持ちますが、
NHKの
会長という立場でぜひひとつ御意見などを聞かしていただければありがたい。
その前に、この新聞記事を
会長さんごらんになったのかどうかということ。それともう一つは、先ほど私が申し上げましたように、
経営委員に就任されたのは五十七年でありますから、今日までずっと
経営委員でやってこられた。この間に恐らく、先ほど言った法定議決事項の
審議あるいは重要な基本的な問題についての
審議に御参画をされておったと思うのですね、磯田さんは。その中で特に何か問題があって決定事項が決定されなかったり、重要な基本的な事項が具体的に決定されなかったりという事例があったのかどうか。この二点だけまずお聞かせを願いたいと思うのです。