○松前
委員 いろいろ検討されてやっていらっしゃることについて私としても大変安心はしたわけでございますが、今、島に帰っていらっしゃる方もいるわけですね。こういう方々がもし何どきどういう
状況になっても安心して常に
情報連絡がとれるというような
状況に持っていく必要があろうと思うので、
最後にはやはりそこの人一人の命というものが一番重要でございますから、その辺にも十分対処できるような方策を考えていただきたい。船なんか行っているようでありますけれども、その上に通信衛星のアンテナを積んでおくとか、いろいろな方策があろうと思いますので、十分御検討いただいて今後の緊急な場合に対処していただきたい、そのように思います。よろしくお願いを申し上げたいと思います。
もう一点、これはまたちょっと
質問としてするということは申し上げておりませんでしたが、私が常日ごろ考えているものなんでございますけれども、電信通信というものについて、今までずっと世界の
状況の中で、歴史の中で発展してきておりますけれども、かいつまんで申し上げますと、これがかなりお互いの国と国との相互
理解というものを深めてきたということは十分おわかりだろうと思います。もしこれがなかったならば誤解が誤解を招いて、ますます混乱の社会になっていっただろう、そんなように思うわけでございますけれども、そういう意味で通信の果たす
役割というのは非常に大きい。ですから、インテルサットとかああいう国際通信というものが設立されたその一番大もとは、やはりそういうような全世界との通信をやって、そして相互
理解を深めていく。当面は電話でありましたけれども、その後テレビやらそういうものを通じて相互に
情報交換というものが行われておるわけでございます。インテルサットの設立というのはやはりそういう全世界、地球全体の規模でもって通信によって世界を結んでいこうじゃないか、手をつないでいこうじゃないか、こういう考えがあったと思うわけでございます。
それで、今現状を考えてみますと、国内の通信においてはとにかく第二電電等々で競争原理がどんどん導入されてきている。どっちかというと、悪い言葉で言うともうかるところ、もうかるものばかり先行するというようにしか見えないというような現状であるわけでありますけれども、世界の
状況を見ますと、今
日本も先進国に仲間入りしたわけですけれども、そういう
日本のような
状況の国だけではないということをやはり我々は十分知っておかなければならぬだろうと思うのですね。
もう御
承知だと思いますが、東南アジアとか南の方の国に行けば
電気通信さえもそんなに
普及していない。イラン・イラク戦争なんて起こっておりますが、イランなんかは
放送でも電話でもかなりまだ行ってないところ、かなりといいますか、ほとんど行ってないと言ってもいいくらいの
状況でありまして、だから教育も
普及していない。そのために、教育のためにアラブサットという人工衛星をつくって、アラブの国、あの辺の周辺の国を全部ひっくるめて教育
放送をして教育レベルを高めて、そしてあの辺の国の安定を図ろうということでアラブサットという人工衛星をつくろうとしてやっておったのでありますけれども、もしそれができていれば現状のようなことはなかったと私は思うのであります。
しかし残念なことに、それがつくられていくその途中でイラン革命が起こってホメイニさんになって、それでおかしくなってきて、アラブサットそのものもだめになってしまう。現状は一切そういうことがないわけですね。そういう教育のための人工衛星を上げるなんというのは、今少し出てきておるようでありますけれども、なかなか統一してアラブの国でやろうなんということになっていないようでございます。そんなようなことで、南の方の国というのは大変に今
情報交換といいますか、
情報というものが行き届かない。誤解が誤解を招いて混乱に陥るという
状況が続いているわけでございます。
そんなことを考えますと、
我が国だけが一生懸命国内に目を向けて、
アメリカも含めて目を向けて、競争原理そして
活力ということだけでもって考えておったのではどうも片手落ちだ。
日本の国として世界のトップの国になってきたということになるならば、少しは今の世界の現状、これをどうやってもっと平和の
方向に持っていったらいいかということを考えていくべきじゃないだろうか、そんなように思うのです。
ODAというのをやっておりますけれども、ODAというのはいろいろやっているようでございますけれども、結果としては余り喜ばれていないODAであるし、またそのODAに
日本から出したお金がまた
日本に半分くらい戻ってくるような、そういうような
経済援助であるならば、こんなのはやはり相手の国からはちっとも喜ばれてこない。
そして今貿易摩擦といって盛んに
アメリカからやられている。なぜこうやられているかという原因、これを考えてみますと、
日本の国が国際的に使命を果たしてないじゃないかというのがどうも一番最初にあったわけでございます。それが軍備だとかいろいろなことがありますけれども、しかし、やはりこの世界の混乱、将来の混乱を混乱の
方向に持っていかないように、
日本が果たすべき
役割というものをしっかりやっていかなければいけなかったのじゃないだろうか。現時点で
外国にやっておるのは、何か
外国に土地を買ったり建物を買ったりするというようなことしか今現時点ではやっておらぬというような
状況でございます。
その昔、
アメリカが非常に繁栄して、百年くらい前になりますけれども、そのときに
アメリカは
日本に対して何をやったか。
アメリカは繁栄したときに
日本に対して、
アメリカ政府ではありません、民間でありましたけれども、
日本にたくさんの学校をつくりましたですね。私のところの
委員長の土井さんの出た同志社大学、これも恐らくそうだったと思います。それから、何々学院大学という名前がついているところはほとんど
外国の人が
日本に学校をつくった。そして
日本の教育レベルを高めて、
日本が非常に教育レベルの高い、そして豊かな国になってくれなければ世界は混乱するということで、
アメリカ、それからフランス、ドイツ、そういう諸
外国が
日本に対して教育レベルを高めるということを一生懸命やった。そういうことが過去の歴史にあるわけであります。ところが
日本は今現在そういうことがほとんどないと言ってもいいぐらい。だから貿易摩擦だとかなんとかいって
外国からたたかれる。
日本はやることをやっていないじゃないかということを言われるわけです。
そういうことで考えてみますと、この
電気通信というのは、先ほどお話ししましたように
放送衛星なんかを使って教育の
普及なんというのをやりますと非常に大きな効果がある。ですから
郵政省も国内だけに目を向けていないで、世界の
状況、そして国際情勢、そして将来の安定、二十一世紀の
日本の安定ということを考えるならば、やはり東南アジアそれから南の国々、こういうところに対して、
電気通信というものをもっともっとあちらに
普及さしてやるような援助というものを考えていったらどうだろうか、私はそのように思うのでございます。
これは恐らく、物で与えられるのと違って、その国のインフラストラクチャーというか、そういう基盤をつくる、そしてその国のレベルを、教育的レベルそれから文化的レベルを向上していく、これこそその南の国を救う道になっていくんじゃないか。そういうことをやっていくと、ああ、
日本はやっておるな。貿易摩擦だといって、
日本はけちくさいことばかり言っておる、いろいろな関税が高いとか、何かそういうものを
アメリカあたりが言ってくるのですけれども、そういうことも余り言わなくなってくるんじゃないだろうか、私はそんなような気がするのであります。
これは外務省あたりに本当は言わなければいけないんだけれども、
郵政省としてもやはりそういう大きな目を開いて、そうして世界に対してやっていくぐらいの姿勢を持っていただきたい、そのように思うのであります。その辺について、これは私の考え方でございますのでいろいろ反論はあろうと思いますけれども、
大臣の御
所見をちょっとお伺いしたいと思います。