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加藤(万)
委員 財政局長、経過はいいですよ。それから、お互いに十年来この問題をやっているわけですから、私が言っているのは六十二
年度に財源不足額が出るでしょう、そしたら特会からの借り入れはせざるを得ないんじゃないですか。したがって、五十九
年度の覚書というのは事実上六十二
年度の
予算編成の中ではもう適用できませんね。できないでしょう。財源不足額が恐らく、税法
改正でどうなるか不確定要素はありますけれ
ども、したがって前段として現行のままでいけばという前提を置いての話ですけれ
ども、それでも一兆円超えるんじゃないでしょうか。ましてや六十一
年度の発射台はもっと下げて、
経済成長率その他から見て発射台を下げて
地方の
財政需要額を出していけば、その差というのは二兆円近くなりはせぬかという心配を実は持っているわけです。それだけの財源不足が出ますと、この覚書は事実上なきに等しいですよ、六十二
年度で見てみても。六十三
年度はどうなるかわかりませんよ。したがって、私は、緊急避難的に六十一
年度でこの
措置をとりました、御了解をということは率直に言ってどうもできない。そこでうなずくわけにいかないのです。六十二
年度もそうなるとするならば、六十二
年度の財源不足額を見越して特会の
措置というものは一体継続するのかしないのか、改めてここでそういう
方向性をきちっとすべきではないかと実は思っているのです。
私はもっと極端に言えば、今度の場合の特会の借り入れ問題も、これはいいかどうかひとつ
議論のあるところでしょうけれ
ども、
赤字国債を発行すべきだ。もし長期的な展望に立つ安定的な景気浮揚策として本
年度の
補正をやるとするならば、国は一般会計で埋めます、そのかわり
赤字国債も発行します、そのぐらいな大胆な政策的な踏み切りがなければ、六十二
年度、六十三
年度に向かった日本の景気浮揚策は出てきませんよ。したがって、私は小沢
大臣のときも言ったのですけれ
ども、もはや
財政再建計画、六十五
年度に
赤字国債をゼ口にするなどという政策はおやめなさい。それよりも
現実に、あのときは六十一
年度の
審議ですから、六十一
年度からこれから先を見越して、日本はこういう
経済的な
視点、こういう方法をとりますよ、そのために誘導的な政策としてこうこうこういうものが必要ならば当面は
国債の発行をする、あるいはそういう景気誘導刺激策をとる。とった中で、先ほど
経済企画庁から話があったように、今公定歩合が一番低いわけですから金を借りてもいいじゃないですか。金を借りた分でそれで景気刺激を与えて、そして
財政再建の新しい
方向というのを見出していく。そういう積極的な
財政政策が必要だ、私はこう言っているのです。
したがって、六十一
年度のこの
補正予算に伴って
交付税を
特別会計から借り入れて、そしてこれは緊急避難ですよ、単
年度ですよなんていう答弁はどうも私はうなずけないのです。六十二
年度だけを見てももう特会からの借り入れはせざるを得ないという状況があるならば、
地方財政が別の面でうんと伸びるというふうに私は思えないのです。これは今
年度も当初のときに
議論しましたけれ
ども、
地方税については別途例の土地関係に対する税法の
改正をやりましたから、国の方の
経済が落ち込んでもそっちの方で
地方財政は豊かになりますから、多分つじつまが合いますよという答弁でしたよ。しかし、
現実にはそれは合わないでしょう。
地方税法の
改正によって法人
事業税なり、あるいは法人割の県民税、市民税がそれを埋めるだけの
財政措置はできておりませんよね。できません。とするならば、私は、この際、
特別会計からの借り入れ問題という問題を単に単
年度の緊急避難なんということでごまかさないで、来
年度もあるいは六十三
年度に向かってもそういう
措置をとるかもしれません、だがしかし、それはやがて来るであろう次の日本の景気浮揚の
方向、その中で
税制収入を得てやがて埋めていきますよという長期的な
財政再建計画の中にこの問題が配置をされるべきだというのが私の見解なんです。そういう
方向をもうとるべきじゃないですか。
私は、
財政と
経済政策の転換を思いっ切りやりなさいという実は意見なんです。それをしませんと、当面を糊塗した政策しか出てこないのです。したがって、六十五
年度赤字国債の脱却などできないじゃないですか、こう総理に詰め寄っても、それは先ほどのお話じゃありませんけれ
ども、各大型プロジェクトが一斉に花開いてしまうものに対する歯どめぐらいにはなりますよというのが
大蔵大臣の答弁ですよ。ちょっと私は無責任な答弁だなとは思いましたけれ
ども、しかし、それはそれなりの効果はあるでしょう。しかし、もう六十二
年度を見越し、六十三
年度を見越し、日本の
財政再建をやるとするならば、まさに国のマイナス
財政シーリングのマイナスのところでとどめておくのでなくして、もっと積極的な公共事業投資、社会資本投資、一方においては行政
改革も常にマイナスという
財政計画の中で行うのではなくて、もっと積極策を前に出してみてそれで
財政再建の展望を見ていく。私は、六十五
年度赤字
財政の脱却が破綻したなんという、そんな攻撃的な話をしたってこれは
議論になりませんから、もっとそういう
財政政策の転換をすべきだ。その見解から見ていきますならば、むしろ
特別会計はこういう形で借り入れざるを得ませんでした、五十九
年度の覚書は五十九年から六十
年度を見越した中ではそうであったけれ
ども、これから六十一
年度のこの
補正の結果を見、六十二
年度の
経済展望を見ると、そのことは既に不可能です、可能ではありません、したがって、その上に立ってこの
特別会計からの
交付税の借り入れの
措置をお認め願いたい、こういうのが正直な答弁じゃないでしょうかね。いかがでしょう。