○
堀委員 いろいろな条件がございますから、なかなかそのどちらかに割り切って問題を処理するわけにはまいりませんのですが、ちょっとここで、この前も、その本の中にも入っているのでありますけれ
ども、竹下さんが
大蔵大臣に
最初になりましたときに、私はこういうことを公式にこの
委員会で申し上げたのであります。
歴代大蔵大臣、多くの方に
論議をさせていただいてきたのでありますけれ
ども、多くの
大蔵大臣の
皆さんは、大体
事務当局が書かれたペーパーを土台とした
答弁をされておりました。ただ一人だけ違ったのは、
田中角榮大蔵大臣でございました。
田中角榮大蔵大臣のときに、実は私はいろいろな問題を提起をさせ、それが
政治家田中角榮さんの物の
考え方と合ったときには、彼はその場で直ちにそれに対する明快な回答をしていただいたわけであります。
きょうお配りをした中にも、証券取引法の改正の問題等について、関西電力の前副社長、現在顧問をしております加治木さんが当時証券部長をしておられたのでありますけれ
ども、私が証券の免許制についての証取法の改正の
提案をいたしましたのについて、実は加治木さんが横から、大臣、慎重にお願いします、こういうあれをやっておられましたけれ
ども、堀さん御案内のように、
事務当局は大変消極的です、一年や二年で免許制をやるなどという
答弁をされたら困りますよとさっきまで言われていたが、しかし、私は
政治家として、現在内閣
委員会に証券局設置をお願いしておりますので、これを通していただいたら直ちに
最初の
仕事として証券取引法の改正に取り組みます、実はこういう御
答弁をいただいているわけです。
ここで、実は
日本の戦後における証券取引法の改正がスタートしたのですが、私は
国会の側ですから事情はよくわかりませんでした。この本に座談会として、当時の衝にあられた松井さん、加治木さん、安川さん、水野さんの四人と座談会をいたしまして、その中で大変な
事務当局の苦悩の姿を実はお話をいただいたわけであります。とてもこのたくさんの証券を免許制にして
大蔵省で監督ができるのか、こういうことについて証券局内部の
皆さん、いろいろと御
論議をなすったようでありますが、だんだんと証券情勢が変わってきまして、例の山一問題に差しかかる時期になって、局内一致して証取法の改正をやろうということに変わったという経緯を実はこの本の中で
関係者の
皆さんがお話をいただいているわけであります。
しかし、何にしても私は、ここで
事務当局の書きましたペーパーを読んでいただく
大蔵大臣でございましたら、
大蔵大臣に御出席をいただく必要はないのでありまして、
関係当局の
局長が
答弁をしてくれればそれで用は足りるわけであります。やはり、
政治家は
政治家としての経綸と判断がなければなりません。さっき申し上げましたような
長期の
展望に立って、広い視野の上で、そうして政治的判断をしていただくために、私はこの
大蔵委員会では、法案審議については大臣の出席がなければ法案審議をやらないと、もうずっと若いころから
理事として頑張って、それが実は今日当
委員会のルールになってきているのは、
政治家としての
大蔵大臣の
答弁を求めるということに私は非常な比重をかけて今日参っているわけであります。
そこで、これから本論に入るのでありますが、
宮澤大臣が総務会長でいらしたころの御
論議をちょっと振り返ってみたわけでございます。そうしますと、これがまた、
最初に申し上げましたけれ
ども、
宮澤さんと私の
考えの一致しているところが実にたくさんございます。古いところで、六十一年三月二十四日の「当面の
政策について」ということで、「予算成立後サミットまでの間に、左の諸点についてご検討願いたく提言致します。」こう書いていらしていろいろ書いてございますが、この中の二番目に、「今日のような低金利の時代には既発国債をもっと低利なものに借換えれば大きな国益になるはずであるが、このような発想が浮かばないのは、現在の
財政制度が大福帖式で、金利の観念がないからである(
関係法令はほとんど終戦直後のもの)。将来制度を改め国債の発行や管理を景気動向、金利、税収などを勘案して
経済法則に則って弾力的に行なうこととすれば金利支払などかなりの節約が可能になる。」 こういうふうに実はお述べになっていらっしゃる。
私、実は五十六年の二月に、
渡辺美智雄
大蔵大臣のときにこの問題を取り上げまして、国債特別
会計をつくって国債のファイナンスは完全に自由にしようではないかという問題を提起をさせていただきました。そして、
大蔵省の
皆さんにいろいろ御協力をいただいたんですが、やはり
財政法という重い法律があるものですから、なかなか時間がかかりました。しかし、今の銀行
局長の平澤さんが
主計局の筆頭次長のときに、現在の短期国債が発行できるという新しい
法律案を
昭和六十年の法律改正で
提案をしていただいた、こういうことになっているわけであります。ですから、時間のあれはちょっと私の方が早いのでありますけれ
ども、問題をごらんになる角度は私と
宮澤大蔵大臣、非常に共通性がある。これがまず一点目でございます。
二点目は、六十一年の六月十四日の朝日新聞が、「自民ニューリーダ3氏に聞く」というのを出しているのでありますけれ
ども、その中で
宮澤さんはこういうふうに言っていらっしゃるのです。
現在は明らかに景気下降局面に入っている。下半期の実質
経済成長はゼロかマイナス、年間通して二・五%成長というところだろうか。まずやるべきことは、公共事業の前倒しをやったあとの対策で、公共事業の追加を中心とした補正予算だ。規模は三兆円がらみと
考えている。国債を全額借り換え債を発行して償還すれば、今年度一兆七千億円、来年度なら二兆一千億円の余裕財源が生まれる。あとは税収をにらみながら国債増発などを
考えればいい。
国債の増発は問題だという
議論があるが、六十年度だって昨年末に赤字国債で四千五十億円、建設国債三千五百三十億円を追加発行しているではないか。
こんなふうに実はお答えになっておりました。
さらに今度は減税の問題について、
私は、
税制改革のやり方としては
所得税、法人税の減税を先行させ、その後三年間ぐらいかけて歳入を中立に戻せばいいと思う。減税と増税の実施時期をずらせば歳入欠陥が発生することが
考えられるが、そうした場合は、先ほど述べた国債を全額借り換え債にすることによって浮くカネを減税の財源にしてもいい。
大型間接税の問題は、今後、増大する社会保障費の財源対策と関連づけでもしない限り、手を触れられまい。
こんなふうにお答えになっているわけでございます。
実は今のこの問題について、
昭和六十一年十一月二十日、「減税、増税を一定期間を限って同額とし、併せて現在の
財政上の矛盾と誤りを是正する
提案」というのを
皆さんのお手元にお配りをいたしております。これもペーパーになっておりますが、記録にとどめたいので、ちょっと読み上げます。
一、
円高不況の進行とともに、製造業特に輸出産業は極めてきびしい
状況に追い込まれ、雇用問題にまで及んでいる。
政府の六十一年度
経済見通しは大方の予想では二%台となる可能性が高いとされている。このような現状から内需拡大が強く望まれている。それ故六十二年度
経済を三%台に乗せることは、国内的にも
国際的にも極めて重要な課題なのである。
しかし現状では
財政当局に、そのような危機的認識があるようには見受けられない。
私は本年四月三日ワシントンでベーカー財務長官と会談したが、その
最初の言葉は「堀さん、
日本は内需拡大のために
所得税減税を行なうことは出来ないのですか。レーガン大統領は就任後直ちに
所得税減税(最高税率七〇%から五〇%へ、ブラケットを十五から十四へ)を行ない、その結果アメリカ
経済は今日まで順調に成長が続いています。」であった。
私は「既に六十年二月の予算
委員会で中曽根首相、竹下
大蔵大臣に最高税率現在七〇%を五〇%に、ブラケット十五を五に減らすよう公式に
提案していますが、今日迄
所得税減税は行なわれていません。」 と答えた。米国のみならず、EC諸国も、対日貿易のインバランス是正のために速やかに所得減税を行ない、内需拡大を通じて輸入を増加させて欲しいという点では完全に一致している。本年は特にECとの間のインバランスが急増し、そのためECの対日要求はこれまでになくきびしいものとなっている。
しかし中曽根内閣が六十二年度から行おうとしている増減税は、
国際的にも国内的にも内需拡大を求める方向とは全く逆の方向に進みつつあるのである。
この誤った
経済運営を正すために以下、税の問題と
財政の問題の両面から私見を述べ、
日本経済の活性化のための提言としたいと
考えている。
二、増減税の実施時期の問題
政府税調の答申によると、減税額と増税額は同年度同額としている。
何故このような実行困難、
政策不在の決定が答申されたのであろうか。まさに官僚的発想の極みであると思う。民主主義の政治は多数派の意志決定によって行なわれる。
自民党が圧倒的多数を占めている現状で、安易に減税先行となれば、必ず増税が時期的にも額的にも不十分となり、現在の
赤字財政にしわがよることは必至であるとの心配が
事務当局の頭の中に大きく広がっていることは理解出来る。しかし一体初年度である六十二年度に、減税は直ちに四月から実施し得るが、増税は税調答申の三案いずれを選んでも、早くて税収増となるのは六十三年一〜三月期で、その額は新税であるので予定額年度間増収見積りで五分の一程度ではなかろうか。税調案は新型間接税を平年度四兆円の税収と報告している。私の推定では六十二年度中の税収は六千億円〜八千億円となる。仮に七千億円の税収があると仮定し、併せて非課税貯蓄の廃止を前提として一兆円の増収が見込まれているが、たとえどのような
税制が選択されても六十二年度の税収としては計上出来ないのではないか。
そうなると六十二年度減税は七千億円の枠内となり、これでは内需拡大の手段とはなり難い。税調は
所得税二兆円、地方税七千億円の減税を行ないたいと
提案している。
国民は二兆七千億円の減税が六十二年度から実施されるものと大きな期待を寄せている。
米国やECの
日本の内需拡大への希望に応え、
円高不況の国内
経済を成長へと転換させるために、六十二年度四月から二兆七千億円を減税することを
提案する。しかし六十二年度の増税分は七千億円。二兆円の
財政ギャップが生ずる。もしこの
財政ギャップが適切に解決されればこの
提案は極めて現実的な
提案として受け入れられるものと確信する。私も増税額と減税額が一定期間三年ないし四年で同額として調整されることは必要だと
考えている。しかし単年度毎に同額である必要はないし、この法案等を所管する衆議院大蔵常任
委員として、一定期間の同額調整には
与野党一致して
合意できるものと思っている。
現在衆議院
大蔵委員会には
山中貞則自民党税調会長と私が社会党税調会長で共に大蔵
委員であることを付け加えておきたい。
三、
財政法と現在の
財政状況の矛盾とかい離について
現在の
財政法は
昭和二十二年三月三十一日法律三十四号として法定されている。
戦時中の
日本銀行引き受けで発行された大量の国債が戦後のインフレーションを引き起こし、
国民生活を困窮に追い込んでいる最中に作られた
財政法が均衡
財政主義の下に作られたのは、当然のことである。法第四条が「国の歳出は公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」 としているのは、この部分が
財政法の義務規定であることを明示している点で極めて重要な規定で、ここに完全均衡
財政を規定しているのである。「但し……出来る。」とあるのは例外を規定したものであることを明確に認識して始めて
財政法の正しい理解とすべきである。現在四条国債は当然発行出来るものとの誤った認識があるように思われるが、このように見て来ると四条債が特例債であると
考えるのが相当である。となると現在の特例債は特、特例債となり、
財政法の起案者は六十一年度に国債残高が百四十三兆にも達するなどとは夢想もしていなかった筈である。
五十一年度から特例債が発行され、六十一年度は建設、特例国債合計十兆九千四百六十億円を予定している。
私は五十八年の第三十七回総選挙に当たって社会党の国債
政策を転換するよう
提案し、党の
政策となった。国債に四条債と特例債を区別し、四条債は善で、特例債は悪であるという認識は前記の
財政法の誤った認識によるもので、国債は両者の区別なく悪なのである。四条債は公共事業の裏付けがあるから善と
考えるのは誤りで、この法律の起案者が将来の但し書き部分の濫用を恐れて歯止め策として公共事業、出資金を裏付けとし、併せて
国会の議決を求めていると解すべきで、特例債は悪であるとの認識も以上の論理を広く解すれば、特例債の発行はそれだけ
財政上有効需要の拡大の役割りを無視し得ないのではないか。
いずれにしても国債の発行は望ましくないので、特例債のみを六十五年迄にゼロにするという
政府の
財政再建策は実行不可能でもあり余り意味はなく、国債全体の減額を一定期間を設けて確実に行なうことを社会党は
提案しているのである。
これは私
どもが一九八三年十一月二十五日に出しましたもので、ここのところをちょっと申し上げておきますと
われわれの方針
社会党は
財政再建を広義にとらえることが
国民のための
財政改革につながると
考えます。
この
立場に立って、
財政再建に対して、つぎのような段階的な目標を掲げ、
財政体質の改善をはかることとします。
第一段階としては、一般
会計における建設国債と特例国債の依存率を両者の合計で二〇%以下にします(五年間で達成)。
第二段階としては、その依存率を一〇%以下にします(五年間で達成)。
第三段階としては、それ以後できるだけすみやかに特例国債の発行をとりやめます(遅くとも五年間)。
国債依存の計画的低下を進めますが、建設国債と特例国債との比率は各年度の予算編成で決めていくことになります。その際、福祉・教育費充実のために一定程度の特例国債の発行は必要となり、逆に建設国債の発行は抑制されることになります。
社会資本整備のための財源確保は国の建設国債に依存するだけでなく、十分な地方税源の保障をはかったうえで、地方債の積極的活用による地方中心の公共事業の拡大をはかります。
内需主導型
経済への転換
というようなことで、私
どもはそういうような転換を既に一九八三年十一月にしておるということでございます。
今回の補正予算の発表に際して、この補正は剰余金と四条債の発行により行なわれたと、さも赤字債と無縁のような発表があったが、この事は事実に反している。一体赤字国債の大量発行の下で何故予算執行上剰余金が生じるのだろうか。五十三年度に
財政収入を二兆円余り年度内に歳入として使いたいために、それまで翌年度の歳入として扱われていた三月期の法人決算税収を前倒しにして、例えば六十一年三月決算税収を六十年度にとり入れることになったのである。そうすると二つの問題が生じてきた。
一つは六十年度の予算編成は五十九年十二月に行なわれる。五十九年十二月時点で二年先の六十一年三月の法人決算による税収を予測することは極めて困難なことで、不安定な歳入見通しをもたらしている。次に予算の出納閉鎖が五月三十一日に行なわれるが、この時点ではその三月に行なわれた法人決算の税収の判断は進行中のため相当困難なものを含んでいる。過去の剰余金は五十七年度千四百七十二億円、五十八年度二千五百六億円、五十九年度千七百五十五億円、六十年度四千四百億円となっている。五月三十一日の出納閉鎖の時期にその年度の最後の税収が判断出来ない現在の制度は改められるべきで、本来ならこの剰余金に相当する赤字国債を減額して剰余金をゼロとするのが
財政再建下の剰余金対応でなければならない。以上で明らかなように六十年度の剰余金四千四百億円は赤字国債の発行によって生じた剰余金なのである。もしこの三月期決算税収を以前のように戻すためには現在では四兆円の財源を必要とする。この問題はここまでに止めて本論に戻ることとする。
現在この均衡
財政主義の
財政法の下で、五十三年以来十兆円を越える国債が九年連続して発行されている。このことは現状が
財政法と完全にかい離していることを証明している。私も将来は均衡
財政主義に戻るべきだと思うが、現在は現状に適応した対応を行なうべきだと
考えている。
昭和五十六年二月
渡辺大蔵大臣との一般質問で私は二つの
財政に関する問題を提起した。
一つは大量に発行されている十年債の借換の時期が迫ってきているので、数兆円に達する国債の借換をスムーズに行うためには、事前に短期国債を同額発行して対応する以外に方法がないという問題。
二つは現在の
財政法は例外として四条債を認めている程度で、今日の大量発行を予想していなかったので、その返還計画を提出させ、予算総則に四条第一項但書きの規定による公債又は借入金の限度額、第四条第三項の規定による公共事業費の範囲等の規定を設けることを求めている。現在の予算の添附資料においてそれ故二年債、三年債、四年債、五年債、十年債等年間発行額を発行種類別に記載し、
国会に提出しなければならないこととなっている。(但し、
国会に報告することにより変更は可能。)一方国債金利は市中の資金需要の状態で相当な高低が今日まで生じている。高い時は八%台、低い時は五%台(長短債によっても当然異なっている。)と変動している。しかし現在の
財政法の下は、金利の高い時は短期債の発行をし、金利が低くなった時に
長期債に乗換える等の今日の流行語ともなっている財テクの手段を採ることには、ある程度の制約があることも事実である。もし金利が一%低く国債の発行が可能なら、百四十兆の残高で一%分の金利が仮に節約出来れば一般
会計の国債費の負担は一兆四千億円減額されることになる。民間は財テクを最大限に利用し合理的なファイナンスが行えるのに、国の一般
会計は
昭和二十二年制定の
財政法の下でがんじがらめの国債発行を強いられていることは、
財政を担当する大蔵
委員としては何とも我慢のならないことである。そこで国債資金特別
会計を国債整理基金特別
会計にかえて創設し、国債の発行、借換、償還等の国債に関する事務のすべてを所管させ、併せて短期
金融市場を作るために自由に短期国債の発行を行い、すべてのファイナンスを
自由化する、デレギュレーションを
提案した。
財政当局もその方向に検討を進めてはきたが、漸く六十年通常
国会にその一部である借換へのための短期国債の発行、及び借換債の年度越え前倒し発行を決定したに止まっている。
本年四月米国財務省でマルフォード次官補にあった時に彼は、「堀さん、今回二月、三月と五千億円ずつ発行された短期国債に源泉徴収税が課税されるのは理解出来ない。米国も西独もこのようなことは行っていない。速やかに源泉課税を撤廃して貰いたい。」との要求であった。私は、「この短期国債は、私の
提案によって発行されることになったもので、
日本銀行にブックエントリーしている企業に源泉徴収を行う必要はないと私も
考えている。主権免税の中央銀行にまで課税しようとしているのは全く不当なことなので、私もこの源泉課税には反対である。」と答え、その線にそって主税局に問題を提起している。今日、主税局も先ず中央銀行の課税は取り止める方向で作業に入っている。
日本は
金融自由化を進めているが、この短期国債と日銀が市中に売却する
政府短期証券により短期の国債市場が整備されつつあり、更にCD市場、現先市場等を含めた短期
金融市場があるとはいうものの、米国のTB(財務省証券)市場に匹敵する短期
金融市場の規模には達していない。
日本銀行は現在発行されている
大蔵省証券、外為証券、食糧証券等を軸に短期
金融市場の創設を希望しており、日銀による
政府短期証券の市中売却は相当の残高に達しているが、日銀の市中売却は、
金融調節の手段として行われること等の制約がある。そこで私は、国債資金特別
会計で短期国債を発行し、利子払いの節約のためにも、機動的なファイナンスの手段としても、更には短期
金融市場の主要商品としても、この短期国債の発行が緊急を要すると
考えているが、
財政法の改正を必要とするので未だ実現していないのである。
私は、既に六十二年度当初より二兆七千億円の国と地方における所得減税を
提案している。その際の二兆円の税収のギャップをこの短期国債の発行でつなぎ、三年ないし四年の間に増税を完全に実施し、税収ギャップが縮小するにつれて短期国債を返還すれば、まさにこの間のファイナンスの問題として処理され、現在の公定歩合三%の
金融情勢では、利子負担も最小で済むことになるのである。米国が求めている
日本の短期
金融市場の創設にも役立ち、
大蔵省もその方向を指向して現在の短期国債(不完全商品ではあるが)の呼称を最近TBと呼ぶことにしているのである。
来る通常
国会に
財政法の一部改正と国債資金特別
会計法を
提案し、増減税法案と共に
国会で議決されれば、
国際的にも、国内
経済の拡大のためにも、極めて有効な
政策手段となると私は確信している。
五十六年に
提案して、まもなく六年が経過しようとしている。私のこの
提案は、速やかに
国民の減税の要望に応え、雇用問題を伴ってきた
円高不況対策にも有効である点から
野党も賛成されることと思っている。
政治には勇気と決断が必要である。高度の政治的決断を中曽根内閣に求めたいと
考えている。
これは既に記者会見に使った資料でありますが、ここで私が述べておることと
宮澤さんが総務会長のときにお述べになっていることとはベースとしてはほとんど共通しているのじゃないか、こんなふうに思うのでありますが、
宮澤大臣の御
答弁をいただきたい。