○藤原(房)
委員 五十九年、六十年度の
炭鉱大手五社または中小
会社の経常損益などを見ますと、何も難しいことを聞いているわけじゃないのですが、国からいろいろ
対策をいただいておりますが、それがないときには大手五社も損益は確かにある
程度マイナスになっております。しかし、
北海道の大きいところ、または中小については
対策を講じた後は、わずかでありますけれ
ども大体黒字基調になっております。これは統計を見ていただけばわかります。
午前中も
大臣が言っておりましたが、
通産大臣として一番心を痛めるのは、
石炭の問題と
貿易摩擦だという
お話でしたが、その
貿易摩擦の底にあります円高、去年の九月からわずか半年か一年の間に四割も五割も円高が進んだということがやはり経営悪化の大もとになった原因だろうと思います。こういうことからいいますと、他
産業でも円高のために大変な苦悩をしておるわけでありますが、
石炭産業はそういう面では特に大きな波をかぶっておると言っても過言ではないだろうと思うのです。
過日もいろいろ申し上げたとおり、労働
生産性や能率ということからいいますと、
日本の
炭鉱も相当他国に負けない
状況になっていることは御存じのとおりでありまして、いろんな条件が悪い点はあるかもしれませんけれ
ども、去年の円高が急激に進む前まではある
程度の
体制といいますか、そういうものは整っておったんですよね。しかしながら、この半年、一年の間にこう急激になったということでありますから、そういう
状況の中でさらに
努力をしなきゃならぬ。これはしかし、円高だからやむを得ないということでは済まされませんで、やはり
企業努力、これは必要なことだろうと思いますけれ
ども、それにはやっぱりある
程度時間を要することだろうと思うのです。
こういうことで、各社、私
ども会社をあっちこっち回りますと、それぞれ大変な御
努力をしていらっしゃる。余り深部に行かないで採炭のできるような
状況はないのか、露頭炭はないのか、こういうようなことでそれぞれの
企業はそれなりに御
努力をしていらっしゃる、こういう
現状にあるわけでありますから、経済ベースの今日の非常に窮迫した
状況の中で、余りにも過酷な、
炭鉱の経営に
雪崩閉山を引き起こすようなことは絶対あってはならない。また、
国内の
需要というものも決してこれからどんどんふえるということではないのかもしれませんけれ
ども、それなりの
位置づけというものを
考えるならば、この
国内エネルギーというのは非常に重要なものであって、あらゆる角度から十分に勘案をして物事を決めなければならないと私は思います。
そういうことで、先ほど申し上げたように、
答申の
原案が出る、その中で五年間で半分ほどになる、
エネルギー事情というものも非常に流動的である、OPECでも石油が十八ドル、近々するかどうかいろんなことが言われております。経済
状況も、ここ数年はそう変わらないとしても、先々は大変に流動的だということも記載されております。実力
大臣であります
田村大臣が
大臣のときに、こういう厳しい
炭鉱の
状況を形づくったということで終わったんでは本当にならないと私は思いますし、いろんなそういうことのためにも今いろいろ議論をされておるわけでありますが、
最大限の
需要ということについての御
努力、それから円高が大変急激なために一番波をかぶっている
石炭鉱業ということ、それで、加工業のように、一分間に十できる機械を二十できる、百できる機械にかえるとすぐ
生産性が上がるということじゃなくて、非常に時間を要する
産業だということ、こういうこと等も
考え合わせて、やはりそういう条件にかなうものについてはできるだけ
国内での存続というものについての
努力をすべきだと私は思いますが、
大臣、どうでしょう。