○新井(彬)
委員 その問題についてはいろいろと、百八十円がいいとか二百円がいいとか、
日本からいえば企業によってもいろいろな違いがあるでしょう。
そういうことで、今度は逆にアメリカの食料品を買ってあげるときに
幾らぐらいがいいのだろう、あるいはまたOPECの石油を買う場合に
幾らぐらいがいいのだろう、こういうことで、
日本国内だけでは
考えられない
経済問題というのはあるわけでございますけれ
ども、そういうようないろいろ流れというのは自動的に
経済の原理の中で処理されていく、これが一番妥当な線だと思いますけれ
ども、少なくとも今の
日本の現状、企業の現状を見ますと、我々もいろいろな要望を聞いているわけでございますけれ
ども、とにかくこの前も法律が出まして、お金は低金利で貸してあげよう。しかしお金なんか何も貸してほしくないというわけですね。仕事がないわけですから、とにかく金よりも何よりも仕事をください、仕事がだめならば、やはり私たちが一生懸命汗水垂らして適正な値段で輸出ができる、そういうような安定した為替レートに持っていっていただきたい。ですから、一番の要望は、私たちは何もしてもらわぬで結構だけれ
ども、政治介入でもって
経済問題をぶち壊したような、そんなやり方では困りますよ、とにかく為替レートを安定してもらえば、私たちはそれに応じて一生懸命にコストダウンも図りますし頑張ってまいります、こういうことでございました。
そういうわけでございますから、やはり何といいましても今の
状況からいきますと、為替の安定というもの、それも適正な安定というものがやはり一番多くの企業に望まれている現状である、これを非常に
感じているわけでございます。したがいまして、経企
庁長官といたしましても、
大蔵省あるいはまた
通産省いろいろなことがございましょうけれ
ども、そういう問題についてはやはり研究をされて明確にそういう方向性を持っていく。そして
日本だけの利益ということになっては悪いわけでございますから、これはやはりアメリカのものを輸入する場合、あるいはまたECのものを輸入する場合においても、結局
プラス・マイナスきちっとしているじゃないかという形で
考えていただきたい、このように思うわけでございます。
それからもう
一つは、私専門でないからわかりませんけれ
ども、貿易問題については非常にアンフェアな部分があるんじゃないか。例えて言いますと、労働時間が長いとか低賃金で働いているとかということもありますけれ
ども、
日本は関税障壁をつくってなかなか輸入させてくれないというようなこともあるわけでございます。
一つ、ここに、アメリカの銀行家のローレンス・プレスラーという方がウオール・ストリート・ジャーナルというアメリカの新聞に寄稿しているわけです。その中で、
「
日本の貿易
黒字が史上最高の水準に達したという発表があったとき、私はたまたま年次休暇で東京からニューヨークに帰っていた。過去十二か月間に円がドルに対して五五パーセント上昇したことで
日本の
消費者は輸入品をどれだけ買いやすくなったか、またアメリカの
消費者にとって
日本からの輸出品がどの
程度買いにくくなったかを調べてみようと思い立った」
プレスラー氏の
調査によると、第三国製品は東京の方がニューヨークよりもほとんど例外なく高い。例えばスコッチウイスキーのジョニ赤は、ニューヨークでは十二ドル六十四セントで買えるのに東京では二十四ドル五十二セントもする。オリーブ油のベルトリ(イタリア産)はニューヨークで二ドル九十五セント、東京で五ドル九十八セント。メープルシロップ(カナダ産)はニューヨーク一ドル二十セント、東京二ドル二十四セントといった具合に、いずれも東京の方が約二倍高い。
もっと驚いたのは、
日本の人気製品でさえ東京で買うよりニューヨークで買った方が安いことだ。普及型のキャノン・カメラはニューヨークのディスカウントハウスで買った方が東京の安売り店よりも三五パーセント安いし、ニコン・カメラは二五パーセント安い。オリンパス・カメラレンズもニューヨークの方が二四パーセント安だ。カシオの計算器付き腕時計は一三パーセント、ソニーのダブルカセット・テープレコーダーは八パーセント、マクセル・オーディオテープは五〇パーセントもニューヨークの方が安かった。しかもニューヨーク側の値段表には、同州の売り上げ税八・二五パーセントまで含めてあるのだ。
「私の簡単な
調査の結果は、
日本が貿易相手国との間で抱えている基本的な問題を浮き彫りにしている。つまり
日本の輸出品が他国の相対的に開放された市場に参入することで大きな利益をあげているのに、
日本の市場は
外国製品に開放されているというには程遠いという点だ」
こうした閉鎖性は、
日本人の集団志向と上下
関係を重んじる社会慣行にも原因がある。つまり同じ資本系列の会社からしか買おうとしない態度だ。もう
一つは流通機構の複雑さにある。
こういうようなことで言っているのですけれ
ども、これに対して一体どのようなお
考えを持つのか。
それからもう
一つは、この前も十一日からブリュッセルで開かれました第三回
日本・EC閣僚
会議でも、ウイスキー、ワインなどの洋酒の税金、酒税とか関税が非常に改善を要求をされたということを聞いておりますし、この洋酒問題については
日本とEC諸国とはやり方、
考え方が違うわけでございますけれ
ども、これからはこういう簡単な問題ではなくて、今までの
日本の文化とかあるいは
一つの歴史に根差したような問題が必ず問題になってくる。逆に言えば、
日本も各国に行って、聞きますのに、輸出は大変けっちんを食らっているところがたくさんあるわけでございます。
一つ一つの国と
日本とがフィフティー・フィフティーの
関係、非常にフェアな
関係で、やはりこれからは貿易というものをもっときめ細かな視点で話し合いとか討議を続けていかなければいけない、このように
考えるわけでございますが、まとめて御答弁をお願いします。