○竹内(勝)
委員 まず舞鶴の実態でございますけれ
ども、京都府北部の中核都市として、
地域経済を支える基幹
産業である造船のみではございません、化学肥料、合板
業界、こういったものが第一次石油危機後構造的な苦境に陥ったのは御
承知のとおりでございます。中でも
地域最大の
雇用規模を有する造船業、日立造船舞鶴工場がございます。不況の度を強めておる、こういう
状況です。
そこで、この実態でございますが、私が調べた中にも、若干時間がかかりますが説明させていただきます。
まず造船業に関しては、船舶依存体質の強い日立造船の受注の減少、船価の下落等から業績が悪化している。危機的な
状況に直面したために、六十年十二月、従業員五千人の削減を柱とする合理化計画を実施したわけです、これはもう御
承知のとおりでございますが。そして、この舞鶴工場では従業員千七百人中二百五十八人が離職し、百六十人が関連会社へ出向することとなって、舞鶴市経済の停滞と
雇用不安を招いたわけですね。その後さらに
円高の影響も加わり、一段と不況色を強め、手持ち工事量も減少の一途をたどる中で、受注済みのインド商船二隻が
円高による船価上昇のために船主より建造中止の通告を受けた。これも報道されておりますので御
承知かと思います。工事半ばにして中断のやむなきに至ったわけですね。このため、船殻部門を中心とする余剰の従業員は九月二十四日より職種転換教育を受講することで急場をしのいでいるものの、このインド船の工事再開や新規受注は極めて難しい
状況にございます。
新聞に発表になったときもそうでございましたけれ
ども、十月二十一日には、労働組合に対し、造船部門従業員の三千人削減と工場の一部売却を柱とする第二次合理化計画が提示されている、こういう実態ですね。こういう
状況にかんがみ、造船下請企業といったものはもう全体的に仕事量が減少しておるわけです。本年の一月ですが、日立造船に追随して合理化を実施し、下請企業
関係が合理化、減量化を図ってまいりました。特に、インド船の工事中断によって溶接工事等船殻部門の工事は激減しており、この
傾向というものは年末にかけて一段と厳しくなっておるものでございます。このため、各企業においては日立造船以外からの受注に懸命の努力を重ねているが、技術内容もあって受注は容易ではございません。この
状況が長期化すれば最悪の事態を招くというようにその要望が出ておりますね。
それから、
先ほど申し上げましたように造船のみではございません。舞鶴は中核都市として重要な
産業を抱えておるわけでございます。その問題に関して若干触れておきたいと思います。
まず窯業でございますが、これも日本の自動車生産の約五〇%が
輸出向けであるために、大幅な
円高によって
輸出の減少は避けられない、そういうことで既に自動車
産業、とりわけ部品メーカーに不況の兆しが顕著になっておる。そういうようなことから、この窯業に関しても従来のような増産は期待できずに、生産量の減少が必至である、こういう報告がなされております。
それから同じく化学肥料、
通産大臣、ちょっとよく聞いていてくださいね。この化学肥料
関係に関しても、これも
業界の構造的な不況と減反政策による需要の低迷、外国製品の攻勢等によって生産
調整を余儀なくされ、国の
雇用調整助成金を受けての教育訓練を実施するなど、急場をしのいでおります。業績は一段と悪化したために、昨年以来人員削減を中心とした合理化計画が進められております。
同じく木材・合板
業界、これも木材需要の長期低迷によって昭和五十五年以降廃業、倒産に追い込まれておるものが多くございます。従業員三百二十人が離職しました。その後も需要の低迷が続き、製品
価格の下落も加わって厳しい経営を余儀なくされておる、こういう実態でございます。
それから御
承知のとおり日本海にある舞鶴でございますから、水産加工業が重要な地位を占めております。この舞鶴市の地場
産業である水産加工業、こういったものに関しても、六十年末以来の
日米、日ソの漁業交渉の難航に伴って米ソ二百海里内の水域での操業が不可能となったことから、水産会社の漁獲量が大幅に減少しております。スケソウすり身の入手難と仕入れ
価格の上昇、こういったものが伴いまして大幅なコストアップを強いる結果となっており、経営の合理化等が厳しい
状況である。こういう実態が京都の中にある舞鶴の
状況でございます。
大臣、そこでお伺いしておきたいのですが、大体指定
地域として四十
地域ぐらいということでございますけれ
ども、今もう今月中にも実施したいという意欲的な
発言がありながら、この実態を今私が御説明申し上げましたが、これこそこの新法に対してぜひ指定をしていくに十分な条件がかなっておるやに私は
考えるわけでございますけれ
ども、こういった面を考慮する
考えはないか。
通産大臣、私の今の説明を聞いて、そんなもの大したことないんだと
考えるのかどうなのか、御見解をお伺いしておきたいと思います。