○山田
委員 最後のテーマでございますが、「
昭和六十一年中における
交通警察の運営」という資料がございます。いろいろ述べておられるわけでございますけれども、実は指定
自動車教習所と非指定
自動車教習所の
関係につきまして、一、二
質問あるいはお願いを申し上げてみたいと思っております。
こちらの資料によりましても、「
運転者対策の積極的な展開」という項で「非指定
自動車教習所に対しても適切な教習が行われるよう
指導する。」こう明らかにされているわけでございます。単刀直入にまいりますけれども、
自動車教習所の指定制度の意義ということについては、いろいろな言い方ができるのだろうと思いますが、そのポイントは、公安
委員会から指定をされた
自動車教習所の発行する卒業証明書を有する
運転免許の受験者といいますか、その方々には、実技試験というのでしょうかこれを免除するところにその意義のポイントがあるわけでございます。私は全国に指定
自動車教習所が約千五百カ所と
承知しておりますが、それに対して非指定の
自動車教習所、これは、道交法で定める一定の基準、職員とかあるいは設備等がその一定の基準に達しない、大きさでいえば規模の小さな
自動車教習所、これが非指定というふうに言われているわけでございます。この非指定教習所が全国で約三百、その中の約二分の一の百五十ほどの
自動車教習所が社団法人非指定
自動車教習所協会というものを三年ほど前に
警察庁から許可をいただきまして結成し、公益法人として今一定の車
社会といいますか初心
運転者教育に貢献をしている、あるいはさらに一層貢献しようとして
努力をされておる、こういうことでございます。それで、年間この非指定
自動車教習所から送り出される新たに
自動車運転免許を保有するに至った人たちの数はと見れば、万人単位、数万人というふうになっているわけでございます。したがいまして、この九千人を超えるような年間の
死者数を数える、まさに
交通戦争でありますが、その中において果たすべき役割というものは決して小さいものではないというふうに私は思います。確かに初心
運転者の教育は、指定
自動車教習所がその中核的、中心的な役割を担い、果たされているということはよく
承知をいたしているわけでございますが、そのような現状を踏まえまして、
自動車教習所の指定制度の趣旨あるいはその根幹に外れない限りは、私は、
運転免許を取ろうとする受験者に対して、教習を受ける国民に対して、指定と非指定、この違いの中で、免許取得に至るまでのいろいろな教習そのものに、あるいはその手段に、余り格差を残してはいかがなものかと
考えるわけでございます。指定校制度の意義、指定された教習所から卒業証明書をいただければ実地試験というものが免除されるというこの根幹の部分を崩さない限り、できるだけ受験者の立場に立って格差というものを縮小していってあげることが一つには大事なことではないだろうかというふうに思うわけでございます。それはもう私が今さら申し上げるまでもなく、例えば道交法の八十九条、居住地の問題、住居を定めているところの試験場じゃなければ受けられないとか、あるいは指定教習所はその居住地にかかわらずどこででも受けることができるとか、あるいはまた指定
自動車教習所の受講生の皆さんはふだん練習をしているコースで仮免あるいは本免許といいますか卒業時の検定免許というものを試験をしていただくことができるけれども、非指定の
自動車教習所の受講者の皆さんというのは都道府県の
運転試験場へ出かけていってそこで初めて体験するコースで検定を受ける、そういう違いもあるわけでございます。あるいはまた八八ナンバーの問題とか、指定
自動車教習所では、固有名詞を出して恐縮でございますけれども、例えばカペラとかルーチェとかブルーバード、そういう小型の車で試験を受けることができる、練習することができる、ところが非指定の教習所の方の皆さんは、セドリックとかクラウンとかいわば標準車の中の
大型の車種でもってしか練習あるいは試験を受けることができない。数え上げれば幾つもあるものですからこのぐらいにしますけれども、そういうことで、結論的に言えば試験場での試験は難しい、それから指定教習所の試験は易しい、端的に言えばそういうような受け取り方が一般化されようとしているわけです。したがいまして、繰り返すようでございますが、卒業証明書があれば実地試験が免除されるというこの制度の根幹をゆるがせにすることでない部分においては、非指定教習所も
交通安全教育あるいは初心
運転者の教育に一定の貢献をしている点をぜひひとつ踏まえていただきまして、そしてできるだけの対応をして差し上げていただきたいな、このように実はお願いを申し上げるわけでございます。
時間が参りましたので一点だけ具体的にでございますが、例えばこの指定と非指定、どうして分けたかというのはよくわかるわけでございます。あるいは別の次元の話では公認と非公認とか、やはり非があるとないとではえらい感じが違うわけでございます。したがって、この社団法人の非指定
自動車教習所協会の皆さんの願望としては何とか非という文字をとっていただいて、そして別の名称を使わせていただきたい、こういう願いが大変強くあるわけでございます。それでその非指定協会の皆さんは全国
自動車運転教育協会、こういうような名称にぜひひとつ変えていただけないかというわけでございまして、現実には全
日本指定
自動車教習所協会といいますか、そういう公益法人があることを
承知しておりますが、名称が紛らわしくないのであれば、類似ということでなければ、ぜひ前向きにひとつ御対応いただきたい、お願いでございますが、御答弁をいただきたいと思います。