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倉成国務大臣 まさに
委員が
お話しのとおりでございまして、ガットと申しましても、平たく申し上げれば自由貿易体制のルールでございます。自由貿易体制の一番の恩恵を受けているのは先進国では
日本であると私は
考えるわけでございまして、自由貿易体制があればこそ資源小国の
日本がこれだけの
発展を遂げることができた。もちろん、
日本が紛争に巻き込まれないで安全であったという前提条件がそのほかにあるわけでございますけれども、ガットの恩恵を一番受けておるのは
日本であるということは忘れてはならない。したがって、ガットのルール、ガットの申し合わせというのが壊れるということになると、これは一挙に保護主義に走っていくということでございます。
そうなってくると、一番被害を受けるのは資源小国である
日本である。
世界の国々、いろいろありますけれども、自給自足を完全にできる国はございませんけれども、少なくとも多少の困難を忍んでもある程度やっていけるわけでございますけれども、
日本の場合にはもう全く自由貿易主義を離れて——
世界が保護貿易主義に走っていったならば、もう全く
日本の
経済は壊滅的な打撃を受ける。まさに第二次
世界大戦の
一つの発端になったのはこういう背景があったわけでございます。
そういうことを
考えてまいりますと、どんなことがあっても自由貿易主義を守っていかなければならない。ガットの新しいルールづくりを成功させなければならないということで、私ども微力ながら全省庁が
一致協力しましてこの問題に当たったわけでございまして、曲がりなりにもウルグアイ・ラウンドが発足することができたことを喜んでおる次第でございます。
米の問題に関して申しますと、そういう中でございますけれども、今御
案内のとおり農産物十二品目についてガットの
理事会でパネルを設けられるというような事態になっているという状態の中で、一番基幹的な作物である米について今また農民に不安を与えるということになれば、これは
日本の農業に関して大変な不安を農民に対して与えるということでございましたので、ちょうどウルグアイにアメリカの農務長官が来ておりましたから、私は
農林省の
局長を連れて
日本の農村の事情を
説明し、それからUSTRのヤイター代表と会って、他の問題が話の中心でございましたけれども、米の問題についてはこれは非常に難しい問題であるということを申したわけでございます。ヤイターは、これは自分で決めることですという返答、一分間だけ応答したわけです。
それからニューヨークへ参りまして、シュルツ国務長官と
国際情勢その他いろいろな問題について懇談をした際に、これはヤイター通商代表の所管のことであるけれども、
日本国民にとって極めて
関心の深い問題であるからヤイター代表にこういうことを申しておきましたということを念のためお伝えするということをシュルツ国務長官に一言お伝えしたわけでございます。シュルツ長官から、これはセンシティブな問題であるということをよく承知しておりますというお返事がありましたので、私はありがとうございますと一言、所要時間一分間でございますけれども、それぞれ担当の方に対しまして
日本の農民の
気持ちを率直に伝えたということでございます。