○寺前
委員 結局わかったようなわからないようなことで、これからいろいろ
考えますわなということにしかならないだろうと思いますけれ
ども、国家が
管理をしてやるという立場を堅持しない限り食管はつぶれてしまう。もう事実その方向に向かっているという、これは内容として非常に重要だと思います。
もう
一つ、これと関連してくるのは不正規流通というのか、要するに国が買い上げるよりも売る方が高くなってくるというのだったら、それは不正規な流通
方式というのが広がっていくということにならざるを得ない客観的な条件を持っているだろう。現に今でも存在しているのですから、これに一層拍車をかけることになるだろうということを
考えるならば、食管の前途というのは事実上重大な段階に立ち至ったということを、私はひとつ指摘をしておきたいと思います。
時間の都合がありますので次に移りますが、
先ほど大臣のおられるところで「全国懇ニュース」のビラの話をちょっと紹介をしておきました。そのビラにも書かれておったわけですけれ
ども、日本の米の
生産費増大の主因となっている
農機具、肥料、農薬など農業用資材の独占
価格という問題について見なければならぬと思う。六割を占めている。ここにメスを入れていく必要があるだろう。電力、石油など円高差益のすべてを早急に還元をさせていく。いろいろな処置をとっていくことが非常に重要だと思うわけです。
そこでちょっと聞きたいのですが、硫安です。ことしの四月の輸出
価格は、トン
当たり九千三百三十四円だ。前年の同月と比べると五三・二%、半分に減っている。ところが同期間の国内の
価格は、二十キログラム
当たり六百二十円前後、トンにすると三万一千円前後になるわけです。輸出と輸入の関係は、単純なやり方はできないにしても、三倍とか四倍とかのこの
価格の差、日本の国内にはべらぼうに高く売りつけられているという事実、これは米を
管理しておる上において、当然のことながらここにメスを入れることを
政府としても
考えなければならぬ問題ではないのだろうか。この七月に一六・二%引き下げと、全農とメーカーの交渉でお決めになったようですけれ
ども、そんな程度とは違う。国際的に売り出されている
価格と国内
価格の間には差があり過ぎるじゃないか、これは農民の皆さんの率直に感じておられる問題なんです。
同じようなことは、肥料の例として塩化カリの問題があるのですね。塩化カリは製品で輸入されてくるが、その輸入
価格は、ことしの四月で前年同期と比べて四割も下がっている。ところが国内での小売
価格の推移を見ると、七月より一八・一%卸
価格が引き下げられたけれ
ども、小売
価格は同期間ほとんど下がっていない。輸入
価格の値下がりに比べて余りにも少な過ぎるじゃないか。こういう問題についてどう
考えたらいいんだ。これは
政府としても原価を公表させて、そして世論でもってちょっとべらぼうじゃないかということを示させていくようにする必要があるのじゃないだろうか。
農機具一般についても、一九七〇年以降一般機械器具は一・四倍になっているのに対して、
農機具は二倍以上になっている。八〇年代に入って一般機械器具は一%下がっているのに、逆に
農機具は九%近くもアップしている。
先ほど陳情にお見えになった方がこのことを盛んに言っておられました。そこで、こういう問題について今日まで
政府としてどうしてきたのか、この問題について
政府として今後どうするのか、はっきりした態度をとらなかったら、これは本当に農民に対して安定した生活を保障し、未来を保障してやることにならないだろう。いかがなものでしょうか。