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参考人(
岡本道雄君) まず自由にということにつきましては、本来私は、大学入学試験というものは大学教育の初めだと思っておるんです。ですから、大学がどういう教育をしようかというときに、それに沿って自分の独自の試験をやるということは当然だと思っておるわけです。それで、おっしゃいましたように、今生徒の自由でなしに大学の自由ということでございますけれども、この点はおっしゃいますとおり、これはそもそも大学がユニークな大学であるために、自分の教育の一環としてやるその試験も、自分のやろうとしておる教育に即したものをやるという
意味の方に重点を置いております。生徒は、受ける方は、それに従って自分の将来の志望とか希望を
考えて大学を選ぶという自由があるわけです。そういうふうにお
考えいただきたい。
それからマークシートにつきましては、これは私は、実は御存じかと思いますが、共通一次をいろいろ
考えますときにも参画いたしておりますので、マークシートの問題は当時もやはり問題になりまして、当時よりもコンピューターなんかに対してはもっとアレルギーがございまして、これは十分議論を尽くされたことなんですけれども、当時からこれには問題があると言われておるんで
す。したがって、それを改善するために入試センターというものが、研究部ができましてあれを一生懸命に
考えまして、マークシートを使ってコンピューターを使うけれども、人間の思考力とか判断、理解力、そういうものを試すのにはどういうことにしたらいいかと、これに専心してまいったわけです、七年間というものは。
それで、あれは特に高校の校長先生なんかに全体に聞いてもらうとわかりますけれども、その点は大変よくできておると言われておるんです。しかし、これが最前申したとおり、決して
理想ではないんです。そのために今努力すべきはソフトの問題なんです。あれを使うとしても、いかにしてソフトを使えば、単にあれがプラス・マイナスというなにだけれども、人間の思考力と判断力、そういうものを試すことができるか。それは、一応現在のあのマークシートの処理の方法で、今の時点ではまずまず最高のところまでいっておるけれども、あれが決して
理想ではございません。特に
情報化というものがございまして、これはまだ決して最高のものでございません。あれは御承知のようにディジタルな行き方をしますね。ですけれども、アナログな行き方というものになりますと、決してああいうマル・バツだけでなしに、すべてのものを把握できるようにもなりますので、これはマークシートのあの弊害を、現在を最善のものと認めないということは我々もそう
考えておりまして、これに対して将来ますますひとつあれを研究して、いいものにつくっていこうということでございます。
それで、御承知のとおり、このたびの
情報化時代に備えてということでございますので、
情報化については特別の
委員会をつくって徹底的に勉強しておりますから、この点は
世界に先駆けていいものをつくりたいというふうに思っております。
それから、センターにつきましては、実はあれができます前には、
日本は各大学へ文部省がお金を出しながら入試の改善をやっておったんですが、あれが実は
日本が入試について国家として本格的に研究するという初めてのものなんです。そういう
意味で、私は、あれは大変期待いたしておりまして、今後どういうことになりましても、あの機関が
日本の入試について本格的にしっかり研究するということを期待いたしておりますので、この点とういうふうになりましてもあそこの機能というものは立派に果たしていってもらえるというふうに期待いたしておる次第でございます。