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政府委員(
佐々木晴夫君) 今具体的に七つの法人について
お話があったわけであります。これは昨年も
穐山先生からこの
委員会において諸般の御質問あるいは御
指摘のあった問題であります。これ、
一つ一つの
機関の性格なり業務の内容を申し上げるのはいささか時間をとるわけでありますけれ
ども、
お話してございますので簡単に申し上げたいと存じます。
満州棉花協会につきましては、これは要するに綿花の普及改良を図り、それから栽培者の福利を増進するために、まず
昭和八年に満州棉花協会、それから十四年二月に華北相産改進会、それからまた華中綿産改進会が設立されたわけであります。主として華南
政府とそれから日清棉花協会、それから満鉄等の出資によって運営されて、綿花栽培の指導奨励、それから綿花に関する
調査研究等をその業務としたわけであります。
同様の性格なものに今御
指摘の興農合作社がございます。これは満州国
政府の監督助成のもとに、農家が加入しました社員の共同の福利を増進し、農事の改良普及を図ることを目的として、十五年に満州国の立法によって設立されたものであり、農業共営それから信用、共同販売、共同購買、利用共済その他の共同
事業を行ったわけであります。
いわばこれは、例えば
機関の性格、業務の内容と申しましたけれ
ども、このあたりにつきましては大体連想されるものがおありになろうと思います、我が国の業務につきましても。ちょっと私
どもとしては、これは大分国の
事業とは離れておるなと、むしろいわば農民が自主的にこうしたものをいろいろと活動をやっておられた。当時の記録を拝見いたしますと、日清の技術者が大変熱心に例えば綿花について普及活動をおやりになって、その結果として綿花の栽培量が驚異的に躍進をしたというふうな記録がございます。ありますけれ
ども、事柄の性質はそうしたように、いわば農家に対する指導は確かにやりましたけれ
ども、国の業務の代行と言うにはいささかどうであろうか、こういうふうな感じを持つわけであります。
それからまた、別途の系列といたしまして航空会社の系統がございます。中華航空株式会社、それから満州航空株式会社でありますけれ
ども、長々しくなりますのでこれ逐一業務の内容を申し上げませんけれ
ども、ちょうど日本で言えば今のJALつまり日航みたいなものなんですね。あるいはその委託会社みたいなものなんです。そうしたような例えば日本の国内の当時のいわば統制会社、こうしたもの等の
通算は日本の
恩給ではやっておりません。そうしたものの内容、それから沿革を考えますときに、いささかこれらにつきましてもどうであろうかという感じがいたすわけであります。
それから、満州電業株式会社についての御
指摘がございますけれ
ども、これはいわば電力一元化の政策に従いまして十九年に設立されたものでありまして、発電、配電を統一的に
作業したわけでありますが、昔九電力分割前にありました大日本発送電にいささかこれは類似をした
機関であります。もちろん満州と我が国との性格の違いがございますから、一概に申し上げられる限りではございませんけれ
ども、そうしたようなものについては、我が国にあっては
通算はいたしていない。
それから、先生の
お話しのありました国際電気通信株式会社でありますけれ
ども、これは当時国策でありました東亜における通信自主権の確立を目指しまして、国際電気通信の業務を行うための設備とその附属設備を建設して、これを
政府の用に供することを目的として行われたものでありますけれ
ども、これにつきましてもやっている内容は電気通信業務の経営であり、あるいは電気通信の設備、その附属設備、それから保守の請負であり、あるいは電気通信用品の製造販売というふうなことでありまして、やはり
政府の行政代行という点からいうならば、これは一線を画する部分があるというふうに私
どもとしては今のところ判断をいたしておるわけであります。
もちろん、なお国会の附帯決議もありますし、私
ども検討を怠るものではありませんけれ
ども、今の
段階で申し上げれば、当時申し上げたあるいはその後
政府として申し上げておる
基準から考えましていささかどうであろうかというふうに考えている
機関であると申し上げたいと思います。