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政府委員(
澤田茂生君) 以前は、
先生御
承知のように、公衆
電気通信の独占を守るということで、公衆
電気通信回線とほかの回線の接続ということは非常に限定されたわけでございますから、
アマチュア無線との接続ということは当然考えられていなかったわけでございます。深く
検討したわけではございませんが、いろいろ問題があるんじゃないかなと。
アマチュア自体というのは、これは「個人的な興味によって
無線通信を行うために
開設する
無線局」というのが
電波法上の定義でございます。ある
意味では趣味の
分野ということになろうかと思いますが、今申し上げたような公衆回線と接続するということになりますと、例えば
アメリカ−
日本の間は電話料が要らないというようなことになりまして、実益の
分野につながるのかなという感じでございます。
それで、
我が国では、
アマチュア局に対しましては他人の依頼する通報の送信を禁止するという形になっております。趣味と実益が兼ねられれば一番いいことではあろうかと思いますけれ
ども、今申し上げましたように、そういう実益に着目をしまして、そういう
アマチュア無線局がどっとふえてまいるということになりますと、大変今
アマチュアのラインも混雑いたしておりまして、
アマチュア本来の趣味を遂行するための運用というものが制限されるということにもなりはしないか、
アマチュア局開設の目的から見ていかがであろうかという点もございますし、また
日本の電話、
電気通信事業者の回線と接続するということがどうしても必要になってまいり、そのためのアダプターというようなものも必要になってくるわけでございますが、その場合に
事業者との料金免脱効果という面をどう把握するのか、そういったものに対して、
事業者がどう対応するかという問題も出てまいります。この接続協定の認可という問題は私
どもの問題となってくるわけでございますが、それからその場合の
技術基準、
アマチュアはいろいろな水準がございますけれ
ども、そういった場合の
技術基準というものが果たして守られて、
通信のネットワークとしての質、そういったようなものがどの
程度確保されるかというような問題も
あろうかと思いますけれ
ども、それと同時に、いま
一つ問題かと思いますのは、
アマチュア無線の部分につきましては、
アマチュア共用の無線でその通話の内容が乗るわけでございますから、
アマチュア無線をやっている人は全部その通話の内容が聞けるということになるわけでございまして、そういう
意味では、両端は電話回線であっても、中の間が
アマチュアの無線で全部聞かれるというような
状況というものが
通信の秘密保護の
観点から見てどうであろうかというような問題もあろうかと思います。
アメリカにおいてもいろいろな条件、制約をつけて、そういうことを認めているというふうにも聞いておりますが、そういった条件が、ただ条件をつけただけで果たして十分守られるような条件なのかどうなのか、そういうことを守らせることができるのかというような問題もあろうかと思いまして、非常に今日の
状況から見ると、これを認めるということについては難しい問題があるんではないかなというのが私の今の感触でございます。