○山中郁子君 もう
一つ私は事例を申し上げます。
これは
予算委員会のときにもお示しする時間がなかったものですけれ
ども、福岡支社オレンジセンター所長名——オレンジセンターというのは福岡支社の公式の機関ですよ。そこで「講演会のごあんない」というのを各課室長あてに出しています。「下記のとおり講演会を開催いたしますので、各課長さんの御家族にも是非参加」してください、こう言っておられて、そしてベルプラザ博多というところでこの福田幸弘さんを講演者にしてそして集めているわけです。このときの講演会なるものの参加者百二十名余りです。糸日谷
NTT福岡支
社長以下幹部職員など男性二十五名ほどが参加され、また女性も奥様モニターや家族など約百人が参加をしておられたようです。会場費三万円、これは
NTTが出しております。明らかに
NTT主催による福田氏の売り込みの会合です。先ほど申しました幾つかの問題も含めてですね。今の三万円の支出、それは
NTTによる政治活動への寄附を禁じた政治資金規正法二十二条の三の二の明らかに違反です。あなたは政治資金規正法にだけ違反しなければいいみたいなことをおっしゃっているけれ
ども、こういうのを次々にやっているじゃないですか。こういうことをやめるべきだということを私は言っているの。それが
NTTはそのために民営化したんですかという
国民の声ですよ。自民党の候補者をかついで選挙の事前運動をするために民営にしたんですか。そういう
国民の批判と怒りをかうようなことをやりなさるなということなんです。
福田幸弘さんというこの人は、私がここで申し上げるまでもないと思いますけれ
ども、マスコミなどでいろいろ話題になって、今回自民党が公認しなかった中曽根派の藏内修治議員の後がまにした人であることは周知の事実でしょう。問題になっている渡辺通産
大臣のもばり発言、大きな問題になって
国民のひんしゅくをかいましたね。その毛ばり発言も実はこの福田さんの後援会発会式の席上で行われたんです。これは余り知られていませんけれ
どもね。ここに「後援会発会式」、そして「渡辺美智雄」とちゃんと書いてあるでしょう。このときにもばり発言が出たんですよ。もう二重にも三重にも
国民のひんしゅくと怒りを買っているんです。民営化というのは公然と自民党の候補者をかついで、そして事前運動をするためにしたのですかと私は繰り返し申し上げたい。私は、先ほどから郵政
大臣がその見解を明らかにしておられますけれ
ども、より一層そういう点での明確な態度で、そして
NTTに対してはより厳正な反省と自粛と、一切今後こうした問題はやめるということについてきちんとしたけじめをつけるべきだということを重ねて申し上げます。
なお、つけ加えて申し上げますけれ
ども、先ほど申し上げました糸日谷支
社長ですね、そこの応接室にはこういう福田さんの経歴書が何枚も重ねて置いてある状況なんですよ。事実そういうことなんです。だから、余りああだこうだぐだぐだフェアじゃないことを言って、そして責任逃れをしてというようなことをしないで、正々堂々とあるべき
NTTの姿、少なくともそういうところできちんとしたけじめをつけていただきたい。重ねてこれを強く要望をしておきます。
次に、私はこの
NTTが民営化されたということで、あなたもさっきちょろっと、この前の
予算委員会でもそうですけれ
ども、民営化されたからもうこういうことの縛りがなくなったからやらなくてもいいんだみたいな、そういう非常識な態度を示されるわけです。午前中からも
片山委員が幾つか
指摘されたとおりです。これとの関連で二、三の点についてお尋ねをしたいと思います。
一つは長時間労働と
サービス残業のありようの問題です。これは今、全電通の労働組合なんかでもふろしき残業という言葉があるんですけれ
ども、現在管理職を初め社員の長時間労働は実に目に余るものがあります。そして、月に五十時間の残業はざらですし、人によると百時間を超える残業を実際にやらされています。こういう原因で家庭争議が起きたり、それから家庭崩壊というふうな深刻な事態も起こっているという事実があります。また、さまざまな疲労による死亡事故だとかあるいは精神疾患な
ども多発をしているという状況があります。これはかつての
電電公社の時代に全くなかったということではありませんけれ
ども、
NTTに移行後これは非常にひどい状態で拍車がかけられています。それで、
サービス残業や仕事を家に持って帰って残業の続きを家庭でこなす、これをふろしきに包んで自宅へ仕事を持って帰るからふろしき残業というふうに言っているんですけれ
ども、こういうことを大半の職員にやらせているんですね。こういうことは基本的にあって当然だということでないのは当たり前な見解だと私は思いますけれ
ども、
現状はかなり多くの
人たちがやらされているという実態があります。この点について基本的な
NTTの見解をお伺いいたします。