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井上計君 これはぜひ具体的に当然検討がされるべきだと、このように思うわけであります。
これは、最後の質問というより提言にいたしますけれ
ども、
大臣はこの前の
予算委員会あるいは
補助金の特別
委員会でもお聞きいただいておると思いますが、私が医療費は今後ますます増高するであろう、むだな医療費の節減を実行するために健康保険の問題について厚生省に対しまして提言をしたわけです。現在は政府管掌の健康保険がありますけれ
ども、この健康保険については組合は薬種別の組合しか認められていないわけであります。これを
地域に健康保険組合をつくって、経営努力を行うことによって節減が十分可能である。私自身が
関係している全国印刷健康保険組合の経営努力、この数字と政管とを対比した
資料をお配りをして、厚生
大臣に、さらに行革担当の江崎総務庁長官に、あるいは総理
大臣にも提言をしました。
非常に貴重な
資料として評価を受けまして、これは昨年の九月から私決算
委員会でも厚生省にも提言しておった
関係もありますけれ
ども、積極的に具体的な方法を今検討しておるということであるわけであります。私はその提言のときに、将来、国保についても
考えるべきだということを言ったわけでありますが、厚生省ともその後いろいろと
話し合いをいたしました。健保と違って国保については
地域の組合を認めることについて非常な
問題点がある。これはよくわかっております。だからといってこのまま放置しておくと、今後ますます医療費が増大をして、国保に対する国の
補助金、あるいは
地方自治体の分担金、これがもっともっとふえていくことはもう間違いがない、こう
考えるのです。
それで、新聞にもここ二、三日前から出ておりますけれ
ども、六十年度でついに国民総医療費は十六兆円を突破して、六十一年度は十七兆円近くになるであろう、そう予想されておるわけです。これはもうこれからますます大きな問題、特に
財政再建を
考えていくときに、国の
財政あるいは
地方財政を
考えていくときに、医療費の問題を避けて通っておったらもう元も子もなくなる、こんな
感じが改めて強くするわけであります。
現在、国保の
状況がどうなっておるかということは御
承知でありましょうけれ
ども、きょうは厚生省は特に来てもらっておりませんが、厚生省の
資料でずっと見ますと、六十一年度は国民健康保険に対する国の
補助金は一兆九千九百三十億円、約二兆円になるわけですね。実際には二兆円をちょっと超えるようであります。
地方自治体の分担金が支出金を合わせますと大体千六百億円程度あるということであります。それから、医療給付費の六十一年度の見込み、予想は約四兆円でありますから、四兆円の医療費に対して保険料の収納予定は一兆五千六百億円程度でありますから、半分にも満たないということで、国の
補助と
地方自治体の負担金がますます今後ふえていくということになるわけであります。
したがって、しからばこれを節減することをどうするか。ただ単に節減といいますとすぐ保険料を値上げしたり、あるいは本人負担、家族負担をうんとふやしたり、今度問題になっておりますけれ
ども、老人保健法の改正をしてさらに本人負担を大幅にふやす、そういうことで帳じりを合わせ、できるだけ国の負担を少なくするということが
考えられておりますが、私はもう全部それがけしからぬというわけではありませんけれ
ども、そんなことをしておったら、これからますます高齢化社会が進んで老人医療の問題あるいはその他健康保持の問題、これは大変重要な問題が後退していく、こういう懸念をするんですね。だから厚生省、国保についていろんな
改善策を
考えなくちゃいかぬ、今のようなただ単に負担金をふやすとか、あるいはそのような改悪ばかりやっておったら大変なことになるのではないか、もっと前向きに、医療の後退をしないで医療費の節減を図る方法を
考えなさいということを私は強く言っております。
さっき申し上げたんですが、幸い健康保険組合については
地域別の組合の設立を認めるということで今具体的な対策に入っておりますが、国保にも私はそういうものを認めることがいいのではないかということを厚生省に強く進言をしております。厚生省は、その場合に問題になるいろんな
問題点がありますが、その
問題点の
一つは法律を改正しなくてはいけない、こう言うんですね。すなわち、国民健康保険法の十三条でありますけれ
ども、「国民健康保険組合は、同種の事業又は業務に従事する者で当該組合の地区内に住所を有するものを組合員として組織する。」、こういう条文がありますから、したがって、同種の事業でなくてもいい、
地域でも組合を認めるということに変えればいいわけで、これは変えるのはそれほど難しいことではなかろう、こう思います。
しかし、じゃ、これを変えても実際に実現できるかどうかという
問題点いろいろありますが、実現をするためには
自治省が積極的に協力をして、そして
地方自治体に対する指導をしていかなければこれを実現することは不可能である、こう
考えましたので、きょうあえてこの
委員会で
大臣にもお聞きをいただきながら、
自治省として今後お
考えをいただきたい、このように実は思ったわけであります。したがって、きょうは結論が云々ということではありません。
今、参考までに申し上げますと、御
承知かと思いますけれ
ども、現在国保の加入者が四千百五十四万人おります。国民の三分の一は国保加入者ですね。だから、当然さっきのような大幅な負担金、
補助金が要るのは当たり前だと言えますけれ
ども、これがこのままの推移でいくとあと五年後には国の
補助金、
地方自治体の負担金が三兆円超えるというふうなことで大変なことになる、こう
考えます。その国保の加入者、これは
市町村国保の加入者総数すなわち四千百五十四万人、大体年々若干ずつふえていますがそう大きな変動はありません。ところが、現在国保で認められている国保組合というのは、先ほ
ども申し上げました同業種、同一
地域というのは、百六十八組合しかないんです。それが三百四十九万人しかないわけですね。だから、
市町村の国保加入者の一〇%にもならないわけです。
だから、この組合加入者をもっとふやす、すなわち組合をもっと多くつくれば健保と同じような経営努力がなされるんじゃないか、こんなふうに
考えるんですが、
自治省何かこのことについてお
考えになったことがありますか。それとも全く今までお
考えになっていないということでありますか。また、あわせて国保の問題等については
自治省としてはどのようにお
考えでありますか、お伺いをしたいんですが、どうでしょうか。