○野末陳平君
大臣のお答えにありましたように、これは郵便貯金の問題というのがこれについては非常に難関といいますか、だと私も思います。ただ、今のいわゆる意識転換しなきゃいけないけれども、これがあるから、要するに既得権なんですね、既得権だからこれは当たり前だというようなところがあるんですが、しかし、時代が変わったのと、もう
一つ、
減税をするためにやむを得ずといいますか、このマル優を見直すんだということになりまして、どちらが得かという選択をストレートにしてもらうようなデータを出せばそれほど抵抗ないと思うんですね。
現実には、
一般レベルで言いますと、貯蓄の
利子に課税が低率であったとしても、
減税になる方がはるかに大きいですからね。ですからそんなに抵抗がない。まして、庶民いじめという言葉はいわば既得権をワンパターンで振り回しているわけでして、言うけれども実際それが行われたときはそれてしょうがないという簡単に割り切れる
程度の僕は反対だと思うんですよ。以前と違って本当に今
皆さんお金を持っていますし、それから利口になっていますからね。
だから、言いたいことは、庶民いじめというような反対論が仮にあってもそれほど気にするものではない、そういう顔色をうかがうのはよくない、これが率直な僕の
考え方なんです。
もう
一つ言いますけれども、これはちょっと誤解を招きやすい表現なんですが、低
所得者、低
所得者というんですが、低
所得者というのは、
生活保護を受けている人も含めましてそれほど貯蓄あるものでしょうか。そこがまた不思議でしょうがないんですが、貯蓄がある、もし貯蓄があればその
利子は非常に大きいですけれども、シルバーエージについてだったらわかりますが、どうもその辺もあいまいでしてね。
現実に、私の周囲の例ですが、
生活保護を受けている方で結構何百万あるんですね。それいいですよ、あってもいいんですが、そうするともはや低
所得者と言えないんじゃないかと思ったりしますので、非常にその辺の、従来続いてきた
考え方を認めてこのマル優見直し問題を検討するのは間違いが起きるもとじゃないかと思っておるんです。これは僕の
個人的な
考え方です。
そこで、もっと実際論に入りたいのですが、低率分離課税になりますと、今も
主税局長の答弁ではっきりしないのは、結局
限度枠管理をどうしていくんだということですね。これはコンピューターを入れたりなんかすることになるのか知りませんが、お金もかかるし時間もかかるわけです。そうすると、本人確認というある意味のブレーキはきかしたし、マル優の利用
状況は前よりもきれいになっているようですが、実はその本人確認をさせたというそのタイミングを一にして低金利時代に入りましたからね。この低金利時代に入ったということが、マル優にこだわって、マル優の非課税という特典にしがみついていたけれども余りメリットがなくなってきたんですね。ですから、そのメリットがなくなってきたんで、どうせならこの際きれいにしちゃおうと、税務署ににらまれても困るしとか、そういう動機も多分にありますからね。
となると、これは今マル優離れというものが実は起きていて、非課税の特典というものに
皆さんがもう何が何でもしがみつくんだという時代では今ないんです。低金利がもしもうしばらく続くとすれば今こそチャンスだという言い方もできるわけです。
ですから、そういうことを背景にしますと、私は言っておきますけれども、低率分離課税よりも一律課税の総合課税の方がいい、それがチャンスだと言いたいんですけれども、とりあえず
税調の
答申には低率分離課税が出ておりますので、この方式についてまずそちらのお考えを聞いているんですが、
限度枠管理が、これもやはり必要となりますね。低率分離やっても
限度枠管理という問題はあります。そうすると、今
主税局長はどういうふうにするか具体的なお答えがなかったわけですが、この問題はずっと引きずっていく。恐らく数年は引きずらなきゃなりませんね。それからどこで区切るか。今までの部分、既得権の部分と新規の部分とどこで区切るか、そんなことも含めて非常に難しい。そういう難問が
一つ。それからもう
一つは、ここまで金融商品が多様化したときに、その中でどれを選ぶかということになりますと、いわゆるマル優に低率の課税をしたときにほかの商品とのバランスというのがもう完全に狂ってくるわけですね。
そこから具体的にお聞きしますが、もし
税調答申の低率分離課税の導入ということを予想した場合、これは検討課題で、大蔵省は何もしていないはずないんですからね、その場合に、分離課税の一六%の割引債券のようなものと、三五%の、これについてはどういうふうに考えたらいいんでしょうか。あくまで予想の場合ですけれどもね。