○黒柳明君 確かに自由世界ですから、統制
経済じゃありませんから、バスは何台で入れる、何台で買えなんというわけにいきません、競争しちゃいますからね。ですけれ
ども、基準、標準というのは、くしくも
総裁がそういうことをおっしゃいましたので、それじゃ引き続き価格の問題で。
これは
大臣、一般的なことですけれ
ども、いわゆる
マルコス文書には一〇%、一五%
リベートを出したと、七社から数字が出ているわけですね。どこからあれが出てきたのか。コミッション、
リベート、キックバック、あるいはコンサルタントというのがみんな介入しているんです、これには、
長官御存じのように。あるいは
外務大臣、そこまできのうあれでしょうか、このプロセスを見ますと一番初めからコンサルタントサービスが介入している。このコンサルタントが全部最後まで優位権を持って、
日本の
企業じゃなきゃ介入できないんだ、こういう組織になっているんだ、こうおっしゃる方もいますけれ
ども、コンサルタント、これは一次から十二次までの
円借款一千億、ちょうどコンサルタント料が百五十億、一五%なんですよ。これは偶然の一致だと思いますけれ
ども、果たしてこのコンサルタント料は妥当なのか。今いろいろ調べているのですけれ
ども、私たちの
調査ではおかしいという裏づけはまだとれません。
だけれ
ども、コンサルタントが終始ここに関与するということは、非常に何かむだがある、おかしな点があるということも感じられる。これが
リベートに回っているのかな。あるいはいわゆる水増しですね、入札のときから水増しして、先ほど私が言ったように三〇%、一五%、あらゆるものに水増ししてそして入札するのだ、こういうことではなかろうかな。あるいはプライスエスカレーション、これは
総裁御存じのように、インフレを見て五%と値段は言うのですけれ
ども、一〇%もそれ以上もそれを見ているのがある、ここらあたりも非常におかしい。あるいはこれがキックバック、
リベートの原因ではなかろうかとかいろいろな推測はされるのですけれ
ども、まだこれはわかりません。
調査している最中と言うよりほかありません。ところが、これはなかなか私たちにはどこに水増しがあるのか、キックバックの原因があるか、難しいのです。
そこで焦点を絞ったのが、単価がわかるもの、車です。バスもその中の
一つですね。ダンプカーもその中の
一つです。これは一覧をつくってみますと、一次、三次、四次、六次、七次、八次、ずっと出ておりますが、七七年十一月七日契約、いすゞダンプ二台、一千二百六万六千円、あるいは小松トラクター三台、六千百二十九万三千円云々、こういう一覧があります。これを合計しますと九十七億、大体百億ですね。これは車の形になっている分だけ。ただ、バスはノックダウンしていきますから、向こうの日野で組み立てますから、あと車のボディぐらいは向こうでまた組み立てる、そういうのもありますね。これの単価を調べてみたんです、
総裁、いろいろな角度から。
ところが、ここらあたりがもし水増しがあるとすれば、スペアパーツなんてわかりません、何を入れたのか。あるいは道路関連事業の道路の工事費なんてわかりません、人件費等については。もしどこかにこの入札あたりの水増しがあるとするならば、やはり単価がわかるものならば水増しがあったかどうかもわかる可能性だけはあるんじゃなかろうか、そういう乏しい着眼点から調べてみました。それで車の台数が総額にして約百億、オートバイも含まれております、いろいろな各種車。これの一台当たりの値段をはじきまして、これに見合ったものが国内でどのぐらいで売られているか、これを調べました。
そうしましたら、例えばMMCTのバス、これはクーラーつき、一台の購入金額がここに出ておりますように一千二百九十八万四千円なんです。これは交換公文の中に、今そこに渡した中に出ているのです。ところが一九八六年、ことし地方自治体で買った値段、いすゞのクーラーつき、ここに写真がありますね、現地へ行って撮ってきたの、見てきたの。その同型のものが一千二百十四万六千円で売られている、これはことしですよ。
フィリピンのいすゞのバスは一千二百九十八万四千円、ことし同型のクーラーつきが一千二百十四万六千円。それがマニラで買った時点の一九八二年、これはオンゴーインクですから、だから継続しているわけですが、その一番古い一九八二年代にさかのぼりますと、これが一台一千百四十七万で売られている。その一千百四十七万、八二年のときにマニラに入れたのは一千二百九十八万四千円、その差額が百五十一万四千円、こう出てきているのです。
これは後でひとつ、
総裁にこんなことを言うまでもない、地元ではよく御存じですから、型がどうであるかなんていうのはみんな写真も撮ってありますし、こういうことなんです。これ、どうですか、知っていますかと言ったところで、これは何とも返事があるのかないのか。
それからバスだけじゃわかりません。
長官、これはもう
外務大臣は
関係ないのでお休みいただくときですから、
長官、今度はダンプトラック。今申しましたように形になっているものをずっと調べてみました。わかるのもあります、わからないのもあります。今
総裁おっしゃったように、いろいろな仕様がありますから、内装などの違いもありますからね、大きさも違いますね、難しい、これは。現地に行ってまず向こうのをよく見てこないと、向こうのをチェックしてこないと、それで向こうのと同じもの、そして値段、ダンプやトラックを見たのです。
そうしましたら今申しましたように一次、三次、四次、六次、七次、八次といろんな形の各車が購入されておりますから、その中で私たちがやっとこれは間違いないと突きとめたのが二車種あるのです。これはやはりダンプです。十・五トンのダンプ、日野と三菱、それから八トンのダンプ。このダンプトラックが第四次の日比友好道路、これは先ほど言いました七六年の三月三十日、あのときの購入が三井物産が二十四台で二億四百七十四万四千円、二十四台ですから、これ一台当たりの単価が、割りますと八百五十三万一千円。それから酒井重工業、これは七八年五月十七日です。五十六台、二億九千九百九十三万六千円、これ一台が五百三十五万六千円。これを、三菱と日野の十・五トンと八トンのトラックなんです、やりますと、七六年当時の店頭引き渡し価格は十・五トン、日野が六百四十二万、三菱が七百二十五万、三井がマニラに入れたのは八百五十三万一千円です。その差が百二十八万一千円。それから八トンダンプ、日野が七六年当時四百四十九万、三菱が四百六十七万、酒井がマニラに入れたのは五百三十五万六千円、その差六十八万六千円。こういうことで、後で
長官、ここに写真も何もありますのでごらんいただきたい。
こういうことで相当の、これを掛けますと、私はなぜこれを掛けないかというと、
総裁わかりますか、なぜこれを掛けないか。全部見たわけじゃないからです、私は。ここに書いてあります酒井重工業の五十六台全部見たわけじゃありません。三井物産の二十四台全部点検できません、不可能です、こんなことは。さらに言うならば東陽通商の七八年一月十日百台、五億五千万、全部見るわけにいきません。見つからぬのです。その後もやりました。ですけれ
ども、私が見た範囲ではこういうものが売られているというので、残念ながら、掛けるイコール合計という計算はできない、良心的ですね、
総裁よろしいですか、非常に良心的です。
普通ならば五台見たって三台見たって、あと調べようがありませんからね、掛けるにしちゃう。ところが私はそんなことをやりたくありません。一台につき六十万から百万の差額がある。こういうことが、三〇%水増ししなきゃ落札しませんよ、あるいは高く入札しなければだめなんですよ、低いのはと、こういうようないろんな活字になっているその
リベートを生む
一つのもしかすると原因、根幹ではないかなと、断定できません、残念ながら。
私たちが今現在
調査をした範囲では、こういう
一つの事実
関係というものが浮き彫りになってきた、こういうことなんですが、ひとつ
総裁、この事実については御存じあるかどうかと言ったって、これはさっき首を横に振られたから御存じない。こういうことについてはどういう感触をお持ちか、ひとつ感触をお尋ねします。