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木本平八郎君 ぜひ頭の隅に入れておいていただきたいと思いますね。やはりこのままじゃ
ボーイングに
販売の方を握られて振り回されてしまうということになっていくと思うんですね。
それで、リベート、リベートと言いますけれ
ども、金額が大きい、一五%とかなんとかというのはめちゃくちゃですけれ
ども、それ相応の、代理店攻勢に準ずるようなものは、これはもう
世界的な常識なわけですから、余りそこをピューリタン的に考えると、インターナショナルな商売はできなくなるということを私は申し上げておきたいわけです。
一方、この法案をやる場合、私がメーカーの場合、私も民間にずっとおりましたので、この法案を実施していく場合を考えますと、まずメーカーサイドで、仮に単独でこれだけの
飛行機を
開発するということになりますと、いろいろあると思うんです。まず、
資金が膨大にかかるということ。それから、相当の
技術を持ってこなきゃいかぬということですね。それから、
日本で一社、まあ数社寄ってもこれだけの
技術はなかなか今のところないから、
技術の問題。それよりも一番大きなのがやっぱり
開発のリスクだと思うんですよ。
資金の問題は、むしろ今の四重工かなんかの実力なら、これは自己調達だ保ってできると思うんですよ。金利の高さなんかは別ですよ。それから、この
技術の問題は、
ボーイングと一緒にやるということで相当カバーされるでしょうし、先ほどのSTOLの問題のように、
日本でもやろうと思えば相当な
技術ありますからね。
ただ、
開発のリスクというのは、これは大変なんですね。少なくとも約二十年近くかかるわけですね。その間に世の中とうなるかわからない。それから、
ボーイングのように、ずっといろいろシリーズでやっていますと蓄積もありますし、その知恵もあるし、うまくやっていけるけれ
ども、初めてこれだけのものをやるといったら大変なことになるわけですね。しかも、先の
見通しがつかないというふうなことがあると思うんですね。そこで、私は、この
開発のリスク、これをいかにして
政府がめんどう見てやるかだと思うんです。
開発のリスクというのも二通りあると思うんですね。通常のリスクで
企業リスクと、それから不可抗力に近い、この
仕事、
飛行機の
開発そのものに伴う特殊なリスク、この二つに分けて考えなければいかぬと思うんですね。
まず
企業リスクというのは、これは自己負担あるいは
企業の
採算で賄うべきものであると思うんですね。それをまさか
補助金だとか利子補給だとか、そんなことでやっているわけじゃないんでしょうけれ
ども、最後に納付金か何かあって、もうかったら返せというふうなことがありますね。それで、何か回転基金構想というのをやっているわけですが、私は、
企業利益の面まで
政府が関与するというのは余り、民活ということにおいて、むしろ
企業の方が甘えちゃって、親方日の丸的になる
可能性があるんじゃないかという気がするんですね。したがって、通常のリスクはむしろ
企業に持たせるということで、不可抗力あるいは特殊なリスクだけを
政府の方でめんどう見てやるということが必要なんじゃないかと思うわけですね。この点につきましては、後から、私が考えているこういう不可抗力のリスクというのはどういうことかということを申し上げますけれ
ども。
それからもう
一つ、メーカーの立場としては、果たしてこういう、この法案でもって本当に必要な
資金が適切に、タイムリーに十分調達できるかどうかなんですね。例えば
政府の手続に時間がかかっちゃって一カ月間おくれるとか一一カ月ならいいんですけれ
ども、先ほどの
予算措置ができないものだから来年回しになるとか、例えば利子補給のなにの
予算措置がつかないかも、ことしはちょっと借りられないとかね、そういうふうなことがやっぱり出てくる
可能性があるんじゃないかと。
それからもう
一つは、これちょっとV二五〇〇と違いますけど、例えば
ATPですね、これは何か非常に高速で回転するから、強度の問題だとか、そういうちょっとメカの問題だけらしいんで、金をかければ
開発期間というのは短くなるということですね。ところが、もしもこれを
政府のこういうなにでアプライズしますと、
計画があって、ことしはもう何百億以上使えないということになってしまいますと、柔軟性を失って、今金かけてすぐ、一年でも二年でも短縮したいというときに、これ間に合うかどうかという
心配があるんじゃないかということですね。
それから、やはりメーカーサイトとしては、大きいのは
投資リスクだと思うんですよ。例えば風洞実験、風洞とか私どんなのがあるか知りませんが、各種の
試験装置が相当ありますね、大きな水槽で
機体をつぶすと、これは
ボーイングがやるのか知りませんけれどね。そういうふうなことに対して、私は全面的にやられると思うんですけれど、その辺お確かめしたいのは、
政府が持っている設備なんかを廉価で安くどんどん貸与してやるというふうなことがちょっと出ているようですけれどね。その辺御
説明いただきたいんですが。