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政府委員(
清水傳雄君) まず、
厚生省の
生きがい就労
対策としての
高齢者一
能力開発情報センター、これは今、
先生御
指摘のように、老人の
能力の開発、向上を図るためのいろんな相談に応じるとともに、その
能力に応じた就労機会の
確保なり、あるいは
社会参加のための福祉情報を提供する、こういうことを目的として
社会福祉法人が設置、運営をし、また六十五歳以上の
人たちの空きがい的な
就職のあっせんもやっておられる、こういう形でございます。
シルバー人材センターにつきましては、労働
能力を有する
定年退職後の
高齢者に対しまして、その
就業ニーズに応じた追加的な収入を得るための、
先ほど職業対策課長が申しましたような、そういう仕組みのもとに活動を展開いたしておりまして、両者の運営主体なり目的というものがある
程度異なるわけでございますけれ
ども、いずれにいたしましても、本格的な
高齢化社会の
到来の中での
対策の一環として。
労働省なり
厚生省がそれぞれの
観点から行っている
施策ということになるわけでございます。ただ、
シルバー人材センターにつきましては、現実には現時点の
年齢構成が六十五歳なり七十歳の方々がかなり多く見受けられますが、私
どもは六十歳以上の方々を対象として考えております。
そうしてまた、これからの方向といたしまして、何と申しましても、六十歳代層の
雇用就業対策ということを考えでみますに、なかなか
企業に普通
雇用での求人を期待するというのは現実問題として非常に難しいまだ現実の姿がございます。しかしながら、短期的な、スポット的なこういうものでございますならば、これは
高齢者向けにも出していただけるという余地がなおかなり多くあるんじゃなかろうかというふうに思われるわけでございまして、そうしたものをやはり全国的にそういうセンターに集約をして、一定のまとまりを持って提供していくような、そういう網の目を全国的に広げていくということがこれからの
高齢者対策の中で非常に重要な役割を果たしていくことになるんじゃなかろうかというふうに思います。
そういう
意味合いにおいて、この活動の
基盤の強化を図るために、従来は通常費の助成ということだけを行ってまいりましたが、さらに、市町村のいろんな創意工夫を凝らしたお仕事なんかもこうしたところに出していただく形によりましてその
基盤の強化を図っていく。例えば、民俗伝統工芸、調査物あるいは福祉活動、そうした点につきましても、
高齢者の
就業機会開発事業というふうな形で六十一年度予算化を図ってまいってきておるわけでございます。
そういった
意味合いで、
一般的な
企業を終身とする
雇用対策というのが本流をなすべきものでございますが、ある
意味におきまして、それを今申しました形で著千でも補完をしていく、こういうふうな役割を持たしていきたいとも考えておるわけでございまして、厚生、労働両省、若干目的なり運営主体は異なり、それぞれの
観点から行っているところでございますけれ
ども、両者相まって適切に対処をしていかなければならないわけでございます。
厚生省の
施策につきましても、私
どもの方といたしましても、例えば紹介あっせんに当たる
人たちを、
安定所関係のOBの方々をそういう
協議会に入っていただきまして担当してもらうとかいうふうな連携も行っておりますし、そういうふうな形で適切に対処してまいりたいと思っております。
また、婦人労働
能力活用事業でございますが、これも御
指摘のように、仕事の面という
形態におきましては似たような面がございます。ただ、これは現実には、内職のあっせん、あるいはまたそれに続いての
能力をどうやって開発していくかというような
観点、あるいは情報の提供とか、現実の運用としてはそういうところが割に中心になっているんではないかと思いますし、対象者も主として三十歳から五十歳ぐらいの御婦人の方々が多いということでございまして、これと
シルバー人材センターとは、目的なり実施主体、対象等も異なりまして、そう重複というふうなものはないんではなかろうかというふうに考えておるところでございます。