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1986-02-14 第104回国会 参議院 建設委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十一年二月十四日(金曜日)    午前十一時三十一分開会     —————————————   委員氏名     委員長         小山 一平君     理 事         工藤砂美君     理 事         堀内 俊夫君     理 事         増田  盛君     理 事         青木 薪次君                 安孫子藤吉君                 井上 吉夫君                 植木 光教君                 遠藤  要者                 古賀雷四郎君                 志村 哲良君                 服部 安司君                 福田 宏一君                 松本 英一君                 大川 清幸君                 白木義一郎君                 馬場  富君                 上田耕一郎君                 安武 洋子君                 山田  勇君     —————————————    委員異動  一月二十八日     辞任         補欠選任      古賀雷四郎君     井上  孝君  二月十四日     辞任         補欠選任      安武 洋子君     内藤  功君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         小山 一平君     理 事                 工藤砂美君                 堀内 俊夫君                 増田  盛君                 青木 薪次君     委 員                 安孫子藤吉君                 井上 吉夫君                 井上  孝君                 植木 光教君                 遠藤  要君                 志村 哲良君                 松本 英一君                 大川 清幸君                 馬場  富君                 上田耕一郎君                 内藤  功君                 山田  勇君    国務大臣        建設大臣     江藤 隆美君    政府委員        国土庁土地局長  末吉 興一君        国土庁大都市圏        整備局長     山本 重三君        建設政務次官   中島  衛君        建設大臣官房長  高橋  進君        建設省建設経済        局長       清水 達雄君        建設省都市局長  牧野  徹君        建設省河川局長  廣瀬 利雄君        建設省道路局長  萩原  浩君        建設省住宅局長  渡辺  尚君    事務局側        常任委員会専門        員        荒木 正治君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国政調査に関する件 ○昭和五十九年度における道路整備費財源の特  例等に関する法律の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付)     —————————————
  2. 小山一平

    委員長小山一平君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る一月二十八日、古賀雷四郎君が委員辞任され、その補欠として井上学君が選任されました。     —————————————
  3. 小山一平

    委員長小山一平君) この際、江藤建設大臣及び中島建設政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。江藤建設大臣
  4. 江藤隆美

    国務大臣江藤隆美君) 昨年末の内閣改造に当たりまして中島政務次官ともども建設行政に携わることに相なりました。これからお世話さまになりますが、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。  なかんずく財政事情の厳しい中でありますが、住宅、宅地の供給、道路河川下水道公園整備など、これから国民各界各層要望にこたえていかなければならないもろもろの問題が建設行政に付与されておるわけでございますが、誠心誠意、省を挙げて努力をいたしたい、こう思っておりますので、委員長を初め各委員の諸先生方の御指導、御鞭撻を賜りますようにお願い申し上げて、ごあいさつにさせていただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。(拍手
  5. 小山一平

  6. 中島衛

    政府委員中島衛君) このたび建設政務次官を拝命いたしました中島衛でございます。  現下経済社会情勢は厳しいものがございますが、江藤大臣のもとで誠心誠意建設行政の推進のために努力を重ねていくつもりでございますので、委員長を初め委員先生方の御指導、御鞭撻お願いいたします。(拍手)     —————————————
  7. 小山一平

    委員長小山一平君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、建設事業及び建設計画等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 小山一平

    委員長小山一平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  9. 小山一平

    委員長小山一平君) 昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。江藤建設大臣
  10. 江藤隆美

    国務大臣江藤隆美君) ただいま議題となりました昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  今国会に提出されました補正予算におきましては、内需拡大に関する対策の一環として約二百九十九億円の道路整備事業費追加が計上されておりますが、この財源につきましては、現下の厳しい財政事情等にかんがみ、揮発油税等のいわゆる道路特定財源を充てることが必要であると考えられます。  ところで、道路整備費財源につきましては、道路整備緊急措置法の規定により、揮発油税等収入額決算額がその予算額を上回ったときは、当該上回った額に相当する額を決算調整額として 翌々年度道路整備費財源に充てることとなっておりますが、昭和五十九年度におきましては、約二百九十九億円の決算調整額が生じております。  このため、昨年度補正予算におきましてとられました措置と同様に、本来昭和六十一年度財源に充てられることとなるこの決算調整額昭和六十年度財源に充てることにより、今回追加される道路整備事業費財源を確保することとし、道路整備緊急措置法第三条の適用について特例措置を設けることとした次第であります。  したがいまして、法律案要旨といたしましては、昭和五十九年度揮発油税等決算調整額昭和六十年度道路整備費財源に充てることとし、これに伴い、この決算調整額昭和六十一年度道路整備費財源には充てないこととしております。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようにお願いいたします。
  11. 小山一平

    委員長小山一平君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  12. 青木薪次

    青木薪次君 今大臣から御提案のありました、昭和五十九年度において二百九十九億円の決算調整額が生じたわけでありまして、これを一年早めて道路整備に充当しようというものであるわけであります。補正予算関係については、昨年の十月十五日に決定されました内需拡大策、これに基づくものであるわけでありますが、最近の経済状況というものは内需拡大必要性というものを、これはもう今までも言い尽くされてまいりましたけれども、今度は演説だけじゃいけないということだと思うのであります。  今回の二百九十九億円を含めまして、建設省関係補正予算の概況についてちょっとおっしゃっていただきたいと思います。
  13. 高橋進

    政府委員高橋進君) 昨年十月あるいは暮れにかけまして、内需拡大に関する施策が政府として決定されたわけでございます。住宅金融公庫の融資の枠の増大等もございますが、この国会におきまして補正予算としてお願いいたしておりますのは、建設省関係で申し上げますと、一般公共事業についての国庫債務負担行為では事業費三千九百五十九億円、それから災害復旧事業費につきましては、事業費ベースで三千八百一億円、道路整備費では、今国費ベースで二百九十九億円でございますが、事業費で四百七十五億円といったことをお願いしておるところでございます。
  14. 青木薪次

    青木薪次君 今官房長から説明があったわけでありますが、建設省といたしまして現在の情勢下において景気対策として十分なものと考えているかどうかという点については、大変問題があろうと実は思うのであります。  そこで私は大臣にお伺いいたしたいと思うのであります。  中曽根総理私的諮問機関として、経済構造調整研究会というものがありますね。これは三月に報告書が出るということを新聞で見ました。この中で、中期的な観点から内需拡大策を持続させる、このために出てきたのが建設国債増発に弾力的、機動的に対応する考え方だと言われております。臨調行革路線のもとで抑制されてきた社会資本整備を、今後は内需拡大の重要な柱に位置づけまして、そのために、第一には民間活力の導入、第二には地方債増発による社会資本拡充整備報告書にうたわれることになるわけでありますが、それだけでは十分じゃないのだということで、あれほど大蔵省は、建設国債だって、資産が残ったってこれも借金には変わりはないんだ、赤字公債と何も変わりはないんだというような考え方を持ってきましたし、また建設省の方も、その辺幾らか及び腰であったということが言えると思うんです。  そういう中で建設国債増発問題というのは、これは今日もう円高不況対策あるいはまたいわゆる一般的な貿易摩擦を何としても解決するためには日本の国内の産業構造を変えるんだ、もちろん財政構造も変えていくんだということまで踏み切っていると思うのでありますが、財政国債依存体質を脱却するという財政再建の目標を守ることをそれでもやっぱりうたい文句にしなければならぬということが片方にある。しかし一方では、機動的な建設国債増発をするんだというようなこと。何かいわゆる二律背反のようなことを文句にうたいながら、今までやってきたことを今度は、例えば東京行きの切符を買って大阪まで行きたいというような、そういうまた裂きになるような言い方をしておりますけれども、結果としては建設国債増発を弾力的に行うということについて踏み切ったやに聞こえているわけでありますが、その点大臣国会対策委員長も経験したので、単刀直入にひとつ答弁してください。
  15. 江藤隆美

    国務大臣江藤隆美君) ちょうどことしからは先生も御承知のように下水道あるいは住宅公園、海岸、特定交通安全施設、こういったものの五カ年計画もスタートいたします。道路整備五カ年計画昭和六十二年度で第九次が終わるわけでありますが、その進捗率は七三%にしかならない。こういうことから考えますと、建設省としては何が何でも財源が欲しい。財源が欲しいということでは、これはもう渇望するわけであります。  しかしながら、私は、第一次的にはやっぱり特定財源を確保するということと、それから一般財源公共事業に入れるということが正道だと思っています。しかし現在はそれが望めないわけでございますから、やはり建設国債というのは私どもにとっては極めて魅力の大きいものでもあるし、ぜひそうあってほしい。これはもう応援をしていただいて大変ありがたいきわみであります。  ただ、申し上げておきますと、今年度昭和六十一年度も五兆七千億の建設国債財源として実は発行するわけでございまして、六十一年度公債残が百四十二兆になると言われておりますが、その中で七十九兆円が大体建設国債の残でございます。  それらのことを考えますとやっぱり国の財政全体のことも考えなければならないのかなという感じがいたしますが、こうした私的諮問機関であるにしろ、総理にそういう答申がなされるということは建設省としては歓迎すべきことである、こういうふうに考えております。
  16. 青木薪次

    青木薪次君 今大臣の言ったようなことを私ども口が酸っぱくなるくらい言ってきたのでありまするけれども頑固な大蔵省の頭を変えるまでの力にならなかったということを悔いているわけでありますが、ようやくいわゆる日本経済構造を調整するという研究会が発足したということは、今までの財政運営というものを根本から私は揺さぶっていかなければならぬという事態になったと思うのでありますが、今大臣のおっしゃったように、内需拡大策というものについては、来年度予算も含めまして社会資本計画的な整備のために公共投資の増額をやるのだ。それも下水道公園生活関連施設ということは今おっしゃったとおりだと思うのであります。  今回、年度もあと、二月も二十八日しかありません、きょうは十四日ですから二週間。三月いっぱいということで、押し迫った時期に事業費追加があるわけだけれども、残された年度内にこの事業執行が可能かどうか、私は道路局長にお伺いしたいのであります。
  17. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 本年度補正予算事業実施箇所の選定に当たりましては、事業進捗状況等を十分勘案して選定することにさせていただいております。また、補正予算が成立次第にはこの所要の手続を経まして速やかに事業の着手にかかれますようあらかじめ準備を進めておりますので、その実施体制を十分整えまして、この補正予算を御承認いただきましたら円滑な事業執行を進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  18. 青木薪次

    青木薪次君 事業追加景気対策ととらえる場合に、景気地域的にまだら模様なんですね。例えば東京湾横断道路というものがある。これ はもう巨大なプロジェクト、私は余り賛成しない、こういうやり方は。それから本四架橋。そうすると全国的に、例えば北海道はどうかといったら北海道だって大変なことですよ。九州もそうだと思うんです。私ども東海道メガロポリスと言われても、これもなかなかやっぱり厳しいということになりますと、重点配分等については大臣も熱心でしょうけれども事業地域配分との関係でどういうようにお考えになっておられるか、その点をお伺いしたいと思います。
  19. 江藤隆美

    国務大臣江藤隆美君) 今回のは御承知のように六十一年度前倒し六千億、そのうちの建設省分が三千九百五十九億、こうなっておりますのど、もう一つは災害復旧費が実はございまして、普通は初年度三、次年度五、最終年度二というのが本当でありますが、事の次第から言いまして、六十年度災害はもうほとんど八〇%以上今度ひとつ災害復旧費を計上しよう、それから五十九年度はもう九〇%以上ある、こういうことになります。これが約五千億の災害復旧費の内容でございまして、これは災害のあった地帯配分されることは当然でありますけれども、六千億の債務負担行為につきましては、例えば東北ですとか、北海道ですとか、九州ですとか、そういうふうな大型プロジェクトのできないようなところ、あるいは積雪寒冷地帯景気対策、いわゆる春先の仕事がないわけであります。一番の時期に雪が降っておりまして、雪が解けていざ働こうというときの仕事がないわけですから、この補正予算が通過いたしましたならば、そうした積雪寒冷地帯を最重点的にして、やはり地域配分については十分の考慮を払っていきたい、こういうふうに考えております。
  20. 青木薪次

    青木薪次君 先般、昨年ですね、緊急地方道交付金事業があったんです。これが行われまして、これは非常に評判がいいんですよ。地方負担大体六〇%なんですけれども、今まで手のついてないところ、学童の通学というようなところとかそういったようなところを解決しようというような意味でやったわけですけれども、非常によかったというように思うのであります。  これとは別に仕事を拾っていく、こういう立場でこの二百九十九億円の、四百七十五億円の事業費ですか、これが組まれておって、去年、五十九年度は二百六十九億円の、事業費が三百九十六億円ですから、相当に増加されているわけでありますが、内需拡大景気対策というやつが大きな政策テーマになっているわけでありますが、まだ予算審議の最中でありまして、来年度予算公共事業費執行前倒しで、伝えられるところでは上半期七五%程度をひとつ使っていこう、前倒ししようというような考え方があるようでありますが、これは建設省としてどういうお考えを持っておりますか。
  21. 江藤隆美

    国務大臣江藤隆美君) ただいままだ予算審議中でございまして、建設大臣予算前倒しをします、そうすると今度は前倒しをしたらけつの方がなくなるわけでありまして、朝飯は食わすが晩飯は食わさぬぞというような話をまだするわけにはまいりませんので、早くひとつ予算案を通させていただいて、ありきたりに言いますというと、そのときの経済社会事情をよく勘案して不都合が起こらぬように合理的に執行させていただきます。きょうのところはそういうところで御勘弁をいただくとありがたいと思います。
  22. 青木薪次

    青木薪次君 形式的にはそういうことになると思うのですが、私はやっぱり道路予算先食い、すなわち国庫債務負担行為も来年度予算先食いで、おまけに来年度事業前倒しということになりますれば来年度の下期対策はどうなるかということについては、これは今大臣のおっしゃったように、朝飯は食わせるが夕飯は食わせない、食わせないと言うよりも軽くなるわけですかね、おなかがすいてもそれを満たすだけのものを食わせないということになるわけでありますが、このような問題についてだれも前倒しをすると言っても怒らないし、しませんと言ったらうそになるということになるわけですから、この点考えてやっていくべきだと思うのであります。  大臣、後半の問題、下期の対策というものについては前倒しした場合、仮定の問題については言えないと言うかもしれないけれども、どういうことになりますか、この二百九十九億円の先食い関係に伴って。
  23. 江藤隆美

    国務大臣江藤隆美君) 図らずも、さっき先生から建設国債のお話がございましたが、予算が通って、そして仮に前倒しをする、前倒しを決めたわけじゃありませんが、仮に前倒しをするといった場合には、年度途中でいろんな変化が出てくるだろうと思っております。建設国債の話も、正式に答申が行われるということになれば、当然政治の舞台で議論をされる事態になってくると思います。  したがいまして、景気動向その他を考えて、いずれこの後のいわゆる年度後半の処置についてはどうするかということをまた国会の諸先生に御相談を申し上げる時期が来てほしいものだなと私はひそかに期待するわけであります。そういうふうに考えておりますので、またその節にひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
  24. 青木薪次

    青木薪次君 決算調整額二百九十九億円は、本来なら六十一年度予算に繰り入れられるべきものを一年先食いするのですからね。考えてみみと、一年といっても、先ほども言ったように二月半ばでありますから実質一カ月半の先食いにすぎないわけであります。私はやっぱりわざわざ法改正までやらなくたって、今大臣の言ったように、もう建設国債相当発行をしなければいけないというようなことになってきているし、そういうような情勢でありますので、一般財源措置するというようなことは考えなかったのかどうなのか、その点についてどういうようにお考えになっていますか。
  25. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 今回追加されます二百九十九億円の道路整備事業費財源につきましては、ただいま先生おっしゃいましたように、一般財源でこれを手当てすればよいではないかという御議論も当然私どもとしてはやらせていただきました。しかし、御承知のように財政をめぐる状況が非常に厳しゅうございまして、この際ぜひ揮発油税等特定財源をこの補正に充てるのがよろしかろうということになりまして、今回この法律改正お願いしている次第でございます。  ひとつよろしく御理解賜りたいと存じます。
  26. 青木薪次

    青木薪次君 道路財源先食い措置はいわゆるオーバーフローとの関係もあるんですね。「昭和六十一年度道路関係予算説明資料」、建設省道路局都市局発行資料によりますと、昭和六十一年度道路整備予算財源の内訳の中で、特定財源揮発油税石油ガス税、それから一般財源のうち自動車重量税の国分八割相当額、これを足していきますと二兆一千五十一億ということになりますね。それから特定一般財源計でいきますと二兆一千二百五十一億八千八百万ということになりまして、前年度特定一般財源が二兆五百七十億、それから特定財源一般財源重量税、これを入れていきますと二兆三百七十億ということになる。  そうすると、この違いというものは、これは先ほど私が申し上げましたオーバーフローがこの分解決されたという解釈を持っているのかどうなのか。五十七年、五十八年、五十九年というものを足していきますと、私どももいろいろと大蔵省を揺さぶったわけでありまするけれども、四千百八億円、この分が去年とことし二百億ずつオーバーフローは解消されたという勘定に立っていると、大体四千百億マイナス四百億ということになる、そうすると三千七百億ですか、そういうような解釈でいくのか、四千百億貸してあるぞという解釈でいくのか、この点はどうなりますか。
  27. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 先生御指摘のとおり、五十七年から五十九年度までの自動車重量税の未充当額は四千百八億円に上っておりますが、六十年度、六十一年度おのおの二百億あるいは二百一億一般財源から道路財源の方に歳出を予定していただいております。したがいまして、現在のところ 自動車重量税の未充当額は約三千七百億円というふうに私ども理解をいたしております。
  28. 青木薪次

    青木薪次君 それは道路局長、あくまでもこれはもらうものだ、借金として、預けてあるぞという解釈でいくべきだと思うのだけれども、どうなんですか。
  29. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 先生おっしゃいますように、あの三千七百億円につきましては、できるだけ早期に道路財源に充てていただきたいということで、今後とも懸命の努力をしていきたいと存じます。
  30. 青木薪次

    青木薪次君 法律によりますと、交付金事業揮発油税の十五分の一までを財源に充てることができるようになっているのですね。今回の追加では聞くところによると交付金事業は入っていないということなのでありますが、評判のよい事業だけに、なぜ対象にしなかったのかという点について若干の疑問があるのですが、この点いかがですか。
  31. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 緊急地方道路整備事業につきましては、各地域から御要望をいただいてそれを組み立てていくことになるわけでございますが、今回二百九十九億の補正お願いいたしておりますのは、筋から言いますと先生おっしゃいますようにその十五分の一はこの交付金の中に算入すべきであるということになろうと存じます。したがいまして約二十億程度の金額になるわけでございますけれども、これを全国的に平等に交付金として再配分するということにつきましては、事務的問題その他がございましてちょっと不可能でございます。  したがいまして、この二百九十九億円の十五分の一に相当する額につきましては交付金対象とはさせていただきませんで、そのかわりこの事業費配分につきましては地方道について特に配慮を申し上げて、その点で実質的に担保させていただければと、こういうふうに考えている次第でございます。
  32. 青木薪次

    青木薪次君 ひとつその点は地方の意見というやつを十分参酌して、そして整合性のある、しかも景気対策というようなことでやっていただきたいというように考えます。  道路財源の推移の表を見ますと、決算調整額が、ここのところいろいろなんですね。昭和五十七年なんというのは三百億ぐらいへこんでいるのです。道路財源の大宗を占める揮発油税は伸び悩みの情勢だということで、一方財政のシーリングの問題もあるかもわからない、道路財源だけが伸びても困るかもしれないということはあったにしても、将来の道路整備考えると問題になるのじゃないかと思っているのですけれども、見通しをちょっとお聞きいたしまして、私はこれで終わりたいと思います。
  33. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 先生御指摘のとおり、例えばガソリン税、揮発油税の収入をとって見ますると、昭和五十年代の初めには大体一〇%以上の年率の伸びを示しておりました。ところが、昭和五十五年ぐらいからその伸びは大体五%を割るような数字で推移をいたしてございます。したがいまして、これから後、ガソリン税の税収の伸びはそんな大きなものが期待できないのではないか。したがって今後どういうふうに考えるのだという先生の御指摘でございます。  私どもといたしましては、道路整備一般財源でやっていただきまして足りないところをいわゆる利用者の税負担で整備を進めていただくというのが本来の趣旨ではなかろうかと思っておりますが、現在のところはそれがちょっと逆転をいたしておりまして、利用者の負担が非常に多くて一般財源はごくわずかということでございますので、今後ともその一般財源の充当、それによります道路整備の推進ということについて努力をしてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  34. 大川清幸

    大川清幸君 青木委員の質問で大分明らかになった点が何点がありますので、なるべく重複をしないようにお伺いしてまいりたいと思います。  今回の補正予算道路事業費の増加ですね、これは建設省のいわゆる国庫債務負担行為追加分の中で、道路分については金額で五〇%強ぐらいになりますので大変シェアが大きいということですが、これで道路事業費の伸びが全体でどのぐらいになるのだろうかということと、それからできれば第九次道路整備五カ年計画の中で補正前と補正後で進捗率がどんな状態になるか、御報告願えればありがたいと思います。
  35. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) この二百九十九億円の国費をつぎ込むことによりまして、事業費ベースでは約四百七十五億円の事業費が計上されることになります。そのほかに財投資金として有料道路事業にも約百六十億円の事業費を見込むことといたしておりますので、その結果、昭和六十年度末の第九次道路整備五カ年計画の達成率は、補正がなければ五三・四%でございましたけれども、この補正が組まれることによりまして五三・六%、〇・二%進捗率が上昇する、こういうことに相なっております。  また、その結果の全体の予算の伸びでございますけれども、約一〇%当初の金額に加わるという伸びを示すことに相なります。
  36. 大川清幸

    大川清幸君 そこで、このことによって、問題になっているいわゆる内需拡大に対する効果についてはどんな予測をなさっておりますか。
  37. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 先ほど申し上げましたように、この二百九十九億円で四百七十五億円の事業費の増を見込んでございます。経済企画庁の世界経済モデルによりますと、公共投資追加いたしましたときに、その後一年間におきますGNPの増加効果は投資額の約一・五倍というふうに報告をされております。したがいまして、約四百七十五億円の前倒しによります追加投資の内需拡大効果は、一年間で約七百億円ぐちいというふうに計算をされると存じます。
  38. 大川清幸

    大川清幸君 次に、六十一年度道路関係予算説明資料の中身についてお伺いをいたしますが、第九次五カ年計画の内訳を見ますと、地方単独事業が十一兆七千億円見込まれておりまして、これは投資規模の三一・七%。大変大きいわけです。  ところで、地方単独事業進捗率の見込みですけれども、六十年度が五一・八%、六十一年度が六八・三%となっておりますが、実際にはこれ、何といいますか、計算上というか、事業執行の途中でありますから見込みということで出さざるを得ない技術的な問題があろうかと思いますが、現実の状況については御説明いただけますか。
  39. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 予算説明資料で掲げました地方単独事業の見込みでございますけれども、これは地方財政計画あるいは地方債計画を参考にして算定させていただいた数字でございます。この地方財政計画地方債計画がその後どのような形で執行されるかということにつきましては、私どもは側面からできるだけ道路整備事業を推進していただくようにこれからも働きかけていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  40. 大川清幸

    大川清幸君 ところで、この地方単独事業ですが、五カ年計画全体から見た進捗率、これがどうも進捗率で言うと余り芳しくないというか、おくれぎみというような説もありまして、これらが全体計画の中でやはり問題になるのじゃないかと思いますが、この辺に対する認識はいかがでしょう。
  41. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 確かに先生御指摘のとおり、この進捗率は、その他の一般道路あるいは有料道路と比較をいたしまして余り高い進捗率ではございません。この点につきましては、先ほどからも申し上げておりますように、地方財政計画地方債計画の策定を適じましてできるだけその整備を進めていただくようにこれからも御要望申し上げていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  42. 大川清幸

    大川清幸君 姿勢はその方向でいいんですが、具体的にはなかなか名案がないのじゃないんですか。どうなんですか。
  43. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 御承知のように現在御客 誘いただいております六十一年度政府予算原案におきまして、補助率の改定の問題も含まれております。その点もございまして、今、大川先生から見込みはどうなんだ、こういう御指摘であろうと私ども認識しておりますけれども、今回の補助率の改定の問題につきましてはそれなりの手当てを打っていただいておりますので、そこら辺を私どももよく御理解いただいて、地方単独事業の進捗になお一層御協力いただくように努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  44. 大川清幸

    大川清幸君 次に、揮発油税等収入額年度予算の関連で決算調整額を見てみますと、五十二年度と五十七年度がこれ赤字、マイナスになっておりますが、毎年かなりの余剰額が発生しておりまして、先ほどの質疑でもちょっと御説明があったのですが、念のため確認をしておきますけれども揮発油税等の収入の予算額が、予算で言うと大蔵省が本来は立てているのだろうと思うんですがもし建設省で御説明できればありがたいのですが、これはこの十年間で見ますと大体三百七十四億とか二百億余り、それから五十五年度で言うと四百十三億ですから、さっき言った五十二年と五十七年を除いてこういう状態になっておるわけですが、どうも当初の見込みの立て方について多少問題があるのかなという感じがいたしますが、その辺はいかがでしょう。
  45. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 揮発油税等の税収見積もりにつきましては、先生ただいま御指摘ございましたように、財政当局におかれまして燃料の消費の将来予測であるとか、自動車保有の状況でございますとか、あるいは経済情勢等を勘案して見積もりをしておられるというふうに伺っておりますし、私どももまたその資料も見せていただいているところでございます。結果といたしまして、過去十年間で二回だけは見積もり違いでマイナスがございましたけれども、その他は二百億ないし六百億の余剰が出ているという状況を示してございます。  御承知のように揮発油税の収入全体で一兆六千億ほどございますので、やはりここら辺の誤差と言ってはなんでございますが、見積もりの差異というものがどうしてもある程度出てくるのではないだろうかというふうに考えておりまして、私どもはこの見積もりがラフなものであるというような認識は余り持っておりませんので、ここら辺のところが予測としては最もなし得る限界ではないだろうかというふうに考えている次第でございます。
  46. 大川清幸

    大川清幸君 先ほどの質疑でもオーバーフローの問題が出ておりましたが、過去五カ年ぐらいの道路整備財源における一般財源特定財源との割合の関係ですね、これで言うと、四十六年に自動車重量税が創設された際の約束に基づいて道路財源に充当されるという経緯があるわけでございますが、充当額の経過について、先ほどちょっと私手元の資料で申し上げたんですけれども説明だけ一回していただきましょうか、この過去の経緯、状況、五カ年間ぐらいの。
  47. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 五十六年以降五年間統計をとってみますと、五十六年度はいわゆる特定財源、これは自動車重量税の国分の八割を算定いたしました数字でございますが、この特定財源の比率は九九%になります。したがいまして、一%が一般財源へ入っております。それから五十七年度はこれは全額特定財源、五十八年度、五十九年度も全額特定財源でございまして、この五十七、五十八、五十九にいわゆる未充当額が生じております。そして六十年度には、先ほど御説明申し上げましたように二百億ほど一般財源を積んでいただきまして、特定財源の充当率は九九%ということになっております。したがいまして、過去五年間で九九%が二回、それから一〇〇%が三回、こういう状況になってございます。
  48. 大川清幸

    大川清幸君 それで、このオーバーフロー分についてはつじつまがこれで合っていることにはなるんでしょうけれども、いわゆる資金運用部資金の借入金が一般財源で償還されるという、そういう面での保証の関係はどうなっていますか。
  49. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 資金運用部資金からの借り入れにつきましては、私どもは当然何らかの機会に一般財源で充当していただけるものというふうに考えております。
  50. 大川清幸

    大川清幸君 最後に大臣に伺いますが、景気浮揚の効果の点から考えても、先ほど大体御答弁があったんですが、一般社会資本整備の基幹的な役割を果たしているということが言えると思うんですが、一般道路事業あるいは有料道路事業、先ほど私が取り上げました地方単独事業道路関係等、これらもやっぱりバランスがとれたこれからの整備拡充ということをしていただかなければならないし、内需拡大の意味で言ってもそれなりの効果があると私たちは評価しておるわけですが、今後のこうした均衡のとれた道路整備についての御構想があればお伺いをしておきたいと思います。
  51. 江藤隆美

    国務大臣江藤隆美君) 高速道路にしましてもあるいは都道府県、市町村道にしましても、整備率が予想からしますとまだ大変おくれておるということは私どもにとっては極めて残念なことでございます。  しかしながら、各地方の陳情を聞きますと、大体八割ぐらいは建設にかかわる陳情が市町村では多いわけでございまして、地域開発等、雇用の場所を求め、あるいはまた内需拡大ということからいうと、それほどにやっぱり切実な問題だということを考えておりますから、今回の補正予算を含め、また六十一年度予算、それからその後のまた来年度以降の問題等を含めまして、懸命に私どもは取り組んでいく必要がある。  今日のようにこれほど建設事業に熱い期待が寄せられた時期は近年まれたと思っておりますから、諸先生方の御指導もいただきながら一生懸命これから事業量の確保あるいはまた事業の完成に向かって努力をしたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
  52. 大川清幸

    大川清幸君 終わります。
  53. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 道路問題の一つで圏央道問題、これまで何回か取り上げてきたんですけれども、幾つか質問しておきたいと思います。  まず、この圏央道計画と関連して高尾山周辺で土地買い占めが起きているということが問題になっている。一月二十一日の毎日新聞の記事に「自然の宝庫・高尾山「団地造る」と山林を買収 建設会社圏央道あて込み」というので載っているわけですが、これは八四年秋から急ピッチに始まっていて、買収会社は高尾事業開発というのですけれども、社長は何と熊谷組の顧問で後藤氏、役員の上野氏は熊谷組の東京支店長なんですね。高尾山南側を約九十ヘクタール買収して、最終的には三百ヘクタールまとめる計画だと。上野東京支店長の話では、買収は事実だ、それから自然公園で市街化調整区域ということも承知の上だ、官公庁の指導のもとに推進したいとも述べているんですね。  建設省はこの事実をつかんでおりますか。
  54. 江藤隆美

    国務大臣江藤隆美君) そのような新聞記事が出ましたので、登記簿謄本等をしっかり調べるように今指示をしておるところでございます。  これはこのことに限りませんで、この前も衆議院で松本委員から東京湾横断道路にかかわる買い占めの話が実はございまして、これも私は国土庁それから千葉県に問い合わせてみたんです。そういう事実はないということでしたけれども、やっぱり事実はあるということですから、これは調べてみよう、こう思っております。特に、このような公共事業にかかわる買い占めが行われるということは極めて残念なことです。群馬県の八ツ場ダム、あそこへ何か別荘をつくっておるという話がありまして、テレビにも出ましたから、これも近く私が一回現地に行ってしかと目で確かめて、こういうものによって不当な利益を公共事業のそでに隠れてむさぼるような者が出ないように最大の努力を私はいたしたいと思います。  せっかくの目的がこういうことでけちをつけられるということは極めて遺憾なことですからこれは厳に戒めてまいりたい、こう思っております。
  55. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 建設大臣の決意を聞いてうれしく思いますけれども、地元では熊谷組のほかにも買い占めが進んでいるというような話を聞いたんですけれども、ほかにはつかんでおりませんか。
  56. 江藤隆美

    国務大臣江藤隆美君) 現在のところまだ上がってきておりません。
  57. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 じゃ、厳に戒めたいと言われるんですけれども、何らかの規制処置をとられるおつもりですか。
  58. 江藤隆美

    国務大臣江藤隆美君) この地域は御承知のように市街化調整区域になっておりまして簡単に開発のできないところでございますから、今後やっぱりこの土地の利用につきましては、地元の自治団体等の意見も十分聞いてそして過ちのないようにしたい、こう思っております。
  59. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 ぜひしっかりやっていただきたいと思うんですが、こういうことが進むのも圏央道を当て込んでいるからです。毎日の全国版でも「あて込み」ということになっているわけですが、圏央道計画そのものを建設省東京都が住民、自然保護団体の反対にもかかわらず押し通そうとしているところに根源があるわけです。  建設省は一月十三日、裏高尾ジャンクションの変更案を発表しました。一月二十日に裏高尾圏央道反対同盟、それから高尾山自然保護実行委員会、それぞれ反対声明も出しているんですけれども、今度のこの変更案が出てきたねらい、理由、これをひとつお伺いしたいと思います。
  60. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 先生御指摘の、私ども専門的にはジャンクションと称しておりますけれども、このジャンクションの変更の問題につきましては、当初、素案をお示しして地元地方公共団体といろいろお打ち合わせをいたしました。その結果、やはりこれでは余りに土地がつぶれ過ぎるのではないかという御指摘がございまして、その他いろいろの問題を検討いたしましてこの変更案をお示ししたということに相なっております。
  61. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 従来の案は面積約十二ヘクタール、高さ約二十メートルと言われていたんですけれども、今度の案の面積、高さ、それからループ延長、これはどうなっていますか。
  62. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 面積でございますけれども、先の案、先にお示しいたしました素案では十六ヘクタールございます。それが、今度お示しいたしましたものは十二ヘクタールでございます。  ランプの総延長が、先の案では四・八キロ、今回の案では四・九キロになっております。  それから、地盤からの高さは、先の案では約五十メーターでございましたけれども、今回は約六十八メーターという形になってございます。
  63. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 ランプのところでループ、私も模型の写真があるんですけれども幾層にもループ状になっているわけですね。ここのループ状のところの設計速度は何キロぐらいですか。
  64. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 最低のところでは時速四十キロを予定いたしております。
  65. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 ループの最小半径は、じゃどうなっていますか。
  66. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 先にお示しをいたしました素案では最小半径は五十メーターでございましたけれども、今回お示しいたしました案では四十メーターになっております。したがって、その分だけ小さくなっておるというものでございます。
  67. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 道路構造令第十五条、ここに曲線半径というのがあるわけですね。ここでは、設計速度四十キロの場合には曲線半径は大体六十メートルだ。ただし、地形の状況その他特別な理由でやむを得ない箇所については五十メートルまでとなっているんですね。あなたの今の説明だと四十メートルで、道路構造令に合っていないじゃないですか。
  68. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) ちょっと詳細についてここの場では御説明できませんが、後ほど調査をして御答弁させていただきたいと思います。
  69. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 こういうことも調査をしなきゃわからぬというのはおかしな話なんですけれども、非常に無理な設計になっていると思うのですね。  中央道の上下線、これもどうも図面を見ると少し動かすようですけれども、動かすのですか。
  70. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 現在の計画では、最大で二十メーターほどシフトするということを考えております。
  71. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 また、城山トンネルですね、このトンネルのどは口から約百五十メートル奥で分岐が始まる、東側。とば口で合流して百五十メートル奥で分岐するのが西側。トンネルの中で合流とか分岐があるというのです。それでしかも、この設計速度は四十キロというのでしょう。曲線半径は道路構造令に書いてある五十メートルよりも少ない四十メートルでやろうということになっていて、非常に無理な感じがするんです。  八王子市議会で聞きますと、あなた方は説明で何か、道構令の特例を設けるなどという説明をしたというのですね、最小半径四十メートルだと時速を物すごく減速するかもしれない。どうも先ほどの四十キロというお話とも違って、八王子市議会では二、三十キロに減速するかもしれぬみたいな話もしたそうで、特例を設けるつもりがあるのですか、このトンネルのために。
  72. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) ごく部分的に特例を設けまして、そこで速度制限を加えて危険がないようにするというような事例は現在でもございます。その点で特例という言葉を使ったのではないか、こういうふうに考えております。
  73. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 これは工事は、中央道との接続があるので道路公団が建設するということを聞いているんですけれども道路公団との調整はつきましたか。
  74. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) この計画につきましては、現在地元に地元公共団体を通じて御説明をしている段階でございまして、まだ都市計画決定までに至っておりません。計画が決まりました後で事業の主体その他については検討することになりますが、先生御指摘のとおり、中央道をいじることになりますので、道路公団が一括してこの部分につきましては工事をするのが妥当ではないだろうかというふうに考えている次第でございますが、まだ決定しているわけではございません。
  75. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 私、去年の十月二日に道路公団の狭山調査事務所に行った。この模型を見に行ったんですが、そうするとジャンクションを新しいボール紙でつくってやっぱりやっていましたよ、今度のに似たものでしたけれども。あのとき我々が見たものは今度のものと全く同じじゃないけれども。それで小林所長は、これは道路公団でやるんだ、主事は少なくとも五年かかるだろうけれどもかなり難工事だと。私たちが見たのも、何層にもなっているんですね。四層の構造。つまり、中央道がありその上に圏央道が入りループが二つ重なりますから、全部で四層になるんですね。  先ほどの説明だと高さ六十八メートルというのだが、四層構造というのは工事をする側から言うととても考えられない、なかなかの難工事だと。しかも中央道は走っているんですからね、そのままやるわけでしょう。そういうふうに言っていましたけれども、今の、曲線半径まで道路構造令より小さくしているというようなことで、しかも四層構造だ、中央道を走らせたままやる。成算はあるんですか。
  76. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) トンネルの入り口で分岐をするというようなことは従来は考えられなかったと存じますけれども、トンネルの掘削技術が進みまして、現在ではそれは可能であろうというふうに考えております。そのように施工技術はいろいろな面で改善をされてきております。安全については十分配慮して、それで建設は可能ではなかろうかというふうに私ども考えております。
  77. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 説明によりますと、排気塔をつくるというのですね。それで、トンネル、高尾山のトンネル、城山トンネル、道路の下にダクトをつくってそこで排気を全部まとめて排気塔を、この模型には白くできているんですけれどもつくるというのだけれども、この排気塔の高さはどうなっていますか。また、これと大気汚染との関係ですね、あなた方の考え方を聞きたい。
  78. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 現在のところ、煙突といいますか、排気塔の高さは二十ないし三十メーターを予定いたしております。  それで、この地域でのいわゆる逆転層と呼ばれている層が夕方などにはできるわけでございますが、この層が大体三十メーターから百メーターのところでできるであろうといういろいろな観測結果が出ております。したがいまして、二十メーターなり三十メーターの排気塔からある程度のスピードをもって排気ガスを噴出させますと、この逆転層を突き抜けましてその上に拡散することができるだろう。その排出スピードであるとかあるいは煙突の詳しい構造であるとか、そういうものについては今盛んに検討をしておりまして、環境に影響のないような形で拡散させたいというふうに考えている次第でございます。
  79. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 建設省はこの二月の十日に環境アセスの中間報告を、八王子市議会の建設委員会との懇談会で報告されました。これはあれでしょう、中間報告なんだが旧来のジャンクションをつくった場合の環境アセスであって、新しい変更案に基づく環境アセスの中間報告じゃないわけだと思うんですが、物理的にそうなると思うんだけれども、今後この環境アセス、どうやって進めていくのか。それから今度の中間報告の性格をお答えいただきたいと思います。
  80. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 環境影響の問題につきましては現在調査をやっておりまして、その調査の中間的なごくまとめがこの前お示ししたというものでございます。  それから、この細かい数字につきましては、変更した後の案につきましてもある程度調査結果を積み上げでございます。そして今後は、この詳細なものにつきまして正式な手続でアセスメントの手続をとらせていただくことになります、都市計画決定に至りますまでの間には。その間にも、いろいろ各方面から御意見を聞いて、環境に対する影響が大きなものにならないようにいろいろな対策を講じていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  81. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 きょうはもう時間がありませんからこの中間報告を余り一々やれないんですけれども、影響はほとんどないと考えられるとかいうようなことになっているんですね。  私、去年の五月三十日に建設省へお伺いして、前の田中道路局長と高尾山問題をいろいろやったんですけれども、田中道路局長は、影響が全くないということは考えられない、影響ゼロということはそれはあり得ない、だからそれを最小限にすること、壊滅的打撃を与えないようにすることが我々の考えるところなんだと言うわけですね。あなたも、中間報告でこれからやるというんだけれども、高尾山にトンネルを掘ることによって環境に影響が全くないということは考えられないし、それを最小限にするんだと。やっぱり同じ立場ですか。
  82. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 今先生おっしゃいましたように、さわるわけでございますから全然物が変動しないということは理論的にあり得ないと思います。したがいまして、何らかの影響は出るわけでございますが、その影響を最小限にするようにいろいろな対策を講じていくつもりでございます。
  83. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 しかし、人間のやることですから大間違いが起きる。話は飛ぶけれども、アメリカのスペースシャトル・チャレンジャー、ああいうことにまでなるわけでしょう。これまででも、例えば富士山の道路についても、大丈夫だと思ってやってみたらあんなに枯れてしまって、もうああいうやり方はやらぬということを建設省も言わざるを得ないようなことがあるんですね。  全くないということはあり得ない、しかしそれは最小限にするのだと言ってやって、高尾山の微妙な生態系に必ず影響が起きて、それで取り返しのつかないことになったら建設省はどういう責任をとりますか。
  84. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 生態系の問題につきましては、御専門の方からいろいろ御意見を承り、またその方々で委員会をつくっていただいて検討をしていただいております。それの詳しい御報告も当然皆様方にお示しをして、皆様方でまた御議論をいただいて、生態系が大きく変わってしまう、今先生のおっしゃったようにめちゃめちゃになってしまうというようなことがないように十分な対策を講じていきたい、こういうふうに考えております。
  85. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 裏高尾反対同盟の山田事務局長は、新聞を見ると、いろいろ今度の中間報告について意見を述べておられまして、まず逆転層は五十メートルから千メートルあるということで、逆転層問題は大丈夫だということはない。それから風向きも、中間報告は谷を横切る風はないと書いてあるけれども、風向きも谷底に向かっていると。これはあそこに住んでいる人たちだから一番よく知っているわけだ。それから、樹木を一本切っても生態系全体には影響が出るのだということ。結局今度のは、トンネルを掘るためにそれを合理化するつじつま合わせだ、合理化しようとするものだと、非常に厳しい批判をしているんですね。  それで、これは反対同盟の方々も、みずからアセスをやろうというので大変な努力を払っているんです。建設省は、あなた方がおつくりになっている委員会などで学識経験者の意見を聞くだけでなくて、あそこにもう長年住んでおられる反対同盟の方々、みずから自主的にアセスまでおやりになっているわけですね、その反対同盟の方々や、それから、高尾山の緑を守ろうというので非常に懸命に研究もし運動もしておられる自然保護団体の実行委員会の方々とか、そういう民間の意見も、大事な問題であるだけにぜひ聞くべきだと思うんですが、ひとつ大臣、この仕事建設省としては進めようとしておられるんだが、ぜひ慎重にやっていただきたいんです。  よく言われていることだけれども、アセスにも計画アセスとそれから事業アセスというのがある。計画アセスというのは、この計画を実行したらどうなるかということを本気に調べて、計画そのものをやるとかやらぬとかということまで含めてアセスをやるというのが計画アセスなんですね。  事業アセスというのは、やると決めて、やるんだがなるべく影響を小さくしようというわけですよ。事業主体がやっているんだから今の建設省のアセスというのはまさに事業アセスなんで、しかし、民間の人々は計画アセスを望んでいるんですね。  そういう問題もあるので私どもは、貴重な自然であるこの高尾山の緑と環境を守るという観点で、ぜひこのアセスについては地元の住民団体それから自然保護団体、そういう民間の真剣な意見も建設省はまじめに聞いて、あなた方が調べたデータとやっぱり突き合わせて、本当に責任の持てる判断をしていただきたいと思うんですが、この点は最後に大臣に御見解と決意をお伺いしたいと思います。
  86. 江藤隆美

    国務大臣江藤隆美君) 東京外郭環状道路あるいは首都圏中央連絡道路というのは、これはもう関東の地図を開いてみましたら、極めて必要だ。高速道路がいっぱいこう延びてくるわけですから、それを半径十五キロのところを環状で結ぶ、五十キロぐらいのところを結ぶ。これはだれが見ても、この道路は社会的にも公共的にも必要であるということはもう言をまたないところだろうと思うんです。それだけに関係者、地域住民の希望は非常に大きい。  ところが、今度はそれの建設ということになりますと、例えばここの高尾山の近辺におられる方から見るといろいろ環境の問題等の疑問やら御心配がある。これはやっぱりある面においては私は当然だと思います。したがいまして建設省としては、まず東京都あるいは地元の市御当局、地方公共団体関係の意見を聞くというのはこれは行政上の一つの手続でございますから、それをよく相談をしながら、必要に応じて、関係の住民の皆さんの御意見を聞く必要があるならばそれは謙虚に 耳を傾けることであろう、こういうふうに思います。
  87. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 終わります。
  88. 山田勇

    山田勇君 今回のこの特例法は、主として地方の道路整備に資することを予定していると聞いております。さらに内需の拡大、地方の景気浮揚という観点からもこの事業執行には万全を期していただきたいと考えるわけですが、さて、地方の道路整備は当然のこととして、都市部の交通手段としての道路整備も緊急を要するものと考えます。  そこでまず、首都圏の道路整備考える際、環状道路整備がおくれていることを指摘しなければなりませんが、この点についての建設省の認識はいかかでしょうか。  さらに第二点は、都心部の環状線でなく、外側に東名、中央、関越、東北、常磐、各高速道路を結ぶ環状道路整備する必要があると言われておりますが、この点についての建設省の対応についてあわせてお尋ねをいたしておきます。
  89. 萩原浩

    政府委員萩原浩君) 先生御指摘のとおり、首都圏の都市機能の向上を図る基盤となります幹線道路網の整備に当たりましては、放射状、それと環状方向、この両方向を適切に組み合わせて効率的な道路網を形成する必要がございます。  東京都を中心として考えますと、従来、放射方向の道路整備を進めてまいりましたが、今後は環状方向の道路整備を進めまして、都心に起終点を持たない交通を環状方向で分散させる、こういう必要があろうと存じます。このような観点から現在、東京外郭環状道路、首都圏中央連絡道路等の環状道路事業をさらに強力に推進してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  90. 山田勇

    山田勇君 次にもう一点、これは御承知のように関西新空港の建設昭和六十七年度開港を目指して進められておりますが、これに関連しての道路整備についてお尋ねをいたします。  関西新空港が開港されますと、相当な交通量が予測されます。これに対応する道路整備計画はどのようになっておりましょうか。  さらに、関西新空港の関連道路整備について、現在の道路建設五カ年計画での位置づけ、また整備の優先度はどうなっているか、お尋ねをいたしまして、私の質疑を終わります。
  91. 江藤隆美

    国務大臣江藤隆美君) 先月の二十一日に国土開発幹線自動車道建設審議会を開きまして、そして関西空港の高速道路につきましては、これを建設線に実は格上げをいたしまして、先生おっしゃいますように、昭和六十八年の春に開港ということになりますので、これらのいわゆる大阪の湾岸道路、これから空港に行く関連道路、こういうものを全部入れますと、建設省道路から下水、公園住宅、約二兆一千億と考えております。これらは空港開設と同時にいささかもおくれを来さないように全力を挙げて、道路がなかったら空港は意味がないわけですから、絶対に完成させようというつもりで取り組んでおりますので、また応援方をお願いいたします。     —————————————
  92. 小山一平

    委員長小山一平君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、安武洋子君が委員辞任され、その補欠として内藤功君が選任されました。     —————————————
  93. 小山一平

    委員長小山一平君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 小山一平

    委員長小山一平君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  95. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、反対の討論を行います。  第一の反対理由は、本法案の観法となっている道路整備緊急措置法で定められている道路特定財源制度の問題であります。我が党は、従来から道路財源だけを優先的に確保するやり方ではなく、一般財源化して、国民生活の安定に振り向けるべきであると主張してまいりました。同じ公共事業でも下水道公園など、国民生活に密着しかつ緊急な整備が求められているのにもかかわらず、立ちおくれが目立ち、アンバランスが出ています。  第二は、本法案で予定しております補正予算額約二百九十九億円を含む六十年度道路予算の問題であります。高速道路を軸とした産業基盤整備のための道路網づくりが中心となっており、国民生活に直結した道路整備は国民の要求が最も強いのに置き去りにされたままであります。しかも、住居の立ち退き、環境の悪化、騒音、大気汚染の激化などなど、地域住民へはかり知れない犠牲が押しつけられてきました。当委員会で何回も指摘いたしました外環道路や圏央道などの例もその一つであります。  政府は、民間活力と言ってまたまた大企業のための道路づくり、首都改造と称してこれもまた道路中心の東京改造を進めようとしています。  第三は、自動車の拡大と道路建設拡大という悪循環が断ち切れないまま、ますますその矛盾が広がり、拡大している問題であります。モータリゼーションが助長される反面、鉄道を中心とした公共交通輸送機関の衰退が促進されています。不要不急の東京湾横断道路などは、採算問題とも相まって将来に大きなツケを残すことになりかねません。  以上、私は真に国民本位の道路投資、財源政策の確立を求めて、反対討論を終わります。
  96. 小山一平

    委員長小山一平君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 小山一平

    委員長小山一平君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  98. 小山一平

    委員長小山一平君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 小山一平

    委員長小山一平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十六分散会      —————・—————