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木本平八郎君 そういうふうなこともわきまえて、やはり余り理詰めでこういう、何もあるじゃないかとか、おまえのところもこうだとか、それからやはり基本的には外交なんかはレシプロカルというか、互恵平等というか、向こうがやってくれたらこっちがやるということできているわけですね。ところが、私はそれではちょっといかぬのじゃないか、少し
日本のギブ・アンド・テイクのギブの方を多くしないといけないのじゃないか。ここ数十年間かかるかどうか知りませんけれ
ども。そこまで卑屈になるかどうかは別にして、やはりそういう感情が基本にあるということを思って対処しなければいかぬのじゃないかと考えるわけですね。
そこで、この貿易摩擦の問題について、どういうふうに対処したらいいかということを私なりに考えるんですけれ
どもね。これはやはり総合的にアメリカの負担を減らす。彼らが今財政的にも行き詰まっているし、それで非常にいろいろな問題を抱えているわけですね。そうしますと、アメリカの総合的な負担を減らすということで貿易摩擦の、貿易インバランスもそうだと思うのですね、彼らにとっては非常に負担になっているから、これをとりあえず減らしてくれと言っているわけですけれ
ども。そういう点で、例えば防衛問題、シーレーンの問題とか防衛分担の問題ですね、今の内閣、非常にそういうこと熱心なようですけれ
ども、私はGNPの一%を突破するなんてとんでもないという考えなんですけれ
ども。しかし、それはそれとして、
日本が非常に敗戦でふらふらしていたときは、やっぱり核の傘の下にいて、親鳥がひなを抱えるようにして
日本を守ってやろうということで、アメリカもずっと努力してくれたと思うのですね。ところが、
日本がもう小錦みたいになってきたら、とてもじゃないが母親の手に負えない。手前のことぐらい手前でやれ、もう少し自分で分担しろということになってくるのは当然だと思うのですね。したがって私はそういうふうに解釈しているわけですね。
例えばODAの問題でも、これはどんどんLLDCなんか、悪くなっている国があるわけです。これをどんどん
援助しなければいかぬ。そうでないと共産化されるというふうな恐怖があるわけです。ところがアメリカとしては限度があると。その辺は
日本で少し肩がわりしろとか、そういうことがあると思う。
例えばLDCの債務超過、累積債務があって、もうパンクしそうだと。それを、これは後から申し上げるんですけれ
ども、こういうようなものもアメリカとしては
日本が肩がわりして救済してもらいたいと。口で言っているかどうかは知りませんけれ
ども、そういうふうなあらゆる——先ほどSDIの問題がけさほど出ていましたけれ
ども、私もSDIは余り好きじゃないんですけれ
ども、しかし、ああいう共同部な技術開発も、日米のそういう技術開発、基盤技術だとかそういったものもやっぱりどんどん共同して
日本が積極的に協力していくという態度。第二パナマ運河の建設なんかもそうだと思うんですけれ
ども、そういうふうな総合的にアメリカと協力して、アメリカの負担を軽くしてやるという態度、そういう姿勢を
日本が示していかないと、対等でギブ・アンド・テークだというふうな考え方だと、この問題というのは尾を引くのじゃないかと思うんですがね。その辺、いかがでございますか。