○菅野久光君 今、
大臣がおっしゃられたことは本当だというふうに思います。私も極めて残念だというふうに思うんです。
私はそれで具体的な問題について申し上げて
大臣の所見を伺いたいわけでありますが、
厚生省社会局の老人福祉
課長は、まだ老人福祉
課長になって一年そこそこのようでありますけれども、あちこちに行って老人福祉
関係者に講演をされております。あるいは行政説明ということでいろいろされている。例えば昨年の六月二十八日には青森県で東北ブロックですか、さらに十月三十一日には
群馬県で、また十一月十二日には東京のあるホテルでというぐあいにあちこちで講演をされている。あるいは行政説明という名でのお話をされている。私はその講演記録を全部読んだのでありますけれども、そこで読んだ感想を一言で言えば、非常に不快感を味わった。これが本当に福祉を担当する担当者であろうか、このような方が本当に老人福祉の大変大事なかなめの地位にいることはいかがなものかという疑問がわいてきたのであります。福祉
課長という特定の役職を私は言うと非常に残念なんですけれども、今老人福祉の問題が極めて大事な問題にかかっているだけに私は見過ごすことができない、そういうことで申し上げるわけです。
まず東京での講演では、福祉従事者に対していろんな講演をされているんですが、これは月刊「福祉
施設士」一九八五年の十二月号でありますが、日本福祉
施設士会発行のものですが、その中で「参加者からの感想 説得力に欠けた内容に失望」ということで寄稿されているその中で、「措置費
制度があなた方の目を曇らせた」とか、「奥の院に座っていて縁側の
役割もできないようではしょうがない」と、このような暴言を吐いているわけであります。確かに
全国に二千八百もある老人福祉
施設の中には問題があるところもあります。でも仮にも
厚生省の役人として、また一人の人間として公の場でこのような暴言を吐くことは、私はその人の教養を疑いたいと思うんです。これは「措置費
制度があなた方の目を曇らせた」というのは、後から具体的に言われていることを申し上げますけれども、また
群馬県での行政説明という名での講演では、これはのっけから老人福祉
施設の不正事件について訓辞的な話から始まっている。老人を食い物にした姓田商事事件の例を引用しながら老人福祉
施設について言及して、次のように述べております。
「
社会福祉、特に老人福祉
施設というのは餌がそこにたくさんあるわけですから、それを承知の相当に努力をしてくいものにした訳です。」、ここのところは何を言っているのかわからぬですが、「
やり方によっては狼の前にたくさんそういうのがいる訳ですから。くいものにしやすいわけです。であればこそ、いやしくも不正に類するようなことはあってはならぬ。」、これは
当たり前のことですが、「これは福祉人以前の問題として厳正に対処しなくてはならないと思っています。どうかそういったことを
施設同士の倫理としてぜひ確立願いたい。」と言って、「狼にいつでもなり得るということを頭に置いてもらいたいと思います。」というふうに訓示を垂れております。
そこで
大臣にお尋ねしますが、今引用した中で、
施設にはえさがいっぱいある、いつでもオオカミになれる。これはまさに
施設関係者を性悪説的なとらえ方ではないか。一生懸命まじめにやっている方々がこんな話を聞いて一体どんな思いをされているのか。それは私が先ほど言ったように、全くないとは言わない。しかし、それならば
厚生省は一体どうなのか。説教する
厚生省が今までに汚職その他で何も問題がなかったか。あったでしょう。新聞にずっと幾らも出ていますね。もっと同じ言うんでも物の言い方というのがあるんじゃないか、私はそういうふうに思うんです。
まず、この点について
大臣の所見をお聞きしたいと思います。