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黒柳明君 お金には印がついておりませんから、
我が国の円借款からリベートが払われたのか、あるいは商習慣として手数料として、コミッションとして払われたのか、これは調べてみなけりゃわからない。これは確かに
大臣の立場になりますとうかつな発言はできない、これはもう当たり前だと思います。ですけれども、どう見ましても今のこの問題というのは、一般商習慣の中で行われたものにせよ、今
大臣おっしゃったように、
日本の円借款にまつわる非常に不明瞭なうわさが立てられたこと自体がやっぱりうまくない。
さらにもう
一つ言うと、これが円借款に上乗せされたものであると、さらにこれはとんでもないものである、こういうことになるわけでありまして、しかも何かいろいろの、マスコミの活字と言っちゃ失礼ですけれども、そういう中においては、もうフィリピンについてはこんなのは当たり前なんだ、こういううわさ以上の信憑性があるものがどんどん証言として出ております。昨日、特別
委員会設置、それから証人喚問も与党・自民党はのむと。例の五十一年のロッキード、五十五年の航空機疑惑のときから、証人喚問については法的に疑義がある、法を直さない限りはもう呼ばないんだというようなことをおっしゃっていたわけですね、与党・自民党としては。ですけれども、経企庁長官のああいう発言が幸か不幸かそういう証人喚問ということまでも
合意ということになったわけでありまして、しかも、フィリピンの方ではすぐこれが始まると思いますよ、どんどん要するに実際の商社
関係を呼んで。
そうすると、今までの場合には、
国会でこれをやればいいんだ、こういうふうに
国会にげたを預けていましたけれども、今回は私はそうじゃないというような感じがするんですよ。やっぱり新聞に、あるいはテレビに報道された。これはあくまでも
アメリカ政府が、いわゆるソラーズに出した
文書の中に出ているわけですから、しかもマルコスのサインもきちっとあるものですから、だからこの真偽のほどというものはそんなに疑惑を持って見る必要はない。もう真実であること間違いない。であるならば、ひとつ
日本政府も、
外務大臣が、あるいは総理も積極的解明という御発言をなされるならば、やっぱり行動もこれに伴っていかないと、これはフィリピンの方からまたボールが投げられた、それから今度はソラーズ
委員長も秋には選挙がありますから、これはそれなりに真剣ですよ。ただし、私のあれするところ、向こうの
政府当局・司法省当たりはロッキードと全く次元が違いますからちょっとどうかなという感じがしますけれども、少なくともソラーズ小
委員長関係では真剣ですね。
そうなりますと、次から次からフィリピンから
アメリカからいろんな事実が出てきて、
日本ではそれを受けて立つというようなケースではちょっと今度はうまくないんではなかろうかというような感じが非常に強くするわけです。まして、これはこんなことないと思うんですが、野党も
調査委員会をつくりまして野党からどんどん出てきたなんといったら、私の方はそんなことやりませんよ、おとなしくやっていきますけれども、野党からいろんな問題が出てきて、
政府の方が何やっているんだということになりますと、それこそやっぱりうまくないんじゃなかろうか。これは
外務大臣がもう既にあれだけの積極発言をされましたから、もう各省と
政府がタイアップして徹底的にこの究明の方向にいっていると思います。それにしてはちょっとやっぱり、またフィリピンの方が先行するのかなというような感じがいたします。
どうですかな、
大臣、例えば疑惑として
指摘されたような業者なんか含めまして、その事実
関係というものを調べるというような、外務省は今までにない積極姿勢を示すというような考えはないですか。外務省が責任を持って円借款の窓口としてやった問題ですから、その責任を感ずるならば外務省が相当のところ、事実
関係はすべて司法当局に任せるんだということではなくして、できる範囲においては事実
関係というものをみずから認識していく、調べていくと、こういう積極姿勢が今回はあってもいいんじゃないかなという感じもするんですが、その点いかがでしょうか。