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井上(一)
分科員 さらにもう一つ。これは一番投資効果の悪いところ、あるいは問題の複雑なところを第一義的に事業認定として選択をしているわけです。これはもう非常にばかげたむだな発想であるし、こういうことをやっているから行革が必要だということになるわけです。私はむしろ今の数字を聞いて、千里中央から南茨木、門真、この八万九千人の乗降客、さらには、六十億円の追加投資でありますけれども、六百八十億円で、十年間で単年度黒字になり累積
赤字の解消は十八年間、二年間おくれますけれどもそういう
状況である、さらには、もっと今度は南茨木から荒本まで延ばした場合の九万七千人の乗降客、当然千里中央から門真まで、第一義的にこれを
考えるのが正しい
認識だと思うのです。そして、投資効果を
考えるなら、あるいはこの大阪モノレールのニーズ性から
考えても、なぜそこを選択しなかったか、選択の誤り。大阪空港から南茨木、あるいは現実には千里中央から万博までしか工事は着工していない、しかし一部開通もそれはできっこない。なぜかといったら投資金額の倍からの
赤字が出る。そうでしょう。あなた方の今積算をしている中でも、仮に六十五年に部分開通をしても、あなた方が私の方に資料として出したのが運賃収入十八億円で
赤字が単年度で三十三億だ。こんなばかでっかい
赤字、単年度で運賃収入の倍近い
赤字を出さなければいけない、千里中央から万博まで。なぜもう少し
考えて、南茨木さらには門真、荒本と、そのように仕組みを変えていかないか、軌道を修正していかないか。
五十二年の事態と今日とでは大きく変わっている。大阪空港の存続を私はここで議論するつもりは毛頭ありません。もっと都市
交通というものに効率性を加味していくべきである。公共性もさることながら、効率性をうんと加味しないと、これからの
交通行政だけにかかわらずすべての点においてこれは誤った判断を繰り返すことになるのだと私は思う。
そこで時間がありませんので、運輸
大臣、ひとつこれからはあなたにお尋ねをします。
三塚運輸
大臣については、その馬力あるいは意欲等については非常に高く評価をされている。私はまだ余りあなたに対して評価をしたりあるいはまた批判をしたりという、そういうポジションに、スタンスに立っておりません。期待をするところは大でありますが、しかしまずもって何事も過ぎることはよろしくない。過ぎることはよろしくないけれども、いろいろな
意味で全体をとらえて、そして何から優先して始めていくかお
考えをいただきたい。
今
指摘をしている大阪モノレールは、万博の跡地に対するいわゆる北摂、北部の人たちを中心にした千里から、さらには大阪空港から万博への外国人を含めたいろいろなそういう誘致施策、いろいろそれは当時としてよく
検討されたのだろうとは思います。そのことについては私は今批判をする気はありませんし、今も
指摘をしたように、大阪空港については藤尾政調会長が日航機墜落の問題で危険な
場所だという発言もしていらっしゃるし、あるいは
地元では一部この現空港を置いておいてほしいという声もあるでしょうし、いやこれは全く航空審答申に基づいて関西新空港が建設されたら
考え直してもらわなければならぬとか、いろいろな議論があるわけですが、私はそのことはきょうは申し上げません。この大阪モノレール、万博のところに車庫があるものですから、これは非常に立地的な条件で、私は、御承知だと思いますが、
国鉄、阪急、京阪、近鉄、南海、こういう京都、大阪間を東西に結ぶ鉄軌道を南北にこの大阪モノレールはつないでいくべきものであり、二十一世紀を
考えるならそれが国際新空港にも将来アクセスとして入っていくという、そこへ視点を当てなければいけないと思う。
幸いこれは私の友人である中山正暉君が中心になって、大阪市も大島市長さんも中心になって国際花と緑の博覧会が準備をされているわけなんですね、これは六十五年。そのときになぜ大阪モノレールを間に合うようにしないか。現空港からあるいは何らかの形で
国鉄、阪急、京阪、そういうことを
考えたらやはり即刻、六十一年度の事業予算に対しては都市計画審議会等で事業実施をちゃんと、手続上の問題はありますよ、あるけれども、なぜそういうことをやらないか。それが効果ある、効率のある
運輸行政だ。数字的にも、今お聞きのように、そうすることが採算ベースから
考えてもより効果があるわけでしょう。そんなことを
考えたら、今やっておることは金を使うだけ。今日まで投資をされたことがむだだとは言い切れませんけれども、塩漬けをそう長くするほど私は国家財政が
余裕があるとは思いません。財投資金も含めて、さらには内需拡大ということも含めて、さらにこの第三セクターが円高による利益を得ている電力、ガスも含んで資力においても民間資力も大いに活用できる、そういうところに視点を当てるなら、今建設省が答えているようなことでは満足な
答弁とは言えないし、これはもう運輸
大臣、まさにあなたの評価を私はこれにおいて問いたい。だから
現地が、現状がわからなければ、さっき行くところが多いのだなと私は思った、
大臣もお忙しいでしょう、しかしこれは説明を聞くだけで十分。そういう
意味で、新たな視点に立って六十一年度この問題、モノレールを南下させる、花と緑の万博に十分な足の
確保がこれによってなされるということが、まさに花と緑の万博を成功させる一つの手段ではないか。法案として出るわけだ。これを成功させたい。私は成功させることに全面的に協力したい。
そういう
意味からも、この大阪モノレールの今までの
認識、古い
認識でこんなもの取り組んでおったら大変なことになりますよ。
国鉄ばかりが
三塚運輸
大臣の仕事じゃありませんから、あなたは新たなこういう問題に対してしっかりと取り組んでいただけるのかどうか。今の、ただ
検討しますとかそういうことじゃなく、具体的に数字も建設省から聞いたのだから、そういうことについてちょっと……。