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佐藤(徳)
分科員 昭和六十年十二月六日の運輸
委員会で、我が党の
田並議員の
質問に対して、
国鉄の杉浦
総裁と監理
委員会の会長代理の加藤
委員が
答弁をしています。これも読んでみました。
実は、お読みになったかどうかわかりませんけれ
ども、二月二十八日に発行されました朝日ジャーナルに、「初公開 全国“駅前一等地”売り出し予定(面積単価)一覧 詐欺・土地転がしで始まった“列島”切り売り」という見出しで詳細に掲載をされております。それによりますと、東京南
鉄道管理局、西、北管理局、千葉
鉄道管理局、水戸、高崎
鉄道管理局の一ヘクタール以上の売却予定地のみを計算いたしますと、次のようになるはずであります。つまり発生面積、朝日ジャーナルでは処分面積と言っておりますが、先ほどの
プロジェクトチームの皆さんがやられている表現は発生面積と表現しているはずだと思うのであります。これは三百五十五・〇九ヘクタール、三十二件。不動産鑑定士によるもの、公示価格、不動産業者等による土地
評価を累計いたしますと、三兆八千二百十八億三千万円となります。仮にこの価額で売却したとすれば、
国鉄再建監理
委員会や
閣議決定をされました五兆八千億円を土台にいたしますと、残りは一兆九千七百八十一億七千万円という数字が実は出るわけであります。朝日ジャーナルの中身が正しいかどうかはわかりません。
今度は、朝日ジャーナルの資料ではなくて、私が入手をいたしました、大阪を中心にした資料によりますと、次のとおりになるわけであります。これは五十九年十月調べ、六十年
本社調べ、六十年十一月調べで、私の持っている資料では昨年の十一月調べで出ているようであります。これでいきますと、京都の梅小路、大阪の梅田(北)、吹田「信」、ですから信号所か何かだと思うのです。それから兵庫、これは神戸の駅前通り。それから同じ兵庫の加古川。高砂(工)とありますが、恐らく工場跡地だと思います。竜華「操」、これは操車場だと思うのであります。奈良、京都の二条、兵庫県の尼崎港、兵庫県神戸市の生田の湊川、兵庫県の西明石、東加古川、京都府の東舞鶴、西舞鶴、大阪の放天、さらに湊町、京都の福知山、それから兵庫の姫路。件名にして十九件であります。この分だけを計算いたしますと、
昭和六十年十一月、
国鉄本社用地
プロジェクトチーム用地
調査室の調べでは、発生面積が百八十六・三ヘクタールとなっています。ただし、これは梅田南の三・一ヘクタールが入っていない数字であります。同用地室で計算した売却
総額は三千二百九十九億四千万円となるのですね。その中で、例えば大阪の梅田(北)の場合、用地
調査室による
国鉄調べでは、これは六十年の十一月調べでありますが、発生面積二十一・○ヘクタール、単価は一平米六十一万四千円となっておるようであります。これを単純計算いたしますと、
総額で千二百八十九億四千万円となりますね。
ところが、ある不動産鑑定士に現地に行ってもらいまして調べていただきました。そういたしますと、依頼をいたしましたその不動産鑑定士に
報告をいただいたわけでありますが、一平米の単価は何と四百万円と鑑定されています。
国鉄というのは日本一の大地主であります。しかも駅前の一等地を皆持っているわけであります。その差は実に一平米三百三十八万六千円という考えられないような数字の開きになっているのであります。不動産鑑定士によっていろいろ計算の仕方があるでしょうけれ
ども、私が依頼をした鑑定士によればということを前置きしておるわけでありますから、そのように御理解いただきたいのですが、その不動産鑑定士による計算でいきますと、発生面積が二十一ヘクタール、単価一平米四百万円の
総額は八千四百億円になってしまうのですね。
国鉄調べの
総額と不動産鑑定士の調べによる
総額の差は七千百十億六百万円、まさに膨大な金額であります。
国鉄調べと時価の倍率は約六・五一倍であります。その差はお聞きなっておわかりのとおり驚くべき数字であります。
先ほど申し上げました売却予定地を合計いたしますと、
国鉄調べによる発生面積は百八十六・三ヘクタール、売却予定額三千二百九十九億四百万円となりますけれ
ども、不動産鑑定士による調べでは一兆二千八百四十五億二千万円となる計算なんです。これは梅田南を除いております。その差は何と九千五百四十五億八千万円でありまして、これまた驚くべき数字の差になっているわけであります。
そこで、関東と関西の
国鉄調べによる発生面積は、関東が三百五十五・〇九ヘクタール、関西が百八十六・三ヘクタール、合計五百四十一・三九ヘクタール、これは
国鉄監理
委員会と
政府の
閣議決定であります二千六百ヘクタールのわずか二〇・八%にしかすぎません。不動産鑑定士や公示価格で計算した関東、関西の
総額は五兆一千六十三億五千万円になるはずであります。したがって、監理
委員会並びに
閣議決定である五兆八千億円から、
国鉄調べによるところの関東、関西の発生面積を売却したと仮定した場合の先ほど申し上げた
総額を差し引きますと、その残額点六千九百三十六億五千万円になるはずであります。しかも二千六百ヘクタールの二〇・八%でこの額になるわけですから、二千六百ヘクタールを仮に全部売却をしたとすれば、
国鉄の
長期累積債務は計算上はゼロになるかもしれない。あるいは売却
総額が、推定でしか申し上げられませんけれ
ども、少なくとも十兆円は下らないんじゃないかというふうに私は判断をしたわけであります。そういたしますと、
国民負担分が十六兆七千億円ですから、仮に売却
総額を十兆円に抑えたと仮定した場合に、
国民負担分は十二兆五千億円に軽減をされる。つまり
運輸大臣が御
答弁された十五兆から十四兆に、あるいはもっと低くという気持ちがあって十五兆、十四兆という表現をなされたと思うのですが、
国民負担分、国が出す分はまさしく軽減をされるわけであります。
きょうのNHKの五時と七時のニュースで放送がありました。そしてすぐに私なりに調べたのでありますが、九段の靖国神社のそばの
国鉄の宿舎跡地を売却いたしましたね。発生面積は五百七十四・八九平方メートルであります。単価は一平米一千八十九万円、
総額にして、私の計算でいきますと六十二億六千五十五万円、落札者はあしたの新聞に出るでしょうけれ
ども、新光産業株式
会社、これは貸しビル業であります。それで十一社で競争入札、これは大体テレビも放送しておりましたけれ
ども、妥当な価格で売却したのではないか、こういう報道であります。東京の跡地というのはかなりあるわけですね。
そこでお尋ねをいたします。時間も余りありません。
本社用地
プロジェクトチームの用地
調査室で既に調べ上げた資料というものを速やかに国会に提出をしていただきたいと思いますが、
大臣、いかがですか。