○滝井
公述人
田川市長の滝井義高でございます。
予算委員会の諸
先生方には日夜国政に御尽力をいただいておりますことを心から感謝を申し上げたいと思います。
なお、本日こうして
公述の機会を与えていただきましたことを非常に光栄に存じます。
御存じのように、
昭和六十一年度
予算を
政府が編成をいたしましてから二つの大きな荷物を背負ったと思っております。
一つは財政
再建という荷物です。
一つは内需拡大という荷物でございます。
で、財政
再建という荷物は、今も諸
先生方がお述べになりましたけれども、「増税なき財政
再建」、しかも六十五年までには赤字国債をゼロにするという、この非常に難しい命題を解決することに今取り組んでおられるわけです。しかし我々が、
地方自治体から
政府の財政
再建の姿を見てみますと、例えばことし一兆円以上の国債の減額をやらなきゃならぬのに、それがわずかに七千三百四十億しかできなかった。その七千三百四十億の中で赤字国債というのは四千八百四十億であった。そうなりますと、六十二年度には一兆三千百億だけ赤字国債を減額しないと五兆二千四百六十億の現在の赤字国債をゼロにすることはできないわけです。今まで一兆三千億も赤字国債を減らした実績がないわけです。そうなりますと、この「増税なき財政
再建」、六十五年度赤字国債ゼロというこのにしきの御旗というのは極めてうつろな、いわば迷路に入ったという感じが濃厚でございます。これが財政
再建に対する
一つの私たちの、
地方からの見方でございます。
もう
一つ、内需の拡大です。今年度
予算編成に当たって内需拡大で大きな二つの柱が立ったと思っております。
一つの内需拡大の大きな柱は、大型プロジェクトの実行をやろうとすることになりました。その大型プロジェクトのまず第一の典型的なものは東京湾の横断道路です。一兆一千五百億ですか、横断道路でございます。果たしてこれでうまくいけるかどうかということについても問題があります。もう
一つは、四国にはもう三つの橋はかける必要はないと、土光臨調では
一つでいいじゃないかと言うのを、もう一遍今度は明石海峡大橋をかけることになって、これが六千百億くらいになりますか、こういう二つの大型プロジェクトを実行するわけです。これは同時に中央集権的な公共事業の形をとってくるわけですが、まずこれでうまくいけるかどうかということについても問題がございます。第二にとった
政策は、御存じのように公共事業をずっと削ってまいりました。マイナスシーリングにしてまいりました。そこでこの際、量的な公共事業の拡大をやる必要があるというので、財政投融資を使って公共事業の拡大を企図したわけです。
こういう内需の拡大を二つやったわけですが、これで一体四%の経済成長ができるかどうか。民間の
調査機関その他はせいぜい二・五%から三%程度である、こういう形になってきたわけです。いわば我々
地方自治体から見ますと、
政府は今、財政
再建というのは非常な迷路に入ってしまった。この中で一体これからの未来展望をどうするかというと、二つの選択がある。
一つは国債を減額をし、同時に
予算総額の四割を占める歳出を思い切ってなお削り続けるこの道を歩むか、もう
一つは、思い切って
政策転換をして、今
渡辺さんもお述べになったように、この際思い切って減税措置をやる、そうして同時に、それに組み合わせて増税措置をとるか、この二者択一に今迫られておると思います。もちろんその間いろいろ中間的な組み合わせがあるが、大きく分ければその二つだと思っております。
そういう中で一体、
地方財政というものはどうなるかということを見ていってみたいと思います。時間の
関係がありますから、端的にそのものずばりで触れてみたいと思いますが、昨年は諸
先生方も御存じのように、我々の
補助金を一〇%カットしました。二分の一以上の高率
補助を一〇%カットしたわけです。カットの仕方というのは、奨励的なものを削るとたくさんしなければなりません。しかし、一番カットして効果があるというのは社会保障とか
文教とかという、いわば
国民生活に密着したものをずばっと削れば何千億というものが浮いてくるわけです。したがって、
生活保護や老人福祉や
障害者福祉というような大きく
補助金がついている、しかも高率の
補助をずぱっと切りましたから、昨年は五千八百億を切る乙とができたわけです。その五千八百億を私たちは立てかえをしました。四月の一日、二日になりますと
生活保護費をやらなければならぬ。
生活保護費を私の方の市では一億八千万ぐらい銀行から金を借りて払ったわけでございます。そうすると、利子がつくわけです。一億以上の金を一カ月借りたらもう百万ぐらいすぐ利子がつくわけです。こういう形で私たちの自主財源を借りかえて、そうして国に立てかえてきたわけです。そのときに
政府が私たち
地方自治体に約束したのは、これは一年限りですよ、一年限りじゃ、こう言った。だから私たちも、市民に出す
補助金は一年限りだということでずばっと一割カットして、例えば福祉団体に出す
補助金を、五万円を五千円削って四万五千円やって
予算を組みました。
一年限りだと思っておったら、六十一年度
予算編成に当たって、諸
先生方も御存じのように、さらに広範にわたって
補助金を削減することになりました。標準は二分の一、
生活保護のような重いものは十分の八を十分の七とか三分の二にする、そのほかのものは三分の一だ。ざあっと削ったわけです。したがって、
地方財政に一兆一千七百億の財源不足が出てきました。この一兆一千七百億の財源不足、我々はこんなことはだめだ、反対だと言いました。しかし、これは大蔵大臣や厚生大臣や自治大臣が相談をし、その下につくった諮問機関がまあこういう方向でと言うからこれでやるんだ、こういうことで、これが今度は暫定的に三年間だということになりました。一年間というのがまた三年間延ばして、これは四年間になるわけです。
そこで、一兆一千七百億の財源不足をどのようにしてカバーしてくれますか、こういうことになる。カバーが決まらないわけです。そうしたら、いよいよ
予算編成の終わる間際になりましてから、まず第一にたばこ消費税をおまえたちは一本一円ずつ取れ、こういうことになったわけです。たばこ消費税を一本一円ずつ取りますと二千四百億上がってくるわけです。二千四百億のうち千二百億は国が取って、千二百億私たちが取ります。その国の取る千二百億はおまえたぢの財源である交付税交付金に特例交付金としてぼんと入れてやる。あとの千二百億はおまえたちがそれぞれ自分のところで取れ。まあ私のところは人口六万ですけれども、二億八千万ぐらいたばこ消費税をいただいておりますが、それで二千万円加わるわけです。そうすると、一兆一千七百億から二千四百億を引くと九千三百億の金が残るわけです。これはどうしてくれるか。これは借金でいけ、
建設地方債を出して借金でいけ、こうなるわけです。そうすると、私たちはまた借金をして利子を払わなければならぬことになったわけです。これが一兆一千七百億に対する国の措置でございました。
そんならどんな問題が起こってくるかといいますと、まず一年限りですと言ったから、私たちは一年限りとして
地方財政を組んだわけです。そうしたら、五千八百億の二倍になるようなものをまた三年やるわけです。そうすると、私たち
地方財政というのは全く見通しが立たぬわけです。その日暮らしだ。全く見通しが立たぬ。これが
一つです。
二番目は、今度はたばこ消費税を二千四百億くれるから、三年間くれると思ったら、たばこ消費税は一年限り、六十一年一年限りですよ、こう言う。それじゃ六十二年、六十三年はどうしてくれるか。それはまだわからぬ、今からやる、こういうわけです。そうすると、一年限り二千四百億はくれますが、あとの六十二年、六十三年は皆目わからぬわけです。そうしたら一体、
地方財政はどうやって長期展望に立った住民の幸せの政治をやれますか。全然できないわけですよ。これが
一つです。
もう
一つ、三番目は、九千三百億の
建設地方横を借れ、こういうことです。御承知のように
地方財政は、起債率が二割を超えますと起債の制限があるわけです。現在、三千三百の
地方自治体の中で二割を超えるものは二五%あります。八百二十の自治体が二割を超えている。私たちのような産炭地は全部軒並みに二割を超えているわけです、起債制限を受けるわけです。そうすると、九千三百億を金を借れといったって、金を借れない場合が出てくるわけです。この分は一体どうしてくれますかというと、皆目わからないわけです。こういう形になってまいったわけです。こういうように
地方財政は、その日暮らしの、まさに国が
政策を毎年猫の目のように変えるたびごとに翻弄される、風にそよぐ一本のアシの姿になってしまったわけです。
そういう中でもう
一つ出てきたのが、中曽根さんが、春には減税案をつくり、そして参議院の選挙が終わった秋には増税案をつくる、こういうことをおっしゃいました。今もお話がございましたけれども、減税をやる場合には何を減税をやるかというと、所得税と法人税の減税をやる。内需の拡大をやるとすれば、購買力、個人消費を拡大するとすれば、松永
先生が言われたように賃金を引き上げる、あるいは財界もこれは引き上げなければならぬと言い始めたのですが、引き上げて減税をやれば最高です。購買力がぐっとある程度ふえる。
ただ、日本の経済構造が輸出型の構造であり、貯蓄型の構造であるところに根本的に問題がありますから、そういうところにもあるいはメスを入れなければならぬかと思いますけれども、とにかくそういう形にやってもらわなければならぬと思いますが、そのときに法人税と所得税を減税をして、そしてマル優、少額非課税貯蓄の課税あるいは大型間接税の課税をやった場合にどんな影響が
地方自治体に出てくるかというと、御存じのように私たちの
地方自治体は、国の
予算総額の中でも国債費と交付税というのはいわば聖域のようになっておるわけです。法人税と所得税と酒税の三二%は我々の自主財源です。ところが、それを国が、自分たちが財政が苦しいとか、内需を拡大しなければならぬという理由だけでぼんと法人税と所得税を引くと、三二%ががたっと減る。二兆円をしたら六千億以上の金が我々に入らなくなるわけです。そうすると、今のように細切れにたばこ税をくれたり、それから先はわからぬという中でまた減税をされたら、
地方財政はもうお先真っ暗です。やっていけない、こういう形になる。
そういう主張をしますと、滝井君、我々国は六十一年度末に百四十三兆の赤字を持っておるぞ、おまえたちは六十兆じゃないか、半分じゃないかと
地方財政金持ち論、裕福論が出てくるわけです。ところが、これはマクロでいけばそうですけれども、個別的な自治体でいけばそうではないわけです。給料を高くやっておったって赤字のところは幾らでもある。給料がいいからその町は金持ちかというと、そうじゃないわけです。だから、個々に国の財源というのは税金ではっと取りますが、私たちは税金では取れない、三割しか税金で取れないのです。したがって、国がそういう形でいろいろのことをおやりになって、そのツケを全部私たちに回すということは非常に困るわけです。だから、
地方財政裕福論というのは、これはまさに数字のトリックにしかすぎないという点でございます。したがって、ぜひ
生活保護を削ることだけはやめにしてください。これは国の責任をもって全国的に統一してやるべきもので、ほかのものをもとに直さなくても、これだけは直していただきたい。それてどうしても減税をおやりになるというならば、そのときには間接税を国と
地方自治体が配分する形をとって、
地方財政に不安のない形をぜひやっていただきたい、これがまず第一点です。
それから第二点について、次は、日本が高齢化社会を迎えます。特に、
地方自治体で一番苦難の道を歩んでいるのは
国民健康保険財政でございます。これについて少しく
先生方の御理解を得たいと思います。
御存じのように、六十年度
予算編成においても六十一年度
予算編成においても一番削られたのは厚生省でございます。ことしは一兆円以上削られました。最前いろいろお述べになったように、厚生年金を延ばしたり、老人の
負担を削ったり、いろいろやりくりをして一兆円以上厚生省の自然増を削って、二千億ちょっと許してくれたわけです。そういう中で
国民健康保険もその影響を受けました。
国民健康保険を取り巻く客観的な情勢を見てみますと、まず第一に、日本が急速に高齢化社会になるということです。経済大国の日本は、同時に老人大国日本になるということです。現在でも六十五歳以上の人口が千二百四十一万でございます。過疎地の田舎で
国民健康保険を営々とやっているところは皆二八%から二〇%、どうかしたら二五%になって高齢化が進んでおるわけです。しかも、高齢化になりますとどんどん病気になります。先日我々の地区で身体検査をやったのですけれども、もう六十五歳以上というのは七割以上が何らかの疾患を持っているわけです、したがって、どんどん医者にかかってくる。いわゆる高齢化社会というのはそういう形で出てきます。
二番目は、健康に対する価値観が違ってきました。価値観が多様化しましたけれども、財産が大事ですか、趣味が大事ですか、仕事が大事ですか、愛情が大事ですか、健康が大事ですかと言ったら、健康がトップです、七二%。財産なんというのは二%しかない。いかに健康が大事か。したがって、みんな医療機関に自分が病気になったときはすぐに行って、検査なんかを受けるという形ができるわけです。もう
一つ、医療の形態というのが薬学においても、それから機器においても、技術においても非常に高次医療になってきたわけです。高度に高い医療をやることになってきたわけです。
こういうように高齢化社会がやってきて、そうして同時に価値観が変わって、医薬品や医療機器、医療技術が進んだわけですが、同時に疾病構造が違ってきた。僕らが
学生のころは下痢、腸炎、肺炎、結核というような、こういうばい菌によって感染するものだった。ところが、今はばい菌とは
関係ない、いわゆる高血圧、糖尿病、がんというような、こういう成人病になってきた。これは非常に金がかかるわけです。治療に時間がかかるわけです。こういうように
国民健康保険を取り巻く社会
環境ががらっと変わってきました。
そうしたならば、その変わった我々の健康と生命を守るための医療体制というのがどうなっておるかというと、まず医療を供給する側です。
医療を供給する側は病院と診療所があります。今ぐっと病院がふえまして、多分、病院は九千五百ぐらいあると思います。診療所は七万八千五百ぐらいです。ベッドが、病院が百五十万、診療所が二十八万です。そういうように全国的に医療の
一つの組織ができてきたわけです。ところが、老人がどんどん病気になるので、厚生省は、そういう病院、診療所だけではだめだ、ここにもう
一つ中間機関をつくる。すなわち、特別養護老人ホームと病院なり診療所の間に中間機関をつくって、そうしてある程度診療もやり、養護もやる、いわゆる毎日の預かりをやったり、そこに入れて介護、養護をするというような中間機関をつくることになってきたわけです。
ところが、大変問題になってきたのは、
大学が各県にできて、今
大学が八十あります。八十
大学があって、八千三百人ぐらい卒業するわけです。今地域に行って開業することがやられなくなった、できなくなった。全部病院に入っているのです。昨年は既に御存じのように開業医よりか勤務医の方が多くなってきた。開業医の平均年齢六十一歳です。私のところでは救急医療ができなくなった。土曜と日曜はみんな医者が朝からあるいは午後から行って泊まるわけです。そうすると、六十、七十の医者ばかりになりますと救急医療ができないのです。どうするか。小児科と外科をやらなければならぬですから、
大学から来てもらう以外にないわけです。地域ではできない。そうすると、地域の医療というのは地域の医療機関でやらずに、サラリーマンが来て診てくれるんだったら、命を預ける、健康を守ってもらうということに対して危機感が起こるわけです。こういう形になってきた。
すなわち、医療の供給体制は、
大学ができ、医者はふえたけれども、それが田舎に来ずに
都市に集中し、そうして開業医は日本の高齢化社会と同じようにだんだん高齢化して、救急医療体制さえ保持することができないという形になってきた。これが
一つです。
それから医療のいわば供給体制、需要体制。需要体制というのは保険
制度、保険証の側です。これをまたごらんいただきますと、今大きくいって五つあります。政管健保と組合の健保と船員、それから共済組合が四つあります。やがて
国鉄その他がなくなると
公共企業体がなくなるわけですが、四つあります。そして
国民健康保険と、大きくいって五つある、日雇いは健康保険に吸収されましたから。こういう形であるわけですが、この中で行政
改革というのは
制度を簡素化するわけですが、厚生省のとった
政策は複雑でわからぬようにしてしまったわけです。
どういうようになったかというと、まず、私たちが共済組合なり健康保険をやめますとどこに入るかというと、
国民保険に入るわけです。したがって、
国民健康保険は一番お年寄りが入ってくるわけです。医療費がうんとかかります。そして担税力が少ないわけです。そういう
国民保険に入るわけですが、その赤字を解消するために
政府は
国民健康保険の中からまず老人保健というのをつくりました。七十歳以上の老人は、これは四百円払う。これからまたことしは高くなるわけですが、四百円払う。それでも赤字ができるので、年金証書を持っている、退職金をここに持ってくる、退職者医療を持ってきたわけです。したがって、渡り鳥保険になったわけです。若くて元気なときは健康保険あるいは共済組合、そして年をとって退職すると
国民保険、六十になると退職者医療、そして七十になると老人保健、生涯を通じて渡り鳥になっていくわけです。こんなばかげた
制度があるかというのです。行政
改革をやったら簡素化しますというのに、ますますわからぬようにしてしまったわけです。よほど専門家で勉強しなければ全部わからぬです、これは。そして医療費の分析も非常に難しくなってきたのです。
したがって、厚生省の専門家でも、四百六万人年金を持っておる人がおるから^それが四百六万退職者医療に行くと言ったら、どういうことになったかというと、二百六、七十万しか行かなかった。百四、五十万は
国民保険に残ってしまった。そのために三千億ぐらいの赤字が私たちの
国民健康保険に出てきた。それを厚生省と意思統一をして二千八十億でまけよと、二千八十億にしておいた。その二千八十億全部厚生省が出してくれるという約束だったところが、六十一年度
予算を終わってみたらその三分の二の千三百六十七億だけをくれて、あとの八百億ぐらいはどうなったかわからぬ。したがって、
国民健康保険は今のような取り巻く情勢で複雑になったばかりじゃなくて、お年寄りを全部入れてどんどん医療費が上がるわけです。普通の人は十万円しかかかりませんよ。しかし、お年寄りになると五十万、六十万かかるわけです。一千万ぐらいの高度医療はざらです、一人で。どんどんかかるわけです。そしてそれと高度技術が結びついたわけです。高齢化社会と高度技術が結びつくところに今日の日本の医療費の増大の原因があるわけです。
学者の
意見によると、今GNPの五%です、医療費は。しかし二〇〇〇年になると一七%になるのです。今、日本は、説とそれから社会保障とで六十一年の一番新しい大蔵省の統計で三六・一%です。それが四五%か五〇%、西欧諸国は五三とか六二とかいっておるけれども、五〇%以下にしたいというのですが、高齢化社会と高度技術が結びつくとこれはもう五〇をすぐ突破してしまうのです、ここ十四、五年のうちに。こういう状態になっている。それでもなお
制度を複雑化していくのか。これはもうとてもだめです。
それならばここで思い切って——非常に貧しい人で、しかもクロヨンという中小
企業者、農民の税金は捕捉しにくいわけですから、そういうもので
国民保険を賄わしておったのでは、
国民保険はもう百年河清を待ってもつぷれるのです。うまくやれない。そこでこの際私は国会の諸
先生方に
お願いをしたいのは、六十五年の後半には自由民主党の政権政党もやるとおっしゃっているのですが、やはり社会保険の一元化をやる必要があるのです。そして一元化をやって、税金を取りにくいわけですから、これは福祉
目的税、今の間接税のようなものを福祉
目的税としてやる必要があるのです。年をとる、そして病気になるというのは選択を許さないのです。おれは年をとりたくない、おれはがんになりたくないと言っておったって、がんになるわけです。しがって、選択を許さない。しかし、対外援助や防衛費は選択することができるのです。選択することができるものを選択をせずに、選択できないものを選択する政治というのは、私は間違っておるのではないかと思うのです。こういう点についてぜひひとつ、今直面する日本の社会保障の危機について英断を持って国会として、私たちの
地方自治体が安心をして住民の健康と生命を守り、
地方財政の運営ができる形をつくっていただくことを心から
お願いをして、私の
公述を終わらしていただきます。ありがとうございました。(拍手)