○稲葉(誠)
委員 先生方のお話をお聞きをいたしましていろいろ感じたわけでございますが、以下申し上げることは全く私の個人的な
意見を
中心とした質問でございますので、その点、党との
関係は全くない
意見だというように御了解願いたいわけです。ということは、私の言う
意見は非常にトラスチックだというふうに言われておりまして、大分批判をいただいている
意見なものでございますから。
率直に申し上げまして、この
法案につきまして
国会の
審議が不十分だというふうに私は思うのです。
法案ができた、そして提案をした、早く通してくれというのが今までの
国会の類型なわけですね。こういうやり方はよくないわけで、それは
立法府自身がもっとしっかりとした体制をつくって慎重に対処しなくてはいけないというのが私の考え方なんです。そういう点についてはこれは足りないのです。
しかし、それはそれといたしまして、三ケ月先生が最後に結論として言われましたように、葬り去ることが賢明だというふうに私は考えておりません。この段階でこの
法案を通して、そして将来の出発点としていくということ、これはいいことだ、こういうふうに考えておりまして、私どもの方はそういう態度で進んで
法務省当局を一安心させた、こういうことなんでございます。
そこでお聞き申し上げたいのは、
竹内さんは
日弁連の
責任者という形なものですから、何といいますか、いろいろあったかと思いますけれども、私は
根幹にかかわる問題だというふうには考えないのですよ、この問題を。別にどうということないじゃないか。何がどうして
弁護士の
根幹にかかわる問題なのか、私にはよくわからないのです。そう考えること自身に
日弁連の、形は進歩的でありながら極めて保守的な性格というものをあらわしておるというのが私の理解の仕方なんです。しかし、これは御答弁は求めません。
それから、この問題で名称にどうしてそんなにこだわるんだろうかというんですよ。
外国法事務弁護士ですか、何でこんな名称を使うのか。この
法案ができたらこれを英語にしてアメリカに渡すんでしょう。この
外国法事務弁護士というのは一体どういうふうに英語に訳すのかと僕は聞いたんですよ。そうしたら、これはローマ字で書くんだと言うわけです。そんなことになぜこだわるんだろうかな、到底私にはわからないのですよ。ここら辺のところは極めて納得がいかないのですけれども、まあそれはそれといたしましてお答え願えればと、こう思うのです。
それから、
濱田さんの御
意見等をお聞かせいただきまして、私もそのとおりだ、こう思うところが多いんですけれども、
弁護士業務への
影響といったところで、これは実力のある人には全然
影響ないんじゃないですか。実力のない人には
影響があるんであってというふうに私は考えている。私の友人にも
渉外弁護士がおりますが、アメリカやカナダに留学して、先生のところも恐らくそうだと思いますが、若い人をどんどん向こうへ留学させましてやっておられますね。そういうふうなことから見て別に
影響なんかないんじゃないか、こういうふうに思うのです。そこで問題は、結論として、「実力で
外国弁護士に対応していくしか有効な方法はありません。」と書いてあるのですが、ここに
外国弁護士と書いてあって、
外国法事務弁護士とは書いてないわけです。だから、こういう名称は私はどうもおかしいと思うのですが、それは別として……。
それから、
司法試験の合格者数をふやすと言うんですけれども、問題は、司法修習生というものを国費であれするわけでしょう。そうしてそれの八割ぐらいが
弁護士になっちゃう。
弁護士になる者に対してなぜ国費を出す必要があるのかというのが大蔵省の言い分なんですよ。だから、三ケ月先生がおっしゃいましたように数をふやすといっても、これは徹底的に大蔵省が
反対するわけです。そうすると、法曹の一元化という問題になってくる。どこかに出ていましたが、田中英夫先生の御
意見などでも、法曹一元化というのは検事の場合は全然別にして考えなければいかぬという御
意見がありますね。私もそういうふうに思うのですが、いろいろなことが考えられるのですけれども、これは実際問題としてはなかなか難しいとなってきますと、
法律事務所の
組織化、
専門化というようなものをもっともっと広げていかなければいけないんじゃないか。これはもう要するに実力の勝負だと思うのですよ、政治家も実力の勝負ですから。結局そういうふうにならなければいけないんで、それが
弁護士の
仕事だと私は思うのです。それをいろいろ
保護してくれとかなんとかということはちょっと私には理解できないのです。
先生の言われた最後のところで、「
立法府や行
政府にお願いして、私の
意見の陳述を終わります。」というんですが、
立法府に何をどういうふうにされるのか。ここに書いてあります
法人化の道の問題とか税制上の
措置の問題とかそういうふうなことを言われるのでしょうか、もう少し具体的にそこら辺のことをお話をお願いをいたしたいというふうに思うわけです。
それから、三ケ月先生のお話を承っておりまして私は私の考え方が間違っておったような感じがいたしましたのは、私はこの
法案が
政府の提案で出たというところに逆に疑問を持っているのです。
日弁連が
自主性があり自律性があるならば、なぜ
日弁連だけでこの
法案をつくって、
立法府へ持ってきて議員提案として出なかったのか。
政府が介入してできたというところに、
日弁連というものがまだ完全な
自主性というか自律性というものを持っておらないのではないかというのが私の今までの理解でしたけれども、今先生のお話をお聞きいたしまして、私も
弁護士法やその他、沖弁のときや何かが議員
立法で出たということの
経過を大体わかっているのですが、GHQとの
関係で
弁護士法が議員
立法で出たということはわかっていなかったものですから、私の考え方があるいは間違いであるかとも思ったわけなんですが、
政府提案の形で出たということを三ケ月先生が評価されていらっしゃったようなのは私にはよくわからない点なんですね。そこら辺のところをお聞かせ願いたい、こう思います。
それから妥協の産物であることはこれは間違いないわけですが、線の引き方の問題で私はもっと
自由化しろという個人的な
意見なんです。もう十年、二十年たったらもっと
自由化になってきて、
日本の
法律制度というものは、
制度といいますか何といいますか、全体が非常に大きく変わっていくんじゃないかと思う。また変わらなければいけないんじゃないか、こう思うのです。それにさっきの
司法試験の問題やなんか絡んでくるかとも思うのですけれども、もっと
自由化してもいいんじゃないか。これは全く個人的な
意見で一笑に付される
意見なんですし、
反対が強い
意見で、言わない方がいいと思うのです、誤解されると思うので言わない方がいいかもわかりませんけれども、私は、
日本の
弁護士はアメリカへ行ってアメリカの法廷に立ってもいい、アメリカの
弁護士が
日本の法廷に立ってもいいじゃないか。しかし、それはその国の母国語でやりなさい。
法律は民訴にしろ刑訴にしろ、もちろんその国の
法律に従うのは当たり前ですけれども、母国語でやりなさい。母国語でやるならば、そのくらいのことまで将来認める方向に行くんではなかろうか、こういうふうに思うだけの話で、そういう
意見を持っているという意味じゃございませんが、そういう方向に進んでいくのではなかろうか、こういうように思っておるくらいなんです。ですから、もっと
自由化の方向に行くんじゃないかというふうに考えます。そういう点についてお話し願いたいと思います。
それから、
日本の場合は、
弁護士自身が自分で自分の
活動範囲を狭めているわけですよ。これは法廷へ出てやるということを
中心にいたしまして、その前の段階でいろいろな相談を受けたりなんかするということについて積極的に
活動しないですね、
日本の場合は。それが使命感のあらわれの一つの象徴かもわかりませんけれども、そういう点で
日本の
弁護士がみずから自分の
活動というものを狭めておるんじゃないか。例えば、会社の設立なら設立というのは
法律行為ですから
弁護士がやらなければならないのを、
弁護士がやらないでほかの人がやっているという行き方があるわけですからね。そこら辺のところを
弁護士自身がもっと自分の
活動範囲というものを広げていく必要があるのではなかろうか、こういうふうに思うわけで、これは
竹内さんなり三ケ月先生にもお話を承りたいというふうに思うわけです。
それから
濱田先生にもう一つお聞きしたいのは、実際に渉外事務をやっておられまして、今どういう点について一番お困りになられるか、どういう点を最大の当面する関心事としてお考えになるかという点についてお伺いをさしていただきたい、こう思います。
それから
小倉参考人にお聞きいたしたいといいますか、これはむしろお願いなんですが、私は率直に申し上げまして、普通の
弁護士と言っちゃ語弊がありますけれども、渉外
関係の
弁護士さんよりも、むしろ
小倉さんたちの
商事法務研究会の経営法友会といいますか、各会社の法務室とかそういうものがありますね、そういうところの方が非常に
資料も豊富で専門的に研究しておられて、ある特殊な部門ではその方が非常に知識も豊富だし
資料も豊富じゃないかというふうに思うのです。一部分は、例えば「商事法務」に出るとか「NBL」に出るとかなんとか一部に出ますけれども、そういうふうなものがしまっておかれちゃって、これは
企業ごとに持っておるわけですから、これは自分の会社のあれですから出すわけにいかぬ場合もあるでしょうけれども、そういうのをセンターか何かつくってもっと開放していかないと、
日本の将来の全体の体制といいますか、それに対処できなくなってくるのではないかというので、もっとオープンに出せるものは出してどこかでまとめてやっていただきたいというふうに考えますし、それからクライアントに対する
サービスの問題、チームの問題、確かにそうですね、これは
日本の場合足りませんから、そういう点について
小倉さんのお考えをお聞かせ願いたい、こういうふうに考えております。