○武部
委員 参考人の皆さんには、大変お忙しいところをありがとうございました。
先ほど来いろいろと同僚
委員から今回の
円高及び
原油の
値下がりに伴う
差益の
還元について具体的な数字を述べての
質疑が行われ、答弁がございましたが、私もまず最初に、この問題から入っていきたいと思います。
問題は、
還元額の算定の基礎をどこに求めるか、ここで数字に非常に大きな食い違いが出てくるのではないだろうか。今、
新聞報道その他でいろいろと
金額が出ておるわけでございますが、それは、六十一年度のこれからの
原油の相場の推移なりあるいは円レートの見通し等に基づいて、六十一年度に多少のリスクがあっても、これこれの計算が成り立つので
還元をしたい、こういうことのようであります。
私
どもの方で算定をいたしました基礎は、六十一年度だけではだめだ、先ほど
中村委員からも
お話がございましたように、既に
円高が進んだので、これに伴って
円高やあるいは
原油の
値下がりに伴う
差益というものは
国民の皆さんの前にガラス張りにする必要があるのじゃないか。こういう点は、かつて何年も前にこの
委員会でいろいろやりとりいたしました。田中六助通産
大臣のときもそうでございました。まあ昔の話は言いませんが、彼は、まことにもっともだ、そのとおりだ、ガラス張りにして、この為替の
差益なんというものは何も
努力して出たものじゃないんだから、そういうものはきちっと別枠に積み立てて、そして
国民が納得いくようにしたらどうだ、こういう話をしたことを覚えておりますが、その結果、この
原油の
値下がりに伴う
差益金を原価変動
調整積立金として積み立てられた。さらに、
円高が進んだり、あるいはまた円安になったり、そういう
関係から、これを別途積立金に積み立ててきちんとしておこう、こういうことで先ほど
お話しになった
金額どおりのものが九つの
電力会社と
三つの
ガス会社にそれぞれございますね。その
金額の総計は三千三百八十六億円、これは大体間違いなく皆さんもお認めになった。
一体このものを、だれが、どういう理由で、いつ使うのか、こういう点ははっきりしていない。これを経営安定のためにお使いになっておるんだ、こういう答弁がございましたが、これからの
円高の推移あるいは
原油の
値下がり、そういうものを想定した場合に、この積み立ててあるこれも今回の
還元額の際に考慮に入れるべきではないか、こういう
考え方を我が党は持っておるのであります。したがって、まず
還元額の中に乙の
金額を
一つ想定することができる。
六十年度の問題についても、よくわからぬという答弁が先ほどございましたが、これはもう既に円レートはちゃんと実績上出ておるわけでありますし、それから、
原油の輸入単価の実績もちゃんと出ておるわけでありますから、これで計算すれば六十年度の
差益は、
円高差益は二千八百億円、油益は千百億円、合計約四千億円というものが
原油の
値下がりと
円高の推移によって九
電力で出ておる。それを何とか
還元したらどうだということをやっているうちに、もたもた、もたもたしているうちに、三月三十一日が来て税金で二千億円取られてしまった、こういうことになったのですよ。これはやむを得ぬと思います。しかし、二千億円税金で取られたが二千億円は残っておるはずだ、この二千億円を先ほど言った積立金の二つに合わせていったらどうだ、こういう
考え方を私
どもは持っておるのであります。
さらに六十一年度、これから皆さんが
還元のもとにされる六十一年度も
金額に若干の相違があります。これから申し上げますから、皆さんの方で、我々の
金額が間違いならば
指摘をしていただきたいのであります。
確かに円は百八十円とおっしゃった。我々の方は、リスクを若干見て少し余裕を持った設定ですが、百九十円という計算をいたしましたから、皆さんが百八十円ということになればさらにこの利益は多くなりますが、仮に百九十円と見て五十
円高でありますから、これは約六千億円の
円高差益が生じます。バレルは同じ二十二ドルで計算をいたしました。五十五年の改定の際のバレルは三十二ドルでございましたから、これで十ドル。一ドル下がると九
電力で大体八百億円の利益が出る、こういう算定は
通産省もしておるようでありますが、これで八千億円、合計一兆四千億円という六十一年度の
金額がここで想定されるわけでございます。
したがって、この
三つを合計すれば一兆九千四百億円という数字が出てまいります。一兆九千四百億円であります。しかし、九
電力にはそれぞれ
内部留保の金も要るでしょうし、
設備投資の金も要る。それは賃上げの金も要るでしょうし、いろいろな点で
内部留保も必要でございましょうから、このうちの約四千四百億円を
内部留保に回して一兆五千億円
還元できるのではないか。これは九
電力だけてあります。
現在の
電気の総消費量は五億キロワットアワーですから、これで単純に計算すれば一キロワットアワーで三円という
金額になります。二百七キロワットアワーが標準
家庭の一カ月の消費量ですから、これを大体二百キロワットアワーと見て六百円という数字が先ほどの
中村委員の発言の根拠であります。六百円、十二掛けて七千二百円、こういう
金額が出てくるのであります。ですから、あなた方と私
どもとの間の
還元額の違いというのはここにあるわけです、何も六十一年度のこれから想定されるものだけに限定しないで、そういうものがあるんだから、これを一緒にしてこの
機会に消費者に
還元をしたならば、例の五十五年度のときに五〇%も値上げをしたああいう問題が発生したのですから、この
機会に
通産省はそういう指導を九
電力との間にされたらいかがか、こういうふうに思うのですが、まず最初に、この点をお伺いしたいのであります。