○松田
委員 保利政務次官、あなたとここでとやかく談論をし合おうという気は全くないけれ
ども、今の
お話では全く了解しにくいんですね。少なくとも物理的に、同時刻に同じ
委員会が開催をされるという時点では、
理事会で、こういうことで
大臣、さらにこの
局長はどうしても
委員会に出席をされない、言うなればきょうの場合は、官
房長も
大臣も経済
局長も
構造改善局長も、さらにその他の連中も全部出席されませんが、それでもいいから
委員会を開けという
理事会の決定であったのか、あるいはそれを了解済みでどこかへ行っておったものか。
今官
房長の
説明を聞いておると、主としてきょうは水産
関係の
質問のように聞いておったものだからだれも来ていない。そんな一々
政府委員に、おれは今度は何を
質問するぞと言って、それこそ
質問と答弁を用意しておって八百長式なことをするような衆議院ではないはずだ。何が飛び出すかわからない。特に
農林水産委員会だから、一番大事な、むしろ水よりも農の方が、ウエートとしては、分野としては、事項としては、件数としては多いはずだ。その農の方が来ておらぬ。
だから、これはなかなかもって
質問しにくいが、それならばまず水産の方から、一応大幅に大局的に事情を勘案をして、
質問を続けさせてもらう。
そこで、
水産庁長官にお聞きをしたいのだけれ
ども、日ソ漁業交渉というものが、大変な、いわゆる前代未聞というか、それこそどうにもならぬような結末を見ておることはもう御高承のとおりである。昨日も北洋漁業
関係者というものは、かつてない規模の熱気と波乱の中で、九段会館に何千名と集まって、いわゆる危機突破の大会を開いておる。今後の対応策についても、我々としてはかなり真剣に取り組むべき重大時期に直面をしておる。
そこで、これは先般来の
農林水産委員会においても本員が述べたとおりでもありますが、モスコーにおける対ソビエトとの漁業交渉というものが、最近ややもすれば、いわゆる
政府の最高の指導者、責任者のレベルにおいて話し合いがなされていない、交渉がなされていないという経緯があることを私
たちは大変残念に思っておる。今回は、最終段階において
羽田農林大臣が飛び出したけれ
ども、時既に遅しというか、状況はどうにもならない膠着
状態に実は陥っていた。だから結論的には、今回は何らの前進をも見ないままに、不承不承の、いわゆる一〇〇%後退の中の日ソ漁業交渉の結末を見ておる、私はこういうことが言えると思うわけであります。
きのう、ある会合で、かつて日ソ漁業交渉に、いわゆる百日交渉という別名までもとって粘り強く対ソの漁業交渉をされた鈴木前
総理の苦心談というか、当時の思い出話というか、そういうものを聞いたときに、実は自分は腹を切るつもりで
農林大臣としての職務権限のすべてをかけてじっくりと対ソ交渉をやった。しかしそれでも十分でないと思うので、最終的には
政府の総力を挙げて、言うなれば
日本の総力を挙げてこの問題には取り組むのだという意気込みを示すために、時の官
房長官、園田官
房長官にも最終段階にはモスコーまで飛んできてもらって、実は二人で交渉した経緯がある。言うなれば、こちら側が
大臣クラスをぶっつければ向こうも
大臣クラス、
水産庁長官をぶっつければ
水産庁長官クラスがある。非常におもしろいというか、含蓄のある話を鈴木
先生から聞いたのですが、最終段階の交渉に、自分は供は全然連れずに、実は通訳と自分だけでイシコフ漁業相と村々で話をしたことがある。それで急転直下解決を見た。そういう話をきのう実は鈴木前
総理から私
どもは聞きました。
私は、そういう
考え方は全く貴重な
考え方だと思う。昨年来の日ソ漁業交渉の経緯を見てみると、海洋漁業部長が首席全権みたいになって行っておる。それでいいのか。少なくとも
水産庁長官が出かけると同時に、さらに
農林大臣が乗り込んで国連を賭してやるべきではないかという
意見を、本員は当時の
委員会においても
意見を申し述べておる。幸いというか、去年は
水産庁長官も最終的には乗り込んだけれ
ども、最近のいわゆる国対国の外交交渉の中で、どうもそこら辺の大きなポイントというか、大事なところが欠けておるように思う。
だから、そういうことについて、
羽田農林大臣から直接、所管
大臣としての決意というか考えというか、そういうものを聞かねばいかぬと思って実はここに出席をお願いしたのだけれ
ども、今言ったように、参議院の審議が優先だというのでしはうか、ここに見えていない。だから、かわって保利政務次官に、そういう国連を賭した問題点の中で、最高責任者としてはこれにどのように対応されておろうかということを聞いておるわけだけれ
ども、私は、失礼だけれ
ども、政務次官ではそういう重大なる、国対国の最高の交渉問題についての御見解をお聞きするわけにいかぬだろうと思う。だから私は、きょうはそういうことについて政務次官のお答えを聞くのは適当ではないと思う。
大臣ならば聞きたい。
だから、事務的な問題として
水産庁長官に、ここ一、二年来の一連の対ソビエト漁業交渉における経緯というか、私は大変不満足であるが、それらを含みとしてひとつ御答弁をお願いしたいのであります。