○水谷
委員 公明党の水谷弘でございます。
生物系特定産業技術研究推進機構法案について若干御
質問をいたします。ただいま吉浦
委員から総括的な質疑がございましたが、多少重複するかもしれませんが、よろしくお願いをいたします。
私どももバイオの将来については大変大きな夢を持っておるわけであります。国も五十九年バイオ元年、六十年ジーンバンク元年、このように強調をされて、いよいよことしはハイテク育種元年、またはハイテク民活元年、このようなことをいろいろ言われております。大変厳しい財政事情の中で、本年もこのバイオの
関係予算、これは大幅に拡充をされておりますし、また、今回新しい
機構設立のために
産業投資特別会計から出融資が行われることになっているわけでございます。そこで、いよいよこれが
農林水産業のいわゆる産業の中に大きく踏み出してくる、こういう
段階を迎えるわけでありますので、これが
農林水産業に対してどういう課題を与えてくるか、そういうことを
最初に重点的に御
質問をいたしたいと思います。
まずテクノロジーアセスメント、
技術の事前評価という問題について若干御質疑をいたしたいと思います。
我が国では既に固定化酵素などのバイオリアクターを利用してでん粉から甘味料である異性化糖をつくり出す異性化糖
技術、また組織培養によるタンク内での
生産とか、従来の
農林水産業が大変な影響を受けてきた気象条件等の災害または病害虫、こういうようなものの影響を受けずに、安定的、効率的に植物が
工場において
生産できるというような
方向性がこれから出てくるわけであります。先ほども議論がございましたけれども、いわゆる
農業構造そのものの全体に全く大きな
変化をもたらすという、将来これが五年やそこらでできるわけではありませんけれども、十年、二十年後にはそういう構造そのものを変えていかなければならない、こういう大きな問題になるわけであります。
そういう場合に今心配されているのは、特に
企業においてこういうものが、付加価値の高い商品がどんどん
生産されてくる。これが農家を大きく圧迫する形になるのではないか。さらにはいわゆる
地域の特産地の
農業が脅かされてくるのではないか。こういうふうな、
農業そのものに対して、
農業者にとってこれが一体どうなるのかという不安、実はこれが、夢があると同時に、実際に私どもが農家の皆さんといろいろな議論をする際に素朴に投げつけられる不安であり疑問なのであります。
こういうときに、
農林水産業にとって
バイオテクノロジーというものが実験、臨床からいよいよ本格的に量産化に入ってくる、そのような
段階において、その事前評価、そういうものについてはしっかりしていかなければならないし、また将来の見通し、展望というものについては、農家の皆さん方、いわゆる
生産者を度外視した議論というものは行われないはずであります。そういうことを責任を持って展望を開いていくのが
農水省の大切な役割だと私は考えておるわけでありますが、それについての見解、またどう対処されていくのか、
最初に
お尋ねをいたします。