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後藤田国務大臣 このサミットは、明るい展望を切り開くために、現在の厳しい国際経済政治情勢の中で開かれたわけでございます。今日笠さんおっしゃるような記事等もちらちら見るわけでございますが、私は実際はさようには受け取っておりません。
今の国際テロの問題は、確かにリビアという国名が入っております。これは各国、私どもの想像以上に大変厳しい態度でございます。ただ、しかしそうは言いながらも、やはり
日本は独自の中東政策を進めておる。それから同時に、いわゆるテロという問題は従来から
日本政府も厳しい対応をしておるわけですから、そういう対応をしながら独自の中東
対策を進めておる、こういう立場がございます。
そこで、リビアの問題については、実はあの問題だけ切り離して特別宣言といったような強い主張すらあったのは事実でございますがしかしそれはよくないだろうということで、一般的な国際テロの中でリビアにイスペシャリーということで同名を触れた、こういう緩和の措置をとったわけでございます。しかしこれは国際法の枠内、そして同時に、それぞれの国の管轄権の中においての措置ということによって、それぞれの国の措置はそれぞれの国の考え方によってとるわけでございます。なるほど協同してとらなければならぬような項目がありますけれども、ある面については
日本の場合はリビアについてこれ以上つけ加えてやらなければならぬといったような問題はない、私はかように
理解をいたしております。したがって、一部いろいろ論ぜられておりますけれども、私はさような心配はないと
理解をし、しかしながら同時に、ああいうことが伝えられますと中東諸国も大変心配するでしょうから、諸般の事情は
説明をする必要があるだろう、かように
理解をしております。
それから、もう一点の方の介入の問題は、これは何しろ基礎的なファンダメンタルズがあるわけでございます。しかし同時に、何といっても五、六百億ドルの黒字が一方にあるといったことに対する、
日本のやり方に対する各国の厳しい批判があることは事実でございます。しかしながら、最近のように余りにも急激な円高ということになると、
日本としてはいろいろな面で不都合が生じることも事実でありますから、これらについては、首脳
会議あるいは個別の蔵相
会議等で
日本側としては
日本の強い主張を述べ、各国の
理解を求めておるわけでございます。したがって、構造
調整その他の問題もございますが、通貨問題についてはG5をG7に拡大をする、しかしながらそのコア、中核はG5である。それがもう少し経済政策等で影響があるということになればセブン、つまりカナダ、イタリーを入れる。こういうことを書きながら、同時に、ウィリアムズバーグのサミットで決めてございました介入、この「介入」というのは、単独介入はどこの国でもやれるわけですから、介入という
言葉がある場合にはこれは協調介入になるわけですけれども、協調介入については、これも
状況によってはやるんだということをちゃんとうたうようにしてございます。
なお、これらについては、私は、もうあと二時間ですから、詳しく申し上げているのです。余り詳しく言いますといけませんけれども、きょうの四時から発表をすることになっておりますので、私は、それほど伝えられるようなものではない、時間の経過とともによくおわかりがいただける、かように
理解をいたしておるわけでございます。