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三浦(久)
委員 それは、競争入札が行われているから公正なはずでありますということでは問題が済まないのですよ。あっちこっちから問題が指摘されているでしょう。例えば石原慎太郎さん、前に大臣をやった人ですね。この人が、「
国際開発ジャーナル」、そういう雑誌が出ているのを知っていますね、それの一九八五年、去年の一月号にこんなに大きく自分の
考えを書いていますよ。「ノーチェックでまかり通る援助 経済協力国民評議会の設立を」という題です。そこでは彼は何と言っているかというと、「海外援助では、コンサルタント会社の役割が大きいんですよ。」「コンサルタントが全部の見積もりをするわけですが、その中でフィリピンの場合、商品借款を含めて全額約五百億円の円借款を一五から二〇パーセント水増ししろと言われてつくった人間が何人かいる。」と言っています。結局フィージビリティースタディーというのですか、実現可能性というのですか、それをつくる
段階、要するにフィリピン
政府にプロジェクトを持ち込む前の
段階で、もう既に一五%から二〇%水増ししろと言われてつくった人間が何人もおる、こう言っておるのですよ。
それで、石原慎太郎氏はこの人間から聞いておるわけです。「その人間が、あまりにもひどいから、
日本に来て、
外務省がどのセクションでどんなチェックしてるか見にいったら、若いスタッフが、自分のつくった予算書」、自分のつくったというのはコンサルタントがつくったという
意味ですよ、コンサルタントがつくった「予算書を見ていたというんだ。」こう彼は言っている。「それでこの後どうするのかと聞くと、大蔵省はノータッチ、中で通産省とか農水省とか
関係あるものは技術的に問題があるかないか見るだけ。
外務省には、これだけの規模のダムならダム、橋なら橋に対して、現地のコストその他からして、要するに労賃も含めて妥当か妥当じゃないかというチェック能力は全くないんですね。だから、私は援助については、やはり臨調と同じように、民間人を入れた形のオフィシャルな中央機関をつくって審査してやらないと、こんな問題は野放しですよ。」こう言っているんですよ。
そうすると、今のあなた
たちのお話を聞いていますと、契約承認の
段階でチェックしない、石原慎太郎さんのお話ですと、フィージビリティースタディーをやる
段階、プロジェクトを持ち込む
段階でもう一五%ないし二〇%の水増しが行われている。四省庁協議もそれを土台にしてやっているわけです。交換公文もそうだ。そして、ローンアグリーメントがまた個別プロジェクトについて結ばれていきますね、それもそれの
範囲内でやっている。大体一五%から二〇%水増ししたものを基本にして、ずっと作業が流れていっているということを石原慎太郎さんは言っているんですよ。
じゃ、そのことをどこでチェックするか。四省協議でそんなことはチェックできないでしょう。そうすると、チェックするというのはもう本当に契約書を承認する
段階でぴしっとチェックしなかったら、全然ノーチェックじゃないですか。そんな湯水のようにむだなお金をどんどん海外経済協力費に使っていいんですかね。これは私は大問題だと思うのですが、その点のチェックを何にもやろうとなさらないというのは、
皆さん方が、どういうふうに税金が使われているのかということについて余り熱心じゃないということを示していると思うのですよ。国民の血を流すようなお金なんです。私は、一円でもむだにしちゃならないんだという立場でチェック体制をとるべきだと思う。それは多少は人間が要ると思いますよ。今の陣容ではできないでしょう。だけれ
ども、こんなでたらめなことが行われるようなことでは私はだめだと思う。人間というのはやはり楽をしたいし、もうけたいし、ですからチェック機能がぴしっと働いていなければ、それはもう多かれ少なかれぼろもうけだって悪徳商法だってやりたくなるのですよ。それをぴしっとチェックするという体制を私はぜひとってほしいと思う。とれないですか、外務大臣どうですか。