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安倍国務大臣 マルコス前
大統領がどれだけの資産を持っておるか、そしてこれに
日本の関連がどれだけあるのか、これはこれから明らかになるかもしれませんが、今お話しのような数字は、我我は常識的には
考えられないわけなんです。しかし、これは今後次第に明らかになってくるだろうと思いますし、また明らかにしなければならぬ、こういうふうに思います。
しかし同時に、お話しのように、何か
日本の
援助が非常に効果を上げずに、これがストレートに
マルコスさんにつながっているような、そういうことを言われる人もありますし、そういう
疑惑を持って見られる人もありますが、これは私は間違いだと思いますね。私、
先ほど申し上げましたように、これは
評価もいろいろしているわけですよ。全体的には、これまでの長い間の
日本の
援助というのはそれなりに、
フィリピンの道路だとか港湾だとかそういうインフラの整備には相当貢献をしておる。これは後の
評価で明らかになっておるわけです。あるいはまた技術
援助等を見ましても、
フィリピンは随分島が多いのですが、青年海外
協力隊なんかの努力というのは大変なものでありますし、また、いろいろと農業の技術だとかそういう技術
関係その他の技術
援助は随分
フィリピンの
経済の安定のためには生きて使われておることも事実。また、無償
協力等もそのままストレートに
フィリピンのいろいろの
生活あるいはまた
経済の安定のために具体的に行われているわけで、大体事前に十分フィージビリティーの
調査をやって、そして
フィリピン政府の責任において業者を決めてそれで実行するわけですが、
実施の後については、
日本政府としてもその前に交換公文をやっていますから、交換公文に基づいた適正な
援助が行われているかどうか、
援助が実行されているかどうかについては
評価もしておるわけでございます。
ですから、私は全体的には、
先ほど申し上げましたように
フィリピンの
経済には相当これまで裨益してきた。ただ、
日本の
援助そのものが
フィリピン経済の全体を左右するほどの力を持っているわけじゃありませんし、
フィリピン政府の
経済政策の問題もあるでしょうし、あるいはまた世界的な一次産品の低迷といったような問題もあるでしょうし、最終最後の段階ではやはり
マルコス政府に問題があったことも事実だろう、こういうふうに私は思っております。そういうふうなことは確かにそのとおりだろうと思いますが、
フィリピンの
経済は最後の段階で悪くなったから
日本の
援助というのは何の役にも立たなかったのじゃないかというふうな御
批判は非常に短絡的じゃないか、私はそういうふうに思います。全体的にはそれなりの相当な成果を上げてきている、こういうふうに私は
考えておるわけです。
しかし、今後の課題としては、今いろいろと御
指摘もありますし、それからまたいろいろな
疑惑もあるわけですから、そういうものを明らかにしながらいろいろと
改善をしていかなければならぬ点はあると私は思います。それは率直に反省して、今後の
援助というものがもっと的確に、そして適正に、効率的に行われるように今後とも取り組んでいかなければならぬ、それはそれなりに反省はしなければならぬとは思っています。しかし、やっていることがおっしゃるように間違っていたんだとは、私はそういうふうには思っておりません。
日本の
援助というのは、
フィリピンだけじゃなくてその他の国でもそうですが、割合きちょうめんにやっている方ではないだろうか、そういうふうに思っております。