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井上(一)
委員 まだ私の持つ
質問時間がありますから、
マニラの
大使館に即刻手当てというか
連絡をとって、こういう問題はどうなんだという確認をなさった方がいいのではないでしょうか。若干の時間を猶予いたします。
それからもう一つ。先ほど私がメルカドという人の名前を出したわけであります。メルカドという人はどういう
関係の人であるかというと、まずここに私はマルコス大統領の
文書を持っております。マルコス大統領が一九八〇年五月十六日、ミスターニツダという人を自分の大統領補佐官に任命をしているわけです。さらにこの人を移民局の副
局長に任命している。ビクター・G・ニツダ。マルコスの署名がありますから
外務省はすぐわかるのだ。このミスターニツダが一九八五年三月八日、今度はミスターメルカドにこの
土地売却について、少し時間をかけますけれ
ども、「
日本国
東京都に所在する次の地所に興味を持つ
関係者、デベロッパーに対して、販売に関して地所売買契約もしくはいかなる契約
申請についても署名できる権限を委譲する。一、九段の
土地、二、
六本木の
土地」云々と書いてあるのです。
だから、私は、一九八五年三月八日以降に
鹿島建設が
フィリピン政府を代表した届け出をしたということにも疑問を持ちますし、マルコスが任命をしたニツダからメルカドに委譲したこの公
文書、この書類は大統領府が出した書類ですよ、これは非常に権威のある、マルコスが健在なときでありますから、そこにも一つの疑問があるわけであります。この原文があるわけなんですが、後でお見せをします。
さらに問題なのは、この
富士見の
土地にしても
六本木の
土地にしても、「以前に出された大統領令に則り、
政府所有の財産、不動産及び公舎、これは個人または民間会社に、売却されることとする。その目的は
経済をさらに活性化させること及び特にマルコス大統領閣下とイメルダ夫人の生計を支援するためである」ということが明確に書かれているわけなんです。
日本が賠償で
フィリピン国民に提供したその
土地が、いつの間にやら、マルコスが任命したミスターニツダからメルカドに委譲されて、メルカドがことしの一月六日ケソン市でちゃんと契約している。
外務省あるいは
在外公館はこういう
情報が全くないんだ、知らないんだと言ったって通らない。とりわけマルコスが、いわゆる個人の生計を支えるために
処分をする、個人的な資金のために公的財産を売却する、
政府財産を売却するということは大きな問題なんですね、
外務大臣。
ここでやはり
外務大臣にちょっとお
考えというか受けとめ方を聞かしてもらわないと。これは
流れを聞いて大体おわかりいただけるわけで、
真相究明に取り組むんだとおっしゃってくれている
安倍外務大臣として、ここで、今の私の
質問を通しての
大臣の
対応を聞かせてもらいたい、こう思います。