○三浦(久)
委員 そんな抽象的な問題じゃだめでしょう。私は、きょうは農林省にも来ていただきまして、もう時間がないから農林省大変失礼いたしますが、この椎田町では、やはり同和対策事業として、今までも養鰻企業組合をつくりまして、つくったんですよ、五千万円かけて。それが今は何も稼働していないでしょう。難しいんですよ、養鰻というのは。それを、国や地方の金を五千万もつぎ込んで、私も行ってみたけれ
ども何も使われていない。野ざらしです。これも同和会がやったことです。
それから、現在は周防肥育牛組合というのをつくって、そこでも一億三千八百万円もかけまして大きな施設をつくっております。百六十頭も牛を肥育するという施設です。ところが、現在何ぼいると思うか、十六頭ぐらいしかいない。五人でやるというふうになっていたけれ
ども、だれもやらないから一人でやっているのですよ。立派なトラクターを買ってみたり、私も行ってみましたけれ
ども、サイロもありますよ、立派なのが。それから、牛のいつもおるところ、牛舎と言うんですか、いっぱいあります、大きなものですよ。ところが、そのほんの隅っこにちょろちょろと牛がいるだけです。ですからもうサイロも使えないのです。トラクターも使えないのです。それから電気もづけられない、費用がかかってしょうがないから。たったわずか十数頭しか、十六頭ぐらいしかいないのだから。こういうことをやって平気でいるのです。
だから私は、国の金とか県の金とか市の金を膨大なものをつぎ込んでやっても、きちっとした経営計画が立っていなければ、また養鰻とか肥育中等の施設と同じような二の舞を踏むのじゃないかということを心配しているのです。そのことは差別をなくすことにならないですよ。そんなこと繰り返していれば、何だ、あいつらはと、あいつら、
自分たちの利権のためにやっているだけじゃないか、こうなるのですよ。だから、補助金を効果的に使わなければならぬというのが補助金適正化法に書いてあるわけだし、また同和行政だって適正にやらなければならぬ、効率的にやらなければならぬということになっているわけでしょう。そういうことを放棄してしまって、ただ同和が要求したからやるんだということでは、これは差別の解消どころか、ますます差別を拡大再生産するだけになってしまうのですね。ですから税金のむだ遭いであるし、そして行政効果は何も上がらない、こういうことだから私は言っているのです。
あなた、この県の中小企業総合指導所のこれを見たでしょう。今まで十一社が五千も六千も一軒でつくっているわけだ、それを何で全部
出しますか。全部
出したら
自分の工賃はなくなってしまうのだから。後はマージンだけで稼ぐということになるのですよ。ですから地元の畳組合が反対していますよ。その
人たちがこの十一社に全部当たっているのです。そうしたら、この
人たちは、おれのところが
仕事がないのに何で全部あの豊和畳企業組合に出すか、ばかも休み休みに言えと言っているのですよ。ですから、町自身も非常に受注先の確保に困っておる。それで今地元の畳業者に対しても、あんた
たちが全部これを利用してくれたらいいんじゃないかと言っている。それは
仕事がうんとあれば利用しますよ。しかし、この十年間見てください、住宅建設がずっと落ち込んでおるでしょう。ですから、この指導所の
意見書の申にもありますが、十年前と比べて現在は畳床で六〇%に落ちて、四〇%も
仕事が減少しているのです。表がえの
仕事でも二〇%も少なくなっている。これは全国的な傾向と同じなんです。そうすると、その共同加工所を
自分たちが使えば、今まで
自分でつくっておるから工賃が出ますよ、しかし工賃がなくなってしまうわけですから
生活に困るでしょう。こんなことをやってどうして、地元業者に対して温かい
配慮をしているとか、困ったことにはならないとかということが言えるのですか。それよりも何よりも、まず受注先を確保しなければできないじゃないですか。
あなたに具体的に聞きますが、十一社の畳屋さんが今まで外注に
出した、また
自分のところでつくっておった、それをこの豊和畳企業組合ができたからといって全部この企業組合に
仕事を回すのですか。そんなこと
考えられますか。ちょっとお尋ねしたい。