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佐藤国務大臣 先生には本当に大切なところを御
質問していただきました。私自身も耳に入ってくるのに、
少額貯蓄の
非課税制度の堅持という声も入ってくるし、一方では、すぐ周辺の親しい友人からも、国がこういうような金融機関をやる時代はもう既に過ぎた、明治、大正の遺物を追っているんだ、だからこれはもう
民間にやって分割すべきであるという、何か国鉄みたいなことを簡単に言う友人もいるわけでございます。
そういった中で、
経構研が
廃止を含めて検討する。ところが経済界はこの三月に、存廃を含めて検討する、存廃と、こう言っておるわけです。市中金融機関をバックにした経済界の主張が、この三月にそういう
考え方を発表している。そういうときに、
廃止を含めてという
廃止が先行してしまう。私はこの件についてこういう懸念もございましたので、私自身もいろいろ検討しました。
実は私の頭の中に、それならば国際的に
少額貯蓄を守っている国があるのだろうか。ある同僚に聞きましたら、もうない、日本だけだと言う。冗談じゃないということで、初めて、これは後刻
先生方に、とりあえず逓信
委員会の
先生方に配ってほしいということで、したのですけれ
ども、国際電話をかけまして、きょうの時点を調べました。フランスは日本と同じような
利子非課税方式でもって
少額貯蓄を守っておる、
貯蓄の奨励をしている。
それからイギリスは、やはり日本と大体同じような
利子非課税方式でやっております。島国であるイギリスが七万四千三百ポンドですから、円に直して約二千万円でございます。二千万円の
貯蓄元本の
利子が
非課税になっておるのでございます。同じ島国で貿易立国であるイギリスはそうやっている。日本は御承知のとおりに財形
貯蓄、財形年金
貯蓄、
郵政省ではない分野も入れまして、勤労者に対して千四百五十万円までが
非課税貯蓄になっている。イギリスは二千万まで
非課税貯蓄をやっている。アメリカの方を調べてみますと、所得控除方式と今までやっている日本の
利子非課税方式の両方を兼ね備えて、少額
利子非課税制度を堅持しておる。西ドイツは所得控除方式でございます。
こういうぐあいに先進国が全部やっているときに、なぜ
貯蓄心を減殺するような
考え方が安易に出てくるかということに、実は私は憤りを感じておる。
先生と同じ気持ちでございます。したがって、比較金融理論といいますか、国際的な比較金融理論の上に立っても、また、国内の
貯蓄心を大切にするという
意味においても、消費を美徳だと
考える理論と闘っていかなくちゃならぬ時代が来たな、こういうぐあいに
考えているわけでございます。したがって、今から税制
改正の中でいろいろな
議論が――私の方の党も検討すると言っておるわけでございまして、
廃止とは言ってないのです。検討をする時期が来た。それから、
政府税調もそのように
考えているというときに、
経構研が
廃止を含めて検討するという突出した
考え方が出ましたので、これに対応する理論武装をひとつ我々も
考え、
先生方もどうぞお教えを願いたい、こういうぐあいに思っていることを率直に申し上げまして、私の
考え方を申し上げる次第でございます。