○山田
委員 臨調並びに
行革審の答申なり
意見でございますが、私はその
考え方に反対でございます。
それは、
財政投融資あるいはまた資金運用部資金の統合運用というものが極めて
時代の要請に適合した形で展開をされておるということであれば、あなたのおっしゃるとおりだと思います。ただしかし、後ほど触れたいと思いますけれ
ども、これはもう周知の事実です。
郵便貯金の運用のあり方は、臨調や
行革審の答申、
意見ではそうなっているけれ
ども、一方においては、郵貯の運用のあり方、それから、資金運用部資金の統合運用のあり方、
財政投融資そのもののあり方、この見直しというものが今また強く迫られているということも事実でございます。したがいまして、この一元的なといいますか、統合管理の運用が最もすぐれていると申しましたか、最も有効な運用の方法であると御答弁がありましたけれ
ども、それは極めてへんぱな、偏った見方である、私はこのように思っております。
それで、これはもうどう
考えても、財投機関の使い残し、不用額というのがこれまた大変
国民的な関心を呼び、そしてその問題点が
指摘をされているのは御案内のとおりでございます。今私は資料をちょっとここへ持ってきておりますけれ
ども、これはもうどうなっているのかという感じですね。それは、決して今の資金運用部資金の統合運用が唯一有効な運用のあり方だなんて言えないですよ。
ちょっと念のためにポイントだけ
指摘をさせていただきますけれ
ども、五十九年度の
財政投融資計画の当初計画は、全体規模は二十一兆一千六十六億円で組まれました。ところが、未消化額四兆九千百六十四億円、二三・三%、約四分の一が未消化額ということになっております。その中で、繰越額は別といたしまして、不用額、これは使わないで済む部分を、要するに不用ですからまた資金運用部に戻さなきゃならないという、これが当初計画全体の六・四%、実に一兆三千四百六十四億円も不用額。これをそのまま回せるわけはありませんけれ
ども、六十一年度の野党四党の予算共同修正案の中の所得税減税の規模が一兆一千億余りですから、それを上回るような規模の財投機関の使い残し、しかもその中でも、不用額という形でこれだけ出てきているわけでございます。
それから、先日注意して見ておりましたら、二月十日、これは各紙に一斉に載った部分ですけれ
ども、財投機関たる十二の政府系金融機関の六十年度における投融資が、昨年の四月から十二月までの間で財投計画のわずか四五%しか運用を実施されておらない、運用
実績が半分以下だ、あと一、二、三、この三カ月で五五%もの資金を残しておる、こういうようなことが今各方面から
指摘をされておるわけでございます。したがって、現状のままの資金運用部資金の統合運用あるいは財投のあり方、決してこれは最高の運用の方法ではないということはもう明らかでございます。日本輸出入銀行などは未消化額が五千二百三十億もあるのですね。うち当初計画に対する未消化割合、不用額の割合が五一・八%ですよ。これはどう
考えても今の財投のあり方が、
郵便貯金も厚生
年金も
国民年金も
簡保の資金も全部集めておいて統合運用して、そしてこのように半分も不用だというような、財投機関に対する配分、増分主義といいますか、これはもう明らかに破綻してきているのですね。
それから中小企業金融公庫も、未消化額が五十九年度で三千百億円、それで対当初計画の未消化割合というのが一八・四%。こうなってくると、現実には円高・ドル安の中で中小企業というのは輸出関連は特に厳しい
状況に置かれておる。しかし、この中小企業の底上げ、支えを目的とする中小企業金融公庫が三千百億円も残しておる。僕はそっちの角度から今度は心配になってまいりますね。いずれにしても、これは財投のあるいは資金運用部資金の統合運用の限界がはっきりと出てきておる。したがって、先ほどの
課長さんの答弁は正しくないと私は思いますので、その辺もひとつしっかりと、金融の自由化がそこまで来ておるのですから、小口預貯金にまで迫っておるのですから、
財政当局の大蔵省さんがそのような御
認識であってはならないと思いますし、そのような対応であっては極めて遺憾でございます。
それから、切りがありませんのでこの程度にいたしますが、先ほどちょっと触れましたけれ
ども、今年度もそうですし六十一年度もさようでございます、資金運用部資金で五兆円もの国債を引き受けるということになっているわけですね。引き受けたし、引き受けようとしているわけですが、これはよく
考えてみると大変おかしいと思いますね。国債の発行主体である
財政当局が引き受け主体と同一なわけですね。
財政当局が国債を発行する、資金運用部資金統合管理運用だということで
財政当局が動かしておる。
財政法の第五条、すべて公債の発行については日本銀行にこれを引き受けさせてはならない。これは要するに安易な国債発行につながるということに対する強力な歯どめの
一つになっておるわけです。したがって、国が、
財政当局が発行する国債を
財政当局が引き受ける。しかし、その原資になっておるのは、要するに
郵便貯金事業とか厚生、
国民年金保険とか、こういう
事業の目的のために集めた資金が主体になっておるわけですね。
これは非常に安易な国債発行につながるおそれがあるという点とともに、一番最初に戻りますけれ
ども、それだったら何で国の機関たる
郵便局に窓口販売を認めないのか、こういうことになるわけですよ。しかも
郵政省の方では、私たちからいえば二兆でも五兆でもぜひ要求してもらいたいという気持ちがあるのですが、一兆円ということで昨年度予算要求をやったわけでしょう。そしたら五兆円も売らせればいいじゃないですか、五兆円売ってもらえば。その点がどう
考えてもおかしいのですよ。それを、財投資金でもって引き受ける、資金運用部資金で引き受ける、だけれ
どもその原資の中心になっている
郵便貯金、そしてその
郵便局に国債の窓口販売はさせぬ、これは筋が通りません。しかも、みずから発行してみずからが、言っては失礼ですけれ
ども、他の人たちが集めてきたその資金を使ってみずからが引き受けるという、引き受けるところだけ前面に出てこられるというのは、これはどう
考えても私は理解できませんし、納得できません。
問題はもう、五年も十年も先の話を申し上げているわけじゃないわけです。大口の預貯金の金利の自由化というものは来年の春ですもの、もうあと一年ですよ。しかも、小口の預貯金についても大口に引き続いてと、閣議決定もされておるし、
行革審でも出ておるしというような
状況の中で、少なくとも今日までのような取り組み方あるいはお
考えのなさり方というのでは、それじゃ対応できない。この点についてだけ、この問題の大蔵省の締めくくりの御答弁としてちょうだいしたいと思います。五兆円を運用部資金で引き受ける、だけれ
ども郵便局の窓口では国債販売は一兆円だってやらせない。どういうことですか、一言御答弁ください。