○真藤
参考人 私
どもが今からやらなければならぬ一番大事な問題は、長距離料金の合理化ということにあると思います。さっきもちょっと触れましたけれ
ども、現在
日本の長距離料金、四回にわたって長距離、中距離下げましたけれ
ども、まだ現在のイギリス、
アメリカに比べるとかなり高うございます。実際長距離料金は、簡単に大ざっぱに計算いたしますと、今一兆四、五千億の黒字でございます。これが皆電報の赤字とか、あるいは市内料金の赤字を埋めている形になっておりますので、そこら辺のところを何かうまいぐあいに
解決していただければ、長距離料金はぐんぐん下がってくることは明らかでございます。
それともう
一つ、この前の長距離料金の値下げのときに夜間料金がぐっと下がりました。三分二百四十円が一番高い夜間料金になっておりますが、このときから家庭の夜間通話が非常な勢いで増加し続けております。ということは、それだけ料金が高いので、現在の生活レベルの家庭の動きに不自由を与えているということははっきり申し上げられると思います。そういう面からも、もう少し長距離料金は下げる義務が私
どもにあるというふうに、私は非常に強く感じております。
と申しますのは、最近全体的に見ておりますと、
事業用の通話量の伸びはどんどん落ちております。それは法体系が変わりまして、
事業用の通信のやり方が全く自由になりましたので、新しい技術を使って
事業用の通信の合理化が相当進んでまいってきましたものですから、かなり
事業用の伸び率は落ちてきております。現在二%を切るか、切らぬかくらいの伸び率でございます。一方、家庭用の方はだんだん伸び率が多くなってまいりまして、今七%、八%というくらいな勢いで家庭用の通話量は伸びております。これがもう少し長距離料金を下げますと、もっと利用される。ということは、非常に大きな需要のポテンシャルがありまして、ただ三分四百円あるいは二百四十円というレベルの料金にやはり阻まれているというふうにこのごろは痛切に感ずる次第でございまして、この辺はやはり御指導をいただきながらできるだけ早く合理化していくべきものだと思います。
それで、それならこの市内料金どうするんだということでございますが、私
どもの簡単な試算でいきますと、近距離を含めまして、あるいは中距離の一部を含めまして、総通話料と総コスト、一体どうなるかという計算をやってみました。そうしますと、大体三分で三十円から二十五円の間に入りそうでございます。今、もう五十キロになりますと五、六十円、七十円というふうになりまして、現在の料金体系では遠距離、中距離でまだかなりの利益をいただいておるわけでございます。要するに、さっき申しました一兆四、五千億という利益は、中距離、長距離の利益でございまして、これが実は大き過ぎる、非常にいびつな料金体系になっているということは申し上げられると思います。
もう
一つ、最近の通話の状況を見ておりますと、地方でも
地域社会でも車社会が伸びてきまして、
地域社会の仕事の範囲なりあるいは生活の範囲が
地域的に広がっておりますので、地方の一万とか五千とか二万
程度の加入の範囲の三分十円というものの利用度、有効性が非常に落ちているんじゃないかというふうに見られる節もございます。東京みたいなところで今度考えますと、東京は密集地帯で通話が多いから、三分十円でもうかっているのではないかというのが常識かと思いますけれ
ども、実はそうでございませんで、東京みたいなところは電話局から電話局の間、三分十円の範囲内に非常に大規模な洞道が要ります、あるいは共同溝が要ります。それから、こういう重要通信がたくさんございますので、そのラインに対する、地方では考えられない特殊な安全
措置というものがだんだんかさんでまいりまして、東京みたいなところが実はかなり赤字がこれからふえる傾向にございます。
通信の
安全性の確保ということをやりますと、例えば
一つの電話局の交換機に故障が起こったら瞬間的に次の予備の交換機に乗りかえることができるという技術的な可能性が出てまいりました。そういうことなんかやりますと、そこに大きな不稼働の設備でエマージェンシーをつくるということが、私
どもの立場上また必要になってまいりますので、殊に重要な官庁
関係の通話というものは、何かありましたときにさっと自動的に切りかえられるということもやらなきゃならぬというふうに思っておりますが、それやこれやで、大都会の高密度のところが案外コストと収入のバランスがだんだん悪くなる傾向がございまして、現状では地方の県庁の所在地くらいの町が一番ぐあいのいい格好になっているということも申し上げられようかと思います。数字的にまだはっきり資料を差し上げることができませんけれ
ども、その傾向は明らかに出つつあるということを申し上げておきたいと思います。(
竹内(勝)
委員「アクセスチャージも」と呼ぶ)
アクセスチャージは、さっき申しましたように、でき得べくんばアクセスチャージということを考えないでもいいような料金体系というものも、考えようによっては
実現可能ではなかろうかというふうに私は思っているのです。私
どもも
郵政大臣の御指導の基本原則というものから考えまして、アクセスチャージのない方がいいということ。それからもう
一つ、原点に戻りまして、私
どもがこういうふうに経営形態を変えだというのは、競争の原理で、より使いやすくてより安い電話料金を
実現させるためということであったと思いますので、その原則に沿って考えて、アクセスチャージというものは取らぬでもいいような形に持っていっていただくということも
お願いするという気持ちでおります。(
竹内(勝)
委員「一〇四の将来」と呼ぶ)
それから、一〇四は現在全国で三千四、五百億の費用をかけております。この一〇四の利用の回数はふえる一方でございまして、それをこの間から少し精密に
調査いたしましたが、一八%くらいの加入者の方が八三%の番号案内を利用しておられる。極端に申し上げますと、一部の方が特殊な目的のために一〇四を非常にたくさんお使いになっているので、無料サービスというものを一八%の方に、三千四、五百億のうちの二千八百億とか二千六百億とかというものをただで差し上げていいものかどうかという疑問が出てくるような数字の
内容が、最近だんだん強化されつつございますので、これはまたこれでお考えいただきたいのでございますが、一〇四を有料化すると申しましても、これはまた設備が要りますので、そういうことでお決めいただいて、一年ちょっと時間をいただきませんとこれは有料化できません。
〔畑
委員長代理退席、
委員長着席〕
今の一〇四の回数を、仮にワンコールで五十円いただいたとしても四百四、五十億ぐらいしか入りませんで、一〇四で二千三百億、一〇五は別にしますと二千三百億くらいの費用がかかっておりますが、これは四百四、五十億から五百億どまりだろうと思います。
そんなことで、番号案内というものも、二種
事業が重要になってきた世の中では、考え直す必要があるのではないかというふうにも思っております。一種のVAN
事業でございますから、VAN
事業が有料でできるなら、一〇四の
内容をもう少しVAN
事業みたいな形に変えることも、法体系としておかしくないんじゃないかというふうに、私
どもの立場からは見ております。