○柴田(弘)委員 御
指摘のとおりに思っておみえになるわけで結構なことでございますけれども、そのとおりになっていない。だから、この質問は今国会で私はもう一回やりますから。
それで、
交通安全施設整備のいわゆる
公安委員会分ですが、
交通安全施設というのは昭和四十一年以来、数次にわたって長期
計画によって整備をされてまいりました。第三次の
交通安全施設等整備五カ年
計画が昭和六十年度をもって終了いたしまして、御案内のように昭和六十一年度から第四次の
交通安全施設等整備五カ年
計画がスタートいたしました。第三次の
計画の達成率を見てまいりますとわずか六九%、これは空港整備に次いで二番目に悪いわけですよ。これはもう御案内のとおりだ。それで、これに対してしからば全国の
交通事故はどうかと言えば、昭和四十五年をピークにして一時減少傾向が見られたわけでありますが、自動車一台当たりの
交通安全施設の投資額が減少に転じました昭和五十五年以降再び増加傾向に転じまして、昭和六十年の
交通事故による死者は九千二百六十一人、このように増加をいたしております。目標の八千人というのは達成されていない。ですから
交通安全施設整備と
交通事故発生件数というのは非常に深い相関
関係にあるのは歴然たる事実であります。その上、自動車保有
台数、運転免許人口が激増しております。これはこの際ここでデータをどうのこうの申しません、よく御
承知だと思います。それから
道路の舗装整備も年々図られております。それから
都市化の進展、
地域開発の促進等により
交通環境の変化が非常に激しくなっている。でありますから、私は今後ますます
交通事故、死亡事故が増加をしてくるというふうに非常に心配をしているわけであります。でありますから、本当に強力な
交通安全対策整備を推進していく必要があると私は思います。これはもう
公安委員長もそのとおりだと御理解をいただいております。
ところで、昭和六十一年度スタートいたしました第四次の五カ年
計画は調整費二百億円を含めましてもわずか千三百五十億円、これは第三次の千九百億円に比較をいたしまして七一%の規模なんですよ。一体これはどういうわけなんですか。
交通安全施設整備というものが非常に大事だという
認識を持っている、こうおっしゃっておりながら
現実にこのようになっている。本心を言えば、いや、私どもも被害者であるとおっしゃるかもしれませんよ、
委員長。だが、私はやはりこういう公式の場ではそれを
指摘せざるを得ないわけであります。
しかも、特定事業と
地方単独事業の事業区分の見直しを行いまして、従来特定事業で実施をしてまいりました信号機の新設、可変標識、固定大型標識等々を
地方単独事業で実施することにした。
地方へ負担を転嫁したわけであります。
今、
住民の一番の
交通安全対策の施策に対しての要望は信号機の設置なんです。これを
地方へ負担転嫁をした。その金額は言うまでもなく五百八十億円。その結果、もう時間がないから申しませんが、信号機の第四次の
計画は第三次の五カ年
計画に比べて大幅に減っているわけであります。
地方へ負担を転嫁し、なおかつ、こういった信号機等々の新設が減っている。これは全くけしからぬことだと私は思っておるわけであります。
そこで、ずっと申していきますけれども、
警察庁では、初め
予算要望をする段階において
交通事故死八千人に抑え込もう、こういった考え方に基づいて、要するにこの五カ年
計画は前期
計画、つまり第三次の千九百億円を上回る二千億の
予算要望をしておったはずであります。これは事実であります。ところが、大蔵に切られたと言ってしまえばそれまででありますけれども、調整費を含めてわずか千三百五十億であります。こういう実態である。
一方において、
建設省分の
道路管理者分は一兆三千五百億円です。これは調整費が二千億含められておるわけであります。十倍です。この原因は、
建設省分は
道路整備特別会計に裏打ちをされておる。特別会計でやる。ところが我が方と言ってはいけませんが、公安分は一般会計だ。ここに根本的な問題があろう、私はこう思うのです。だから特別会計という問題がこれを契機にしてひとつ、ではすぐ私が賛成かどうかということは別にして、本当に
交通安全対策を実施していくならば真剣に国会において議論をされてくる時期に来たんではないかという気持ちを持っております。この点については私の
意見として申し上げておるわけであって、もし
公安委員長にそれなりのお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
いずれにいたしましても、七一%というのはいかにも少ない。でありますから、三年後に見直すことになっておりますね、そうでしょう。どうしても二千億ベースに戻すように最大の努力を
公安委員長としてしていただきたいと私は思います。
私どもも、野党四党がそういった中で、済んでしまったわけでありますが、六十一年度の
予算修正の段階で百億円の上積みの修正を出しました。やはりそういった真意からさせていただいたということでありますから、どうかひとつその辺の真意をよく理解をいただいて、最大の努力をいただきたい。しかも、これに対しての附帯決議も全会一致でついておる。これはもう
公安委員長もよく御
承知だと思います。改めて
公安委員長の、二千億円ベースに戻すかどうか、この辺の決意と、そして特別会計についてのあなたなりの考え方をここでお聞かせをいただきたいと思います。どうですか。