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経塚委員 交付税の問題それから単独事業の落ち込みの問題をただしてまいりましたけれ
ども、時間も参りつつありますので、
大臣にも
お尋ねをしたいと思っておるところでありますが、この地財
計画を見ますと、五十六年、六十一年の比較でありますが、これは連合審査のときにも
大臣に申し上げましたけれ
ども、地方税はこの間に四〇・九%伸びておるわけですね。それから使用料、手数料が
計画では三一・三%伸びておるわけですね。決算で見ますと、これは三一%どころの伸びじゃございません、五十九年度では使用料、手数料は
計画よりも五五・二%も伸びておるのですよ。五割五分も伸びているのですよ。公債費が五八・八%の伸びなんです。地方税は四割伸びる、使用料、手数料は五割以上伸びる、それで公債費が六割近くも伸びる、にもかかわらず単独事業が二五%も落ち込んできておる、こういう
状況なんですよ。
それで、
局長の方は
計画と決算との乖離が
指摘されないようにしたいと言いますけれ
ども、幾ら自治省がそう思って
計画を立てても、市町村は単独事業を
計画どおり消化するだけの財源がありませんから回らないのですよ、そこへもってきて起債ももう限度いっぱいというところも随分出てきておりますから。それではその最大の原因は何かということになりますと、これはもう答えは明確なんです。申し上げましたように、国庫支出金は五年間でマイナス六・八%、七千二百億も削られておるわけですね。交付税も伸ばした、伸ばしたと言いますけれ
ども、予算の伸びは一八・六%、交付税の伸びは一二・八%じゃないですか。だから予算の伸びに追いついておらぬでしょう。これが実態なんです。
臨調行革が叫ばれて六十一年度まで地方にその負担が転嫁されましたものが、いわゆる補助金カット、これはいろいろ手当てをしたというものは除外しまして、六十年度二千八百億、六十一年度四千三百七十億でしょう。それから、特会の利子二分の一負担が五十八年から六十一年で一兆四千三百二十五億ですよ。それから、
一般財源化、地域特例六分の一カット千五百十七億、合わせますと、ここ五年前後で負担転嫁が二兆六千二百二十八億円ですよ、純然たる地方へ転嫁されたものが。今後もこれが当分の間続くということになりますと、毎年九千億ないし一兆円前後が新たに地方へ負担が転嫁されてくる、こういうことになるわけでしょう。単独事業が十分消化されないということもこれの悲鳴ですよ。だから、交付税で手当てをした、手当てをしたとおっしゃっていますけれ
ども、清掃事業は一例として申し上げましたけれ
ども、引き上げなければならない特殊勤務手当等々においても五十三年度以降引き上げずにそのまま来ておる。そうして、実態が月一万五千円の支給であるにもかかわらず、いわゆる基準財政需要額では月に六千円以下しか認めておらない。ほかにもこういう
事例がたくさんあるわけでありますけれ
ども、地方財政の財源拡充調整機能としての役割を果たさなければならない交付税制度というものが、まず最初に国庫負担削減ありきでもって、その受け皿をどうつくるかということで三二%の枠内へはめ込むために基準財政需要額が引き上げられずにそのまま抑制をされ、抑えられて岩でおるのじゃないかという疑いを持たざるを得ないのですよ。地方財政
計画というなら、まず地方の住民と地方ありきであって、ここを主人公として地方財政
計画が組まれなければならぬ、そういう趣旨で決められたこの地方財政
計画なるものが、わざわざ閣議で了解をされなければならぬ
性格のものが、国庫負担の削減、国家財政の補てん機能としての役割しか果たさせられておらないように本質が変わってきつつあるのじゃないかと考えざるを得ないと思うのですね。
したがって、私が申し上げたいのは、最初に
自治大臣に、今、地方行財政をめぐる
状況としては
地方自治は拡充の方向をとりつつあるのか、それともその逆な方向なのかと
お尋ねをいたしました趣旨は、ここにあるわけなんです。これは地方財政法で定められたとおり、国と地方の機能分担、役割分担が明確にされ、そして国が負うべき
責任を明確に定められておるとおり実施される、そうして初めて
地方自治のいわゆる自主財政権が守られる、独立機能が果たされる。財政の裏づけがあって初めて地方財政の、いや、地方行政の自治権というものが拡充の方向にあるといってもいいとは思います。自主財政権、自主行政権、自主立法権、この三権が保障されて初めて
地方自治の拡充と言えるのであって、このうちどれが欠けても、私は
地方自治の拡充ということの評価は出てこないと思うのです。
こういう観点から見ますと、これは残念ながら、幾つかの点を
お尋ねしてまいりましたけれ
ども、やはり国家財政の補てん機能の役割として本質がゆがめられつつある、こういう
状況では、
地方自治は拡充どころか後退の一途をたどるしかないというふうに憂うるものでありますが、その点、最後に
大臣の所見をお伺いしておきたいと思うのであります。