○近藤
説明員 退職者医療
制度だけの問題でちょっと先に
お答えいたしますと、退職者医療
制度は
制度ができたときのいきざつからいたしまして、退職した方は国保に入られるわけでございますけれ
ども、長年被用者保険に入られていたにもかかわらずいざ医療が必要な高齢になったときに給付
水準が下がる、こういうふうな不合理な面があったわけでございますし、しかも高齢者になった後の医療費といいますのが主として国保の
負担とそれから他の自営業者とか農業者等の
負担になったというふうな不合理を是正したものでございまして、見込み違いは確かにございましたけれ
ども、
制度創設の意義といいますのは今においても変わらないというふうに考えているわけでございまして、私
どもといたしましては今後ともこの
制度は維持したいと考えているわけでございます。
それから国保に対します国庫
負担の関係でございますけれ
ども、先生先ほど御
指摘にありましたように国保は非常に低所得者が多い、高齢者も多いというふうな
制度でございますし、あるいは事業主
負担もないということで現在給付費の二分の一の国庫補助をいたしているわけでございますけれ
ども、この国庫補助は社会保険システムを行っている
制度としては極めて高い補助であるわけでございまして、これを上げるというのは非常に難しいというふうに考えているわけでございます。
それで、六十一
年度以降の問題でいかに国保
財政を安定化させるかということでございますが、今国会におきまして私
ども厚生省といたしまして老人保健
制度の改革案を提案しているわけでございます。御承知のとおりこの改革案は老人医療費の
負担といいますものを公平に
負担していただくという
制度であるわけでございますけれ
ども、結果といたしますれば国保
財政といいますのがかなり軽減されるということでございますし、さらには医療費の適正化といったものを私
どもも十分やらなければいかぬなと思っておりますし、保険者におかれましてもこの点については収支両面からの経営
努力を一層お願いしなければいかぬというふうに考えているわけでございます。こういういろいろな
対策、六十一
年度におきましても特別
交付金二百三十億を計上しているわけでございますので、現在
法定の
財政調整
交付金というふうなものもございますので、こういったものも有効に使う。現在できるあらゆる手段を
活用いたしまして国保
財政の安定というもののために私
どもも精いっぱいこれから考えていきたいと思いますし、保険者の方にも頑張っていただきたいというふうに考えておるわけでございます。