○水田
委員 これまでの
答弁で、この問題が解明できるような
資料を
政府は持っていないという感じがしますね。
関係者を呼んだ、十二社の
事情聴取をした、それ以外に何をやっているのですか。それで、これだけの根深い長期にわたるものが解明できるとは私は思わぬ。大臣は、
委員会ごとに徹底的な究明をやっていく、反省もしておると言うのですね。だけれども、今のやり方で
政府は本気でこの問題を解明するというあれは全く感じられない。トラック十何台分の
資料まであると
フィリピンでは言っておるのですね。もちろん
マルコスが持っていったかどうかは向こうの国の問題ですが、
我が国からの
円借款がそういう不正に使われたのではないかという疑いがあれば、国内で
資料がないのなら当然向こうにお貸し願いたい、あるいは写しをいただけぬかということがあってしかるべき。それをやるのなら本気でやると言えます。大臣、本気でないからそういうことはしない、こう言うのですね。
これは、先日サロンガ
委員長に
確認しましたら、野党がどこから手に入れられたか知らないが、
我が国の記録はすべて公式の記録である、非公式なものは
一つもない、こう私どもにサロンガ
委員長も言っておられる。先ほど
稲葉委員からもNHKのインタビューのことが話されましたが、私どもも四月十日、十一日に行ってサロンガさん、ダサさんに会いました。みんなどう言ったかというと、
日本政府を怖がっておるのです。異常におびえておる。だれかおどしておるんじゃないかという雰囲気を私どもは感じましたね。
そういう中で、例えばこの間のマニラの
会議で大蔵大臣がアキノ大統領に、いろいろな情報が流れているが冷静に対処する必要がある、極めて慎重な言い回しですが、こういう形でいろいろな人が
フィリピンのこのサロンガ
委員会に圧力をかけておるんじゃないか。向こうの人は非常に神経質になっている。そのことは事実です。このことはどういうことになるかといいますと、
円借款というのは向こうの人たちはお情けでお恵みをいただく、そういう気持ちはない、こう言うのですね。独立国家としてのやはり矜持を持っておられるのですね。そういう中で、工業先進国である
我が国がそういう国々に経済
援助している、やはりそういう対等の
立場というのは持ちながら、そういう中で向こうでは、せっかく
円借款で経済
援助してもらったけれども、内部のことで大変不正蓄財に使われた、その点は真相を究明して、それは
政府に取り返したい、
国民のために使いたい、こう言っておる。その点については
日本政府の
協力もいただきたい、
商社にも真実を語ってもらいたいとサロンガさんは私どもに言ったのですね。
それに対して
日本政府の今の、きょうのこの
答弁を聞いても、この事実を聞けば、
フィリピンの
国民なり、
フィリピンの
アキノ政権のサロンガ
委員会にしても、
日本政府というのは非
協力である、我々が思っていることに対してまさに
協力しようという気はないな、国内でも今後こういうことが起こらないということをやろうという意思がないというぐあいに
フィリピンの
国民は思うでしょう。だから、大臣は反省しておる、徹底的に究明をする、こう言いながら、今これまでの
政府の
答弁、先月の二十三日ときょうの
委員会の
答弁で、まさにそういう意思がない、私はそういうぐあいに断定せざるを得ぬと思うのですね。
ですから、この解明というのは、お互いの主権の問題があります。あるけれども、
日本の
政府の中に
資料がないというのです。OECFもない。ないけれども、そこを調べるのに、
フィリピン側は一次から全部あるのです。これは公式の記録だと言っているのです。何もお互いに主権を損なうような形でやる必要はないけれども、今後の経済
援助がいい形で、
フィリピンの
国民に喜ばれる形でやられるのなら、相互に
協力しながら、あるデータを出し合いながら、我々に出すのが嫌なら
政府間でやってもいいと思うのですよ。そういうことをやられるお気持ちはないのかどうか、重ねて聞きたいと思います。