○野間
委員 そういうこともあるかもしれませんけれ
ども、つまりバラ色の夢を描かせて、もうどこもかしこも指定しようということでうんと名乗りを上げましたよね。これは今十八地域の指定。ところがこの中で、冒頭にあなたは、多少のばらつきがあってもうまくいっておるというようなことを言われたわけでありますけれ
ども、調べてみますと、決してそうではない。例えば石川県のような場合には、国主導の構想はもう役に立たないとして、先端
産業立地
促進条例を制定して、進出
企業に限度額十億円の補助金をつけて、そして助成策を講じて
企業の誘致をやっておるとか、あるいは地域指定は受けておりませんところで宮城県の仙台地域、これは泉市が中心だと思います、今度の対象になると思いますが、二十一
世紀プラザ構想地域もまさにそうなんです。これは地域指定を受けていないところです。
反対に、いろいろと調べてみますと、例えば北海道の函館でありますが、これはテクノ地域に指定はされております。そして
企業誘致にうんと取り組んだ、ところが、実際には新規の工場立地はほとんどない、こういう状況でありますし、また同じ北海道でも指定されていない千歳あるいは札幌周辺、この方が工場立地がうんと進んでおるというのもこれまた事実であります。
それから、指定されております岡山の吉備高原ですが、これは私も現地を見てまいりましたけれ
ども、ここは工場団地の造成が今進んでおりまして三十六ヘクタール、ところが、県そのものに聞きましても、
企業立地はまだ決まっていない、こういう
状態であります。
私が問題にしたいのは、時代の節目節目に
政府がいろいろと国主導で施策をつくり、そしてこれを地方に押しつけると申しますか、進めていかれるわけでありますが、こういういわば下手なサッカーと申しますか、
一つの球がありますとそこへわあっとみんな集中するというような弊害が相当出てきておる。沿革的に見ましても、例えば新
産業都市やあるいは工業
整備特別地域、いわゆる臨海地域に工業団地をうんとつくる、これは通産省のいろいろな報告書を見ましても、既に破綻して未利用地が二万四千ヘクタールにも上る、これをどう処理するのかというので四苦八苦というのも物の本にも出ております。
今度はハイテクだ。これは内陸が中心だと言って基盤
整備がずっと進められてきたわけでありますけれ
ども、この経過をずっと見ておりますと、
企業の妙味があるところ、先ほど幾つかの
条件を挙げましたけれ
ども、こういうところには後追いでうんと支援をするけれ
ども、実際に必要なところについてはずっと放置されておるというのが通産省のとってきた
産業政策の実態ではなかろうかというふうに私は思うのです。
例えば私の地元の和歌山ですけれ
ども、半島
振興法ができるぐらいに非常に過疎が進んでおります。ここでは、どうしたら
産業の
振興が成り立つかということで相当考えておるわけであります。例えばテクノの地域の指定にも初めは名のりを上げたのですね。ところが
条件に合わないということで、今これをペンディングにした状況がずっと続いております。それでは一体どうするのか。逆に
振興どころか、例えば国鉄の紀勢線が駅舎から駅員をどこかへやってしまう、無人駅にする、あるいは貨物の取り扱いをやめてしまう。高速道路はどうかといいますと、これもなかなかつかない。そういう
状態でずっと放置されているというのが現状なんですね。一昔前は和歌山は住金が中心で、あるいは
石油等臨海工業地帯、これが鉄冷え等で大変な
状態ですね。いっときは
中小企業性製品と大
企業性製品の割合が六、三であったのですが、今は逆に大
企業性製品が六割で、それから
中小企業性製品が三割、それに加えて鉄冷え、大変な
状態ですね。
必要なことは、
産業構造について言いますと、本当にその土地、その土地の特性に根差した、最も地元の
産業を生かせるような、そういうつり合いのとれた
産業の
発展というものをやる必要があるのじゃないか。ですから、もう至れり尽くせりのことを一方ではする、ところが片方ではずっと放置され、そのままですね。しかも逆に、今申し上げたような高速道路についても、あるいは鉄道のさらに後退という点から見ましても、これはさらに後退を続ける。こういう格差がうんとふえてくるということは、私は、放置することはできない問題であろうというふうに思いますけれ
ども、この点についての御認識はいかがですか。