○山本
説明員 二点についてお答え申し上げます。
第一点の成田−千葉
ニュータウン間あるいは成田−東京都心乗り入れというような空港アクセス鉄道という問題につきましては、私どもとしては、成田空港と都心とを結ぶこうしたアクセス鉄道が、アクセスを兼ね、かつ千葉県の北西部の
開発に伴う通勤通学輸送としてもぜひ必要だというふうに考えてきたところでございます。
実は、冒頭先生がおっしゃられました成田新幹線の
構想につきましてはもともと
地域の
開発に資しがたいということもあって、
地域の
開発に資することを兼ねたものとしての見直しを始めたのが五十六年でございました。五十六年から一年間かけまして新東京国際空港アクセス
関連高速鉄道
調査委員会で検討してまいったわけでございます。
そこでは、先生既に御存じだと思いますが、私どもいわゆるA案、B案、C案と言っております三案について検討を重ねてきたところでありますが、その
三つの案につきましていずれの案をとるかということについての結論は、五十九年十一月にこの三案のうちいわゆるB案、すなわち都心と都営一号線、それから京成押上線、それから北総
開発鉄道、それから住都公団線、で、さらにその先をつなぐ、いわゆる民営鉄道としての各線をつなぐB案が適当ではないか、こういうことを
推進しようではないかということを決定いたしました。その後、その具体化に向けましていろいろ必要な事項について検討してまいったわけでございます。
その際、現在検討している中におきまして問題となっている点が三点ばかりございます。
一つは、印旛松虫から空港間の
事業主体がいまだ決まっておりません。その
事業主体をどうするのか。その建設、
整備のあり方はどうするのか。この間、大ざっぱに見積もっても千数百億円というお金がかかります。
さらに第二番目の問題といたしまして、東京駅へ真っすぐ乗り入れることに相なりますと東京−江戸橋間の新たな区間の建設が必要になってまいりまず。この
事業主体をいかにするのか。また建設、
整備の進め方をどうするのかといった点が問題になります。
それからさらに三番目の問題としては、空港アクセスという機能を兼ねますので、空港に直通する特急の運行方式を多数の民営鉄道にまたがってやるためにはどうすればいいのか。そういうような
三つの
問題点を五十九年の暮れ以降詰めているところでございます。
ところで、五十九年十一月以降、
ニュータウンの懇談会が発足いたしまして、新
住宅地区の
事業計画の見直しが行われておるところでございます。何分、これらは民営鉄道をつなぐということでございまして、全線をつなぎますと数千億というような設備投資が必要になるわけでございますので、そういった需要の動向、したがって採算性がどうなるかという
状況が非常にこの建設に影響してまいります。そういうようなものと兼ね合いまして調整をつけながら先ほど申し上げました
三つの点を詰めていこう、こういうことで勉強を続けているところでございます。
それから第二点目の先生お尋ねの、東京−本八幡間の問題だと思いますが、この鉄道につきましては昭和四十八年十月に千葉県に対し免許が行われまして、昭和五十年三月に千葉県から運輸省に工事の
施行認可の申請がなされているところでございます。その後、千葉
ニュータウンの
開発事業の大幅なおくれが明らかになってきましたことから、私どもといたしましては鉄道
事業者である千葉県に対しまして入居
計画のおくれに伴う輸送
計画について検討を指示したところでございます。なお、千葉県において現在検討中であり、未処分のまま現在に至っているところでございますが、五十九年十一月から始まっております千葉
ニュータウン懇談会におきまして、新
住宅地開発事業施行区域の変更を含みます現
事業計画全体の見直しの基本的指針が示されたところでございます。
また、昨年七月答申が行われました運輸
政策審議会の首都圏における鉄道網の
整備計画につきましては、この路線は昭和七十五年度までに
整備すべき路線とは位置づけられておりませんで、今後の県営鉄道の
取り扱いについては、これらの周辺事情の変更も含めまして慎重に検討を加えてまいりたい、かように存じております。